東日本大震災で被災した障害のある人と支援者たちを描く『星に語りて~Starry Sky~』4月公開!

小規模作業所やグループホーム、生活施設など成人期の障害のある人たちが、地域で働く・活動する・生活することを応援する事業所の全国組織である「きょうされん」が結成40周年記念として製作し、松本動が監督、山本おさむが脚本を務めた長編映画『星に語りて~Starry Sky~』が、4月5日より公開されることが決定した。併せて、本作の予告編、ポスタービジュアル、場面写真、メイキング写真がお披露目となった。

1万8千人を超える死者・行方不明者を出した未曾有の災害において、障害のある人の死亡率が、障害のない人に比べ二倍であった事実は、あまり知られていない。本作は、被災地を取材し、証言者たちの実話をもとに、その知られざる実情をフィクションとして描いた物語。脚本は自らも被災を経験し、長きにわたり第一線で活躍し続ける漫画家の山本おさむ。監督は大林宣彦監督作品の監督捕にも従事し、ドキュメンタリードラマや短篇映画での台頭が著しい、新進気鋭の松本動(ゆるぐ)が務める。バリアフリー上映対応で、障害の有無に関わらず鑑賞可能である。

本作は、“ごく普通の人たちの群像劇”を描くため、固定イメージが先行する俳優よりも「知名度は低くとも、実力のある役者に演じてもらう事により、観客が自然と感情移入できる」という、脚本の山本おさむと、松本動監督の強いこだわりによる実力派がキャスティングされ、そこに名バイプレイヤーとして活躍する螢雪次朗や、数多くの山田洋次監督作品に出演する赤塚真人、宮城県気仙沼市出身のアナウンサーでタレントの生島ヒロシらが名を連ねる。そんな出演者の中でも注目されるのが、オーディションにより選ばれた、普段は障害者就労施設で働く障害当事者の人々で、松本監督は「障害のある人たちの強い人間力には圧倒されました。その存在感は素晴らしく、心を鷲掴みにされるお芝居には、本当に唸らされました。この映画の一番の見所です」と、熱く語る。

『星に語りて~Starry Sky~』
4月5日(金)アップリンク吉祥寺にて全国公開
監督:松本動
脚本:山本おさむ
出演:要田禎子 螢雪次朗 今谷フトシ 植木紀世彦 枝光利雄 菅井玲 入江崇史 宮川浩明 生島ヒロシ 赤塚真人

【ストーリー】 岩手県陸前高田市の共同作業所“あおぎり”は、津波の直接的な被害からは免れたが、仲間の一人を失い落胆する利用者たちを、女性所長が励ましながら、一日も早く障害のある人が日常を取り戻せる様に歩み始めていた。そんな中、全国障害者ネットワークでは、日本各地のグループが連携して支援活動を始めようとした矢先、「障害者が消えた」という情報が入り、避難所を回っても障害のある人がほとんど居ないという不可思議な現実に直面する。一方、福島県の南相馬市では、原発事故により避難を余儀なくされていたが、共同作業所“クロスロードハウス”の代表らは、避難出来ずに取り残された障害のある人たちを、放射能の危険と闘いながら支援を続けており、安否確認のための障害のある人の情報が必要だったが、個人情報保護を理由に開示されなかったのである。法律により守られる人権は支援の障壁となり、一刻を争う人命救助との狭間で苦しむ支援員たちと、被災した障害のある人たちの知られざる実情とは…。

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