斎藤工、公開が決定した作品を強くアピール「日本映画がすごい扉を開けた。自信作です!」『麻雀放浪記2020』完成報告ステージイベント&舞台挨拶 レポート

250万部を超える阿佐田哲也のベストセラー小説「麻雀放浪記」が、和田誠監督による映画化以来35年ぶりに再び映画化され、斎藤工が主演を務める『麻雀放浪記2020』が、4月5日より公開される。このほど、3月20日に新宿バルト9にて完成報告ステージイベントと舞台挨拶が行われ、キャストの斎藤工、もも(チャラン・ポ・ランタン)、ベッキー、竹中直人、白石和彌監督が登壇した。

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本作は、出演者であるピエール瀧の逮捕を受け、製作委員会で協議のうえ、配給会社である東映の判断によりノーカットで予定通り上映することが決定。完成報告ステージイベントに登壇した主演の斎藤は、「今朝、公開するという発表があるまで、どうなるかわからない、不安の中で過ごしました。今日の披露舞台で皆さんに迎えていただきましてホッとした気持ちです」と現在の心境を語った。

上映決定にあたり、白石監督は「こうして立っている今も、この決断が正しかったのか正しくなかったのか、まだわからない状態」と戸惑いも見せつつ、「作品に罪はないということを宣伝して、この映画だけじゃなくて、日本のエンターテインメントのためにも、“過去の作品を何も考えずに封印するな”というのがもっともじゃないかな」とコメント。そして、「今まで僕は映画の中で禁止薬物を使用するシーンを描写してきたので、これからは啓発運動だったり、作品とは別に個人的に取り組んでいきたい」と今後の映画製作への想いも語った。

続いて行われたイベント「完成披露試写“しない”舞台挨拶」では、斎藤は「上映しないと言ってるのに、なぜ皆さんが座っているのかと疑問ではありますが…(笑)」と会場の笑いを誘いつつ、「僕は映画を観ているほうだとは思いますけど、見たことがない映画になったと思いますし、白石作品としても日本映画がすごい扉を開けたんじゃないかなと思います。自信作です!」と本作を強くアピールした。

本作のオリジナルである1984年版『麻雀放浪記』で加賀まりこが演じた役に扮したベッキーは、“元禄積み”というイカサマをするシーンを1カットで撮影することに挑戦。「1か月毎日特訓して、ベッドの横に雀卓を作った」というほど練習したようで、白石監督によると撮影はベッキーが納得するまで「14回ぐらいやった」という。白石監督が「僕のOK・NG関係なく、ベッキーさんのOKカットですから」と明かすと、ベッキーは「やりがいがありました。一人隠し芸大会という感じでした(笑)」と満足した表情を見せていた。

また、再映画化について、斎藤は「リメイクがオリジナルに勝る作品は少ない」と述べつつ、「(原案者の)阿佐田哲也先生が嫉妬するような作品が生まれるんじゃないかという期待を胸に撮影に挑み、おそらくそれを凌駕したものに形としてなったと心から思っています」とコメント。白石監督も「今年一番ぶっとんだ映画になっていることだけは間違いない」と自信を見せた。

最後に、白石監督より本イベントに関して「今日上映する映画は別です」と発表があると、斎藤は「映画『昼顔』を…」とジョークを飛ばし、会場は大爆笑。改めて斎藤より「あの傑作を、僕らキャスト、監督と一緒にここで観ましょう」と、本イベントで和田誠監督作『麻雀放浪記』(1984)を鑑賞することが発表された。さらに、上映後には本作『麻雀放浪記2020』のムビチケ(前売り券)が来場者全員にプレゼントされることも発表され、イベントは幕を閉じた。

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『麻雀放浪記2020』
4月5日(金) 全国ロードショー
監督:白石和彌
原案:阿佐田哲也「麻雀放浪記」(文春文庫・刊)
出演:斎藤工 もも(チャラン・ポ・ランタン) ベッキー 的場浩司 岡崎体育 ピエール瀧 音尾琢真 堀内正美 小松政夫 竹中直人 ヴァニラ
配給:東映

【ストーリー】 主人公・坊や哲(斎藤工)がいるのは、2020年の“未来”。なぜ?人口は減少し、労働はAI(人口知能)に取って代わられ、街には失業者と老人があふれている…。そしてそこは“東京オリンピック”が中止となった未来だった…嘘か?真か!?1945年の“戦後”からやってきたという坊や哲が見る、驚愕の世界。その時、思わぬ状況で立ちはだかるゲーム“麻雀”での死闘とは!?

(C)2019「麻雀放浪記2020」製作委員会