池松壮亮、共演者ピエール瀧は「大きな力を注いでくれた」、蒼井優も「またお互いの人生が交差する時がきたら」

昨年4月にテレビ東京で放送されたドラマ版が第56回ギャラクシー賞テレビ部門「奨励賞」を受賞した、「愛しのアイリーン」や「ザ・ワールド・イズ・マイン」などを手掛けた新井英樹による伝説の漫画を、池松壮亮、蒼井優共演で映画化する『宮本から君へ』が、9月27日より公開される。このほど、8月22日に新宿バルト9にて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストの池松壮亮、蒼井優、井浦新、一ノ瀬ワタル、真利子哲也監督、原作者の新井英樹が登壇した。

主人公・宮本の台詞「俺の人生バラ色だからよぉ」にちなみ、一輪のバラの花を持った観客がキャストとスタッフ陣を迎えスタートした本イベント。宮本を演じた池松は「この日を迎えられて幸せに思います」と挨拶すると共に、「物語同様、いろんなことがこの日までありました」と出演者であるピエール瀧についてコメント。「あくまで共演者として、あの人の目は本気でしたし、この作品にとんでもなく大きな力を注いでくれたと思っています」と瀧を称賛しつつ、「いろんな人がリスクをとってくれて公開する運びとなったことを、改めて報告したい」とゆっくりと言葉を絞り出しながら自身の想いを伝えた。また、「私たちが人を罰する力を持つのであれば、もしかしたらそれと同じぐらい、それ以上に人を許す力も必要なのではないかなと思っています。なんとか立ち上がって、映画の現場で出会えることを今はただ願っています」と瀧へエールを送った。

ヒロイン・靖子を演じた蒼井は、共演した瀧について、「せっかく出会ったのだったら、またお互いの人生が交差する時がきたら」とコメント。また、本作は「生半可な気持ちでは立ち向かえない作品」で「ボロッボロになりながら、みんなで挑みました」と言い、「私たちの熱量が、観た方にほんの少しでも伝わってくれれば」と客席へ語りかけていた。

原作者の新井から「描いている自分が、台詞になって生の声で聞くと、“もうやめてくれ”と言わんばかりの宮本っぷり」と絶賛された池松。宮本を演じるにあたり、気合いを入れるために歯を抜こうとしたというエピソードが明かされると、池松は「これだけ誰かの人生のバイブルになってきた伝説の漫画を映画化するということは、何かを捧げなければいけないんじゃないか」と思っての行動だったと語った。

続けて、池松が「新井先生の家に行った時に、歯(を捧げる)ぐらい言えば『やっていいよ』と言ってもらえると思って言ったんですけど、すぐ止められました」と明かし、「それでももやもやしていた」ようで「別作品で蒼井さんと共演した時に、ちらっと相談したらすぐ止められまして。母親に止められているような気分になりまして、妙な説得力があった」とのこと。その際、蒼井は「『歯は大事だよ』って言いました(笑)」と明かすと、池松も「『駄作になったらどうするの?』って言われました(笑)」と振り返り、観客の驚きと笑い声を会場に響かせていた。

『宮本から君へ』
9月27日(金)新宿バルト9ほか全国ロードショー
監督:真利子哲也
原作:新井英樹「宮本から君へ」(百万年書房/太田出版刊)
脚本:真利子哲也 港岳彦
主題歌:宮本浩次「Do you remember?」(プロデュース:横山健&宮本浩次/ユニバーサルシグマ)
出演:池松壮亮 蒼井優 井浦新 一ノ瀬ワタル 柄本時生 星田英利 古舘寛治 ピエール瀧 佐藤二朗 松山ケンイチ
配給:スターサンズ KADOKAWA

【ストーリー】 文具メーカーで働く営業マン宮本浩(池松壮亮)は、笑顔がうまくつくれない、気の利いたお世辞も言えない、なのに、人一倍正義感が強い超不器用な人間。会社の先輩・神保(松山ケンイチ)の仕事仲間である、自立した女・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本は、靖子の自宅での食事に呼ばれるが、そこに靖子の元彼・裕二(井浦新)が現れる。裕二を拒むため、宮本と寝たことを伝える靖子。怒りで靖子に手を出した裕二に対して、宮本は「この女は俺が守る」と言い放つ。この事件をきっかけに、心から結ばれた宮本と靖子に、ひとときの幸福の時間が訪れる。ある日、営業先で気に入られた真淵部長(ピエール瀧)と大野部長(佐藤二朗)に誘われ、靖子を連れて飲み会に参加した宮本は、気合いを入れて日本酒の一升瓶を飲み干し、泥酔してしまう。見かねた大野が、真淵の息子・拓馬(一ノ瀬ワタル)の車で送らせようと拓馬を呼びつけた。そこに現れたのは、ラグビーで鍛えあげられた巨漢の怪物だった…。泥酔する宮本と、宴会を楽しむ靖子、二人の間に、人生最大の試練が立ちはだかる…。究極の愛の試練に立ち向かうべく、愛する人のため宮本浩が“絶対に勝たなきゃいけないケンカ”に挑む!

©2019「宮本から君へ」製作委員会