『オアシス:スーパーソニック』“タンバリン投げ事件”が名曲を生んだ!?

映画『オアシス:スーパーソニック』は、リアム&ノエル・ギャラガーが製作総指揮を務め、バンド結成から96年のネブワース・ライヴまでの軌跡を描くオアシス初の長編ドキュメンタリー。製作には、アカデミー賞最優秀ドキュメンタリー賞に輝いた『AMY エイミー』のスタッフが結集した。

↓リアム
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©Ignition

↓ノエル
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© Tim Abbot

オアシスの魅力はなんと言っても楽曲の良さだ。その楽曲を秘蔵映像と共に贅沢に楽しめるのが本作である。今回は、本編で映像と共に紹介されるオアシスの名曲誕生に秘められた3つのエピソードを一挙ご紹介!

最初のエピソードは、レコード契約前の1992年のこと。ノエルは「ある夜出来た1曲ですべてが変わった」と振り返る。メンバーのボーンヘッドも信じられないほどで、初めて曲を聴いた時、「『曲が出来た』と言って奴が聴かせたのがあれだ。『お前じゃない』『なんで?』『だってそうだろ、よすぎるよ』」と当時のノエルとのやりとりを思い出す。その曲こそ「リヴ・フォーエヴァー」だった。この曲が出来たときノエルは「これはケタ違いだって。『これだ、出来た』と感じた」と振り返っている。ノエルだけではなく、この曲でオアシスの虜になったファンも多いはず。

続いて、本作のタイトルにもなっているデビューシングルから。実は「ブリング・イット・ダウン」でデビューする予定だった。オアシスとレコード契約を交わしたアラン・マッギーが、グラスゴーで初めて聴いて衝撃を受けた曲だったからだ。しかし、演奏が中途半端な出来だったためメンバーは猛反対。そして、ほかの曲を録音せずに、一夜でノエルが書き上げた新曲が「スーパーソニック」だったのだ。その時のことをボーンヘッドは「皆が中華を食っている間に、奴が曲が出来たと戻ってきた。その夜、録音してミックスした。すげえ出来だったよ」と語っている。

最後は鳥肌が立つバラード曲の誕生秘話だ。ファーストアルバムがリリースされるとオアシスは米国ツアーへ。しかし、クスリを覚えたメンバーのライヴはめちゃくちゃ。イラついたリアムが八つ当たりでタンバリンをノエルに投げつけたのが事の発端だった。その夜からノエルは失踪。直前に行ったサンフランシスコで出会った女性の元へ逃げ込んだのだ。「何を考えてたのか、とにかく消えたかった 今でもトラウマだ」とノエルは振り返る。しかし一方で、「でも『トーク・トゥナイト』はあの数日に出来たすごくいい曲だから──運命的な出来事だったんだ」とも。リアムの八つ当たりによる“タンバリン投げ事件”が発端で生まれた名曲こそ「トーク・トゥナイト」だったのだ。

本編では他にも「ロックンロール・スター」「ワンダーウォール」「モーニング・グローリー」ほかバンドの軌跡を語る上で欠かすことの出来ない名曲が20曲以上使われている。

『オアシス:スーパーソニック』は、12月24日(土)、角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。