宮本信子「変なオジサンがいたってことを知って欲しい」伊丹十三監督作『タンポポ』凱旋上映

「BS日本映画専門チャンネル」(BS255ch)を運営する日本映画放送株式会社は、2016年10月にニューヨークのFilm Forumを皮切りに、30年ぶりに全米公開された伊丹十三監督の映画『タンポポ』(4Kデジタルリマスター版)を、1月13日(金)、有楽町TOHOシネマズ 日劇にて一夜限りの凱旋上映を開催。女優の宮本信子が舞台挨拶に登場した。
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スクリーン前の舞台に登場した宮本は、「こんな機会があるとは考えてもいなかったので嬉しくて嬉しくて。一回だけの上映は宝物のような気がして嬉しいです。劇場を開けていただかないとできないので、ありがたいと思いました」と、イベント開催について気持ちを語った。

アメリカでの上映時について聞かれると、「最初から最後のカットまでお客様がすごく楽しんでいらっしゃったんですよ。笑いが笑いを呼ぶような、映画を自由な感じで楽しんでいらっしゃって。その映画館の雰囲気があまりにも素敵だったので、伊丹さんが知ったらほんとに喜ぶだろうなと思って、感無量になりました。30年たって長い目で見てみると、この映画は外国の人達に愛されていて、そして古臭くなかってです。なにもそれを感じなかった」と、2016年10月当時の感想を語った。

↓左が今回のアメリカ公開時に作られたポスター。右が30年前のポスター「このイラストは伊丹さんが書いたんですと」と宮本。

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試写会に来た3割の方が『タンポポ』を観るのが初めてということを知った宮本は、「これは本当に素晴らしい出会いだと思いますし、『タンポポ』以外にも『お葬式』『マルサの女』とかに広がっていって、伊丹十三の映画を忘れないようにして欲しい。私自身も、伊丹映画を広めるために、松山に伊丹十三記念館を作りました。伊丹を人として、また伊丹作品を若い人に観てもらいたい。こんな変わったこんな変なオジサンがいたってことを知っていて欲しくて、この記念館を立てました」と、胸に秘めた熱い思いを語っていた。

「BS日本映画専門チャンネル」では、2017年2月4日(土)19:00から「24時間まるごと 伊丹十三の映画」と題した総力特集を開始。監督デビュー作『お葬式』から遺作となった『マルタイの女』まで、珠玉の全10作品を独占放送する。これに加えて、昨年ニューヨークでの初日舞台挨拶に、女優・宮本信子さんが向かう様子をドキュメントしたオリジナル番組『タンポポ、ニューヨークへ行く』も合わせて放送。気になる方は公式HPで詳細を確認して欲しい。https://www.nihon-eiga.com/osusume/itami2017/