筒井真理子の意外な“よこがお”に、池松壮亮「チャーミングな面も見れました(笑)」『よこがお』完成披露プレミア上映会 レポート

『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞した深田晃司監督と、同作で毎日映画コンクール女優主演賞ほか数々の映画賞に輝いた筒井真理子が2年ぶりに再タッグを組む映画『よこがお』が、7月26日より公開される。このほど、7月2日にテアトル新宿にて完成披露プレミア上映会が行われ、キャストの筒井真理子、市川実日子、池松壮亮、須藤蓮、小川未祐、深田晃司監督が登壇した。

本作は、ある事件をきっかけに築き上げた幸せを奪われてしまった主人公・市子が復讐を仕掛けていくヒューマンサスペンス。映画のストーリーにちなみ、これまで自分が仕掛けた復讐は?と問われると、筒井は「映画が復讐をしてくれたことがあった」という。「映画館でポップコーンとコーヒーを買って席について、左のドリンクホルダーが埋まっていたので右に置いた」そうだが、「普通、映画館では左が自分のホルダーって知らなくて。右にいたおばさまに『番号書いてあるでしょ?』って言われて、仕方なく両手で持って観ました(笑)」と困った状況になったとのこと。続けて、「『箱入り息子の恋』という映画だったんですけど、(映画と)全く同じシチュエーションになりまして(笑)。『片方空いてないんだから空けてあげなさいよ』って(劇中で)言ってくれて。途中でおばさまがいなくなっていた」と映画が気持ちを代弁してくれたと語った。

また、本作のタイトル『よこがお』は、顔の表情の反対側が見えないという状態から、一度には見ることができない人間の複雑さと多面性を見てほしいという理由で深田監督がつけたといい、共演者や監督のもう一つの“よこがお”は?という質問も。市川が「何でもできそうな池松さんなんですが、『白目をしてください』と言ったらできなかったんです」と言うと、池松は「共演したからといって『白目をしてくれ』なんて結構な要望で(笑)。なんでしなきゃいけないんだろう?とやったら、ボロクソ言われた」と白目の仕上がり具合に文句をつけられたと明かした。

そんな池松は「筒井さんに、撮影前に『キャベツをたくさん食べたけど気にしないでください』と言われた」そうで「全然大丈夫ですし、僕がどうこう言う話でもない」と思ったそうだが、「本番回ったら、まぁキャベツ臭かった(笑)」と暴露し、「チャーミングな面も見れました(笑)」と笑顔を見せた。さらに、市川の“よこがお”について、「部屋でテレビを見ているシーンで、シャチのドキュメンタリーをスタッフが流してくれていたんですが、撮影が長いので何周もするんです。シャチが撲滅の危機にあって殺されているシーンもあって、その度に(市川さんが)顔を伏せていて、3周ぐらいしても同じ反応をする」と明かし、「心が清らかな人だなぁと思いました」とコメント。それを受けて市川は「バカにされた気持ち!(笑)」と池松に突っかかっていた。

【フォトギャラリーはコチラ】

『よこがお』
7月26日(金)より角川シネマ有楽町、テアトル新宿ほか全国公開
監督・脚本:深田晃司
出演:筒井真理子 市川実日子 池松壮亮 須藤蓮 小川未祐 吹越満
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 訪問看護師の市子(筒井真理子)は、その献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されていた。なかでも訪問先の大石家の長女・基子(市川実日子)には、介護福祉士になるための勉強を見てやっていた。基子が市子に対して、密かに憧れ以上の感情を抱き始めていたとは思いもせず…。ある日、基子の妹・サキ(小川未祐)が行方不明になる。一週間後、無事保護されるが、逮捕された犯人は意外な人物だった。この事件との関与を疑われた市子は、ねじまげられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活のすべてが音を立てて崩れてゆく。すべてを失った市子は葛藤の末、自らの運命へ復讐するように、“リサ”となって、ある男の前に現れる。

©2019 YOKOGAO FILM PARTNERS & COMME DES CINEMAS