斎藤工「僕らのやりたいことが全部詰まった作品」『MANRIKI』プチョン国際ファンタスティック映画祭 舞台挨拶レポート

俳優・フィルムメーカーとマルチに活躍する斎藤工が、お笑い芸人の永野、ミュージシャン・俳優の金子ノブアキ、CMや金子のMVを手掛ける清水康彦とともに結成した映像制作プロジェクトチーム「チームMANRIKI」による長編第一弾作品『MANRIKI』が、11月29日に公開される。このほど、6月29日に第23回プチョン国際ファンタスティック映画祭「World Fantastic Red」にてワールドプレミア上映が行われ、上映後の舞台挨拶に斎藤工、永野、SWAY、清水康彦監督が登壇した。

上映後、斎藤工、永野、SWAY、清水康彦監督が舞台挨拶に登壇。永野は自身のネタを披露し会場沸かせた。そして一人一人韓国語で挨拶したあと、斎藤工から「このプロジェクトは、ここプチョン、そしてシッチェス、日本だとゆうばりをめがけて作った気持ちがあります。僕はファンタ映画、いわゆるジャンル映画に救われて、俳優人生を導いてもらったと思っています。プチョンに帰ってくるべき作品で帰ってこれたと思っています」と挨拶した。

そしてティーチインが始まり、男性から「永野さんはすごく有名な芸人さんですが、この映画では作家としても参加しています。この映画を作ったきっかけを教えてください」という質問に対し、永野は「僕が、日本のあるファッションショーのゲストに呼んでいただいたときに、ファッションモデルは体型も綺麗な人たちなのですが、舞台袖に、“小顔になれるプリクラ”とか、“小顔矯正”とかがあって、それを見た時にちょっとショックで、その夜に呼ばれたパーティーにちょうど斎藤工くんがいて、そんなに顔を小さくしたいんだったら、図画工作の授業のときにあった“万力”で潰したら手っ取り早いんじゃないかという話しをして。僕が酔っ払った勢いで、それを映画にしようよ。という話しをしたら、まさか次の日に、“その映画、どうしていきましょう。”と連絡があって、そこから始まりました。それが3年前です」と製作の経緯を明かした。

男性から、「本当に不思議な映画で、異常すぎる作品だと思ったのですが、撮影はいかがでしたか?」という質問に対し、永野が「自分の中で、初めてというくらいストレスがなく、ずっと“楽しい、楽しい”だった。自分の世代でいうと “辛くて良いものが生まれる”という教育があったので、こんなに楽しくていいの?という不安があったのですが、でも、結果的に楽しくて理想以上のものができたので自分的にはすごいハッピーでした」と語った。

さらに斎藤から「あるシーンで、僕が大福饅頭を口に詰めるシーンがあるのですが、それは神野三鈴さんの差し入れでした。その差し入れが、手に白い粉がついて、そこからイメージが広がって、それを口に詰めるアイテムとして監督に相談して使わせていただくことになりました。実際、永野さんが僕の喉の奥の奥まで詰めてきて、本当に苦しかったシーンです」と話すと、永野から「映画で死んだら伝説になるかな、と思って。本気で殺そうと思いました(笑)」と会場を沸かせる一幕も。

男性からSWAYに対して、「SWAYさんは、音楽活動もされていますが、キャスティングされた理由を教えてください」の質問に対し、SWAYから「日本でヒップホップをやってるのですが、俳優は6、7年やらせていただいていて、MANRIKIではヒモの役だったので、50代の女性をどうやって騙すか、お金をもらうにはどうしたら良いのか、今回の作品をきっかけに真剣に考えました(笑)。もちろん役の中でですよ(笑)」と会場を沸かせた。

最後に斎藤から、「日本のこういったジャンル映画は、日本国内ではどこに置き場があるのが、疑問視される傾向にあります。でも、この映画は、永野さんの奥底にある、暗くてギラついた、美しい世界があって、これぞ映画だと思い、清水監督の才能と、太陽みたいなSWAYさんと、他の仲間と、この映画を作り、僕らのやりたいことが全部詰まった作品ができたことに一映画ファンとしてとっても満足しています。ただ、映画はお客様が決めるものだと思ってまして、今日観た映画『MANRKI』という作品を厳しく評価してください。今日は、『MANRIKI』にとって特別な日に見に来てくだっさいましてありがとうございました」と語り、舞台挨拶を締めくくった。

『MANRIKI』
11月29日(金)より、シネマート新宿ほか全国順次公開
監督・脚本・編集:清水康彦
原作・脚本:永野
企画・プロデュース:齊藤工 永野
音楽監督:金子ノブアキ
出演:斎藤工 永野 金子ノブアキ SWAY 小池樹里杏 神野三鈴
配給:HIGH BROW CINEMA 東映ビデオ

©2019 MANRIKI Film Partners