タランティーノ監督、ディカプリオ&ブラピの起用は「世紀のクーデター」

クエンティン・タランティーノの9作目の長編監督作となる最新作で、レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピットの2大スターが共演を果たす『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が8月30日に公開となる。このほど、8月26日にザ・リッツ・カールトン東京にて本作の来日記者会見が実施され、キャストのレオナルド・ディカプリオ、クエンティン・タランティーノ監督、プロデューサーのシャノン・マッキントッシュが出席した。

多くマスコミが待ち受ける中、記者会見場に現れたゲスト陣。タランティーノ監督は「戻ってこられて本当に嬉しいです!」と笑顔で挨拶し、先日、妻である20歳年下のイスラエル出身シンガー兼女優のダニエラ・ピックが妊娠したことについて話が及ぶと、「家中に小さなタラちゃんがたくさんいる日も近い」と、ジョークで会場を沸かせた。

次に挨拶したディカプリオは「日本に帰ってこれて本当に嬉しい。初来日は『ギルバート・グレイプ』のときだと思いますが、そのときから何度も来ており、いつも暖かい歓迎ぶりに感謝している」とコメントした。

ハリウッドで俳優として再び栄光を取り戻そうとしている落ち目のTV俳優リック・ダルトン役を演じたディカプリオ、長年リックのスタントマンを務めているクリフ・ブース役のブラッド・ピット。なぜこの2人を起用したのかを聞かれたタランティーノ監督は「キャラクターにぴったりだったから」と即答したが、「正直なところ、自分が選んだというよりも彼らが僕を選んでくれた。たくさんの企画をオファーされる2人ですから、自分を選んでくれてラッキーだった。2人をキャスティングできたのは世紀のクーデターじゃないかなと思う」と語った。

ブラッド・ピットと親友だというディカプリオは、本作の撮影に臨む上での話で「私たちもこの業界に属しているが、そのド真ん中にいるわけではない。ちょっと落ちぶれている。ハリウッドはどんどん変革していく中で取り残されていく状況」と自身の現状を謙遜しながらも、「実際には、自分のキャリアとしては成功していると思いますが、周りも見えていますし、映画のキャラクターがどういう状況なのかも非常に分かる。お互いに依存しあっている関係」だと、役について説明した。

劇中で起きる奇跡にちなみ、身の回りで起こった奇跡を聞かれたゲスト陣。タランティーノ監督は「映画のキャリアを持てているのがミラクル。9本も映画を作ることができて、日本に来ても自分が誰だか皆さんが知っていらっしゃる。96年にはビデオストアで働いていたと思うと、本当にこれがミラクルだと感じる」とコメント。監督に完全に同意するというディカプリオは「僕はLAで育ちました。業界のことを知っているので、俳優がどれだけ大変かは知っています。私はラッキーにもハリウッドにいましたので、子供の頃から学校が終わるとオーディションを受けに行っていた。仕事がある俳優であること、自分に決定権や選択肢がある事自体が、俳優としては奇跡だと思います」と述べていた。

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
8月30日(金) 全国ロードショー
監督・製作・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:レオナルド・ディカプリオ ブラッド・ピット マーゴット・ロビー ルーク・ペリー アル・パチーノ ブルース・ダーン ダコタ・ファニング ジェームズ・マースデン ティム・ロス マイケル・マドセン カート・ラッセル エミール・ハーシュ ティモシー・オリファント ダミアン・ルイス
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント