横浜流星、撮影日異なる清水くるみに「明日来ないの、ねーちゃん?」『チア男子!!』公開記念舞台挨拶「チア男子!!女子会」 レポート

「桐島、部活やめるってよ」に続く、累計17万部を記録した朝井リョウによる傑作青春小説を、横浜流星と中尾暢樹のダブル主演で映画化した『チア男子!!』が、5月10日より公開中。このほど、5月14日にTOHOシネマズ 日比谷にて公開記念舞台挨拶「チア男子!!女子会」が開催され、キャストの清水くるみ、唐田えりか、風間太樹監督が登壇した。

最初に、清水は「坂東晴子役の清水くるみです。短い時間ではございますがよろしくお願いします」、唐田は「高城さくらを演じた唐田えりかです、よろしくお願いします」、風間監督は「今日はBREAKERSを代表してここに立っています。楽しんでいってください」と挨拶し、イベントがスタート。

映画が公開してから計11回にも及ぶ舞台挨拶が続いた風間監督は、「僕らBREAKERS含め、男性のお客さんに見てもらいたいという思いがありましたので、ここから見ていると今日はたくさんの男性の方々に見ていただけているなと思い、とても嬉しいです」と男性にもぜひ見てもらいたいことを強くアピールした。

続いて、本作のオファーが来たときについて清水は「朝井さん原作の『桐島、部活やめるってよ』にも出演していて、2回目の朝井さんの作品に出れるのが嬉しいと思ったのと、横浜さんとは前の年に共演していてまたご一緒できるのも嬉しかったです。そして本を読んで、こんな役をオファーしてもらえるのも嬉しいなと思いました」と口にし、唐田は「私は原作は知らなかったのでまず脚本を読んで難しそうという不安になって、そこから原作も読んでさらに難しそうと思いました。チアの経験もなかったので不安がいっぱいだったのが最初の印象です」とコメント。そして清水が風間監督に「これは何で私たちだったんですか?」と、ずっと気になっていた配役について尋ねると、風間監督は「物語の設定上、大学生って自分でやりたいことやれる自由度のある中で、大人が介入してこない話にしたかったんです。晴子はハルにふたをする強い人物として、目の強さは絶対に必要だと思いました。なので晴子のイメージから提案しました」と明かし、それを受け清水は「だって!?」と嬉しそうな反応。風間監督は「さくらも第一印象でパッっと浮かんだというところで、さくらは唐田さん一人しか提案していなくて。女性キャストの中では一番早く決まったと思います」と述べ、唐田は嬉しさのあまり笑みをこぼし「初めて知りました、とても嬉しいです!」と語った。

役を演じる上で気を付けたことについて聞かれた唐田は、「小説を読んで、嫌味にならないような女の子というかチアが好きっていうところを率直に感じてもらえたらいいなと。それとチアスマイルの印象を残したいなと思いました」と話し、風間監督は「瀬戸利樹が演じた翔もそうでしたが、とても塩梅が難しい役だと思うんですけど、現場でも一緒に話して、元気のある、快活のいい女の子として挑戦していって上手くいったんじゃないかと思います」と役作りの過程についてのエピソードを口にした。一方、清水は「私は監督が話したように目力を!もっと強くして、と言われとても苦戦しました。強い女性として作っていったけど芯の強さを見せるのが難しいなと思いました。人からの見え方を意識して、セリフの言い回しもいつもより人を突き放すような感じでやりました」と苦戦したことを明かした。

本編を見た唐田は「知らないシーンも多かったため一観客として楽しめた」と感想を述べ、清水は「原画での彼らは映画の中からそのままの関係性でいるんだろうなと思いました。修学旅行みたいだったよね」と唐田と一緒にBREAKERSの7人を羨ましがる一幕もあった。風間監督が、唐田もチアを練習していたことを明かすと、唐田は「周りがびっくりするくらい叫んでました。飛ばされるのが怖かった」と裏話を披露。BREAKERSの横で練習していたという唐田の話を受けた清水は「私なんか一人で淡々とやってましたよ。ごりごりの柔道の先生と!私もチアやりたかったー。キャーとか言いたかったです」とコメント。

重ねて、BREAKERS7人の青春について清水は「メイキングDVDにもある色んなことにぶつかったりする彼らの姿を見て青春やなー、と思いました。芝居を超えたものを現場で作りあげれることは中々ないので、『チア男子!!』の現場は本当に良かったと後から彼らは思うんだろうなと現場で思っていました」と語り、唐田も「皆さんが羨ましくて嫉妬しました。お芝居というよりドキュメンタリーを見ている感覚でした。羨ましかった」と思いを告白。さらに清水は、「チアをやっていて比較的すぐにできるイチローと中々上手くいかない弦の関係性は男女関係なく共感出来ると思います。二人の整骨院から出てきたところのシーンは良かったです」とイチローと弦の二人に共感したことと、好きなシーンについても明かし、唐田も共感を示した。

また、清水が自分から話したいと前置きした上で、「ラストチアのシーンで、観客側とBREAKERSだけの撮影日が違ったんですけど、横浜さんが『明日来ないの、ねーちゃん?』と、愛嬌たっぷりでお願いされました」と現場での横浜とのエピソードを明かし、「相手がいなくてもカメラに向かってお芝居することもある中で、相手がいて演技が出来るのはとても恵まれていると思います。ラストチアを見たら、私たちも手を差し伸べたいと思うよね?」とまとめた。

最後に、風間監督は「本日はありがとうございました。SNSで見ていて徐々にたくさんの人に映画を見てもらえているんだなと実感してきました。引き続き愛していただけたらと思います」、唐田は「この映画がとても大好きで、背中を押してもらった一人でもあります。さくらを演じてみて、辛くても笑っていれば何かが開いていくという素晴らしさも感じました。また見ていただけたら嬉しいです」、清水は「ポスターを見てキラキラした群像劇なのかなと思いましたけど、2度3度見てキラキラした部分じゃないところもあるなと思いました。自分の青春を思い返して、これだけ熱中できることがあったらよかったなと思う部分もあって、深い見方も出来ると思います。私もまたトークショーとかやりたいんですけど…」と挨拶し、大きな拍手に包まれる中、本イベントは幕を閉じた。

『チア男子!!』
5月10日(金)より全国公開中
監督:風間太樹
原作:朝井リョウ「チア男子!!」(集英社文庫刊)
脚本:登米裕一
主題歌:阿部真央「君の唄(キミノウタ)」(PONY CANYON)
出演:横浜流星 中尾暢樹 瀬戸利樹 岩谷翔吾 菅原健 小平大智 浅香航大 清水くるみ 唐田えりか 山本千尋 伊藤歩
配給:バンダイナムコアーツ ポニーキャニオン

【ストーリー】 道場の柔道一家に生まれた晴希(横浜流星)は、幼い頃から柔道に打ち込む姉・晴子(清水くるみ)に憧れて育った。優しすぎる性格から晴子のように強くなれない晴希は、ある日の試合で肩を負傷。以降、柔道を続けるかどうか迷っていた。そんな時同じ柔道仲間で無二の親友である一馬(中尾暢樹)が、突然「やりたいことがあるんだ」と柔道をやめることを宣言。動揺する晴希に「俺はこれをやる。ハルと一緒に!」と笑顔で畳みかけたのは、“男子チアリーディング部”の創設だった。ひとつ間違えると大けがにつながるチアの基本は、「仲間を信頼すること」。だが、メンバーを集め練習に打ち込んでいくうちに、“BREAKERS”の歯車は少しずつ狂い始め、やがてメンバーの間に決定的な亀裂を生んでしまう。

©朝井リョウ/集英社・LET’S GO BREAKERS PROJECT