原作・村上龍「120%満足」殺人衝動を持つ男と自殺願望を持つ女が狂気をぶつけ合う『ピアッシング』予告編&ポスタービジュアル

作家の村上龍による小説をハリウッドで映画化した、クリストファー・アボットとミア・ワシコウスカの共演で贈るサイコスリラー『ピアッシング』が、6月28日より公開される。このほど、予告編、ポスタービジュアル、新場面写真がお披露目となり、併せて、原作者・村上龍より本作を絶賛するコメントが寄せられた。

本作は、殺人衝動を持つ男と、自殺願望を持つ女が出会った一晩の物語。主人公は幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動を抑えるためにSM嬢の殺害を計画。しかし呼び出した女はいきなり自分自身を傷つけはじめる。

監督と脚本を務めたニコラス・ペッシェは、次回作で『呪怨』のリブート版に取り組むなど、日本文化を敬愛。劇中に荒木経惟の写真を使っているほか、和洋芸術の絶妙な親和性が作品に不思議な深みを与えている。また、スタイリッシュでありながら現実との境界線が曖昧な建物造形も、オリジナリティあふれる世界観を形作る。

■村上龍(原作者) 絶賛コメント
演技、演出、キャメラ、そして音楽、抑制され、かつ正確だった。『ピアッシング』という物語のテイストが理解されていると感じた。単に原作に忠実というわけではなく、不思議な感覚があった。わたしが原作を書くときに思い浮かべたイメージが、スクリーンに再現されている、そんな感覚だ。ホラー映画とカテゴライズされるのだろうが、残酷さの裏側、狂気の最深部に潜んでいる「人の優しさ」が、さりげなく描かれる。タイトルバック、エンドロールのビルの映像には驚いた。すばらしい。


©近藤篤

『ピアッシング』
6月28日(金)より、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
監督・脚本:ニコラス・ペッシェ
原作:村上龍「ピアッシング」(幻冬舎文庫)
撮影:ザッカリー・ギャラー
美術:アラン・ランパート
音楽スーパーバイザー:ランドール・ポスター
出演:クリストファー・アボット ミア・ワシコウスカ ライア・コスタ
配給:パルコ

【ストーリー】 主人公は自分の幼い娘をアイスピックで刺したいという衝動に駆られる男(クリストファー・アボット)。彼はその衝動を抑えるため、SM嬢(ミア・ワシコウスカ)をホテルに呼び出して殺害する計画を立てる。しかし計画は滑稽なほど思い通りにはいかない。ホテルにやってきた女は、いきなり自分自身を傷つけて倒れこんでしまう。これはリアルな悪夢なのか、シュールな現実なのか?刃を外に向ける者と内に向ける者は、磁石のプラスとマイナスのように交わり、やがて共鳴していくのだろうか…。

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