『沈黙-サイレンス-』2人のスタッフが証言するスコセッシ監督の現場と作品に込められた想い!

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マーティン・スコセッシの最高傑作『沈黙-サイレンス-』がいよいよ1月21日(土)、日本公開を迎える。

「初めて遠藤周作の「沈黙」を読んでから28年、ずっとこの作品のことを考えてきた」と語るマーティン・スコセッシ監督にとって、『沈黙-サイレンス-』は、映画にしなければならない運命的な作品。いくつもの困難を乗り越えて実現した一大プロジェクトだ。
キャストには、アンドリュー・ガーフィールド、アダム・ドライバー、リーアム・ニーソン、日本からは窪塚洋介、浅野忠信、イッセー尾形、塚本晋也、小松菜奈、加瀬亮、笈田ヨシら、各世代の実力派が集結。さらに、全員でアカデミー賞受賞6回、アカデミー賞ノミネート23回のスコッシゆかりの最高のスタッフと、時代考証や美術で日本人チームが参加し、舞台となる江戸初期の長崎を再現した。

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今回、スコセッシゆかりのスタッフがこの映画について語ってくれた。『ヒューゴの不思議な発明』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を製作総指揮、本作ではプロデューサーをつとめたエマ・ティリンジャー・コスコフ。そして、スコセッシの盟友でもあり、『レイジング・ブル』『アビエイター』『ディパーテッド』で3度オスカーに輝いた名編集者セルマ・スクーンメイカーだ。

エマが初めて「沈黙」を読んだのは2005年だ。「私は独断的な意見にとらわれない家庭で育ったから、信仰と疑念という主題はいつでも示されていたけれど、この本を読むまでそのことを深く考えたことがなかった。だから、この本は私にはとても特別なもので、マーティがどうして映画化したいか、その気持ちがすぐに理解できた」という。だが、製作はまさに緊張の連続で9kgも体重が減った。「毎日、へとへとだった。来る日も来る日も、不安と恐怖と喜びといろいろと交ざった気持ちを味わい、違う状況に対応していた。本作は、私が参加した今までで一番大切な映画だし、私のキャリアの中で一番大切な映画になるだろう」と確信している。「マーティが私を信頼して製作管理を任せてくれたことに感謝しているし、とても光栄だ」と胸を張る。
過酷な現場では、スタッフの献身によって支えられた。世界から集められたキャスト、スタッフ、そしてエキストラに至るまで、「全員が、映画のために110%の力を毎日、注いだ。マーティン・スコセッシの映画セットにいるという栄誉が、彼らのモチベーションになった。全員が身と心の110%の力を出し切っていたことを、いくら声を大にして強調しても言い足りない気がする。何もかも、すべてマーティのため」だった。

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「とても感動的な内容だから。私たちはこの映画に夢中になったの。監督を助けて本作を作ることができてとても喜んでいる」と微笑むのは、編集のセルマ・スクーンメイカーだ。過酷な現場で撮影された素晴らしい映像を、スコセッシはクラシックなスタイルで仕上げたという。
「マーティのアプローチは、今私たちが見る多くの映画のように、騒音にまみれた、速いテンポの編集によるものではなく、観客には映画の冒頭で落ち着いて、今自分が見ているものについて考え、感じてほしいと思っていた。何を考えるべきかを示すようなことはしたくなかった」とセルマは説明する。

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スコセッシは、「映画に音楽を見事に生かすことで有名だけど、今回は断固として追加の音楽を入れずに、セミの鳴き声や洞窟の音とか波の音から引き出す音だけにしたいと決めていた。観客には映画に夢中になってもらって、深く考え、感じてもらいたい」と願っていた。
静謐な映画と向き合うことで、「人々は映画の最後にとても感動することになる。彼はとてもクラシックな撮影方法を使い、映画のペースもわざと抑えている。観客が最近の恐ろしく速い生活のペースから徐々に落ち着いて、ここしばらく遠ざかっていた気持ちを思い出してくれたらいいと思っている。物語の進行とともに、だんだんと話に夢中になっていき、最後で驚愕して、眉間を強打されるような思いを味わう」と、特別な映画体験となると断言する。そして、「映画を見た後で何週間も考え続けてくれるといいと思っている」と結んだ。

マーティン・スコセッシ監督が並々ならぬ情熱を傾けて完成した『沈黙-サイレンス-』は、1月21日(土)より、全国ロードショー。

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