【衝撃】『ラストタンゴ・イン・パリ』ベルトルッチ監督のレイプシーンについての告白に俳優たちが嫌悪と怒りを示す

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The Hollywood Reporter

映画の歴史上、最も悪名高いシーンの一つである、ベルナルド・ベルトルッチ監督の『ラストタンゴ・イン・パリ』での、マーロン・ブランド演じる男がマリア・シュナイダー演じる若い娘をレイプするシーンが映画公開から44年を経て再び話題となっている。The Hollywood Reporterほか米メディアが伝えている。

2013年に行なわれたインタビューが最近出てきて、その中でベルトルッチは2011年に亡くなったシュナイダーが事前にレイプシーンを知らされてなく、生々しいシーンがその場で撮影されたと認めた。

「マーロンと撮影していた建物で朝食を取っていた。そこにはバゲットとバターがあり、私たちは目が合ったが、何も言わなかった。お互いに必要なものがわかっていたんだ」と監督は言った。「(撮影で)何をするつもりかマリアに言っていなかったことは、彼女にひどく悪かったと思っているよ」

「罪悪感はない。しかし、彼女が亡くなったとき、マーロンと私が行なったこと、そして彼女に話さないと決めたことについて、彼女に謝罪しなかったことを申し訳なく思ったんだ。彼女の感じた屈辱は本物だったが、彼女を本当に怒らせたのは、女優としてそのシーンに対して準備することを許されなかったと感じたことだと思う。しかし、私は女優としてではなく、彼女自身としてのリアクションがほしかったんだ」

ハリウッドの俳優たちがこのニュースについての嫌悪感をTwitterで示している。ジェシカ・チャステインは「監督は彼女を襲撃した。吐き気がする」と言い、クリス・エヴァンスは「この映画を2度と見ないだろう。ベルトルッチとブランドは刑務所に送られるべきだ」とツイートした。監督のエイヴァ・デュヴァーネイは「許しがたい。監督として理解できない。女性として恐怖、嫌悪、そして怒りを感じた」という。エヴァン・レイチェル・ウッドは「胸が張り裂けるようで、腹立たしい。これが許されると考えたなんて、この2人は病気だ」と。

アナ・ケンドリックは、シュナイダーが撮影前に何も聞かされていなかったことは知っていたと話す。「シュナイダーはこのことについて何年か前に話していた。その話が出るたびに私は激高していた」とツイートした。

「脚本に書かれていないことを強いることはできなかったから、私はエージェントや弁護士をその場に呼ぶこともできたの。だけどそのときはそのことを知らなかったのよ」とシュナイダーは2007年のインタビューで話している。

「マーロンは『マリア、心配しなくていい。たかが映画だ』と言ったの。だけどそのシーンの間、マーロンは演じていただけだけれど、私は涙が止まらなかった。セックス・シンボルのように扱われることがとても悲しかったの。女優として認めてもらいたかったし、この事件や映画の影響で私は少しおかしくなってしまったし、精神的にダメになってしまったわ」とシュナイダーは続けた。そして彼女は「屈辱も感じたし、正直なところマーロンとベルトルッチの両方にレイプされたと感じた」と付け加えた。

彼女は、ブランドも同じくベルトルッチに利用されたと感じていたと話した。「マーロンは、彼もレイプされ、巧みに操作されていたと言ったけど、彼は48歳だった。それに彼はマーロン・ブランドだった!」。この経験が若い女優にどのように影響したのか想像するのは簡単だった。薬物中毒と精神病に苦しんだシュナイダーが、彼女の人生が坂道を転げ落ちてしまったのはこの悪名高い映画のせいだと責めていることはよく知られている。彼女はベルトルッチ監督の映画に出演したという悪評を克服できなかったと言っている。

『ラストタンゴ・イン・パリ』は批評的に賞賛されたが、一般的には議論を呼んだ。イタリアで卑猥であると上映禁止となり、ベルトルッチは4ヶ月の停職、5年間市民権を剥奪された。アカデミー賞でマーロン・ブランドは主演男優賞、ベルトルッチは監督賞にノミネートされた。