高橋一生「普段はあまり泣かないが、お芝居の時だけは感情豊かになる」『九月の恋と出会うまで』公開後記念舞台挨拶レポート

“書店員が選んだもう一度読みたい文庫”恋愛部門第1位に選ばれた、松尾由美による同名小説を、高橋一生と川口春奈のダブル主演で映画化した『九月の恋と出会うまで』が、3月1日より公開中。このほど、本作の公開を記念して、3月12日に新宿ピカデリーにて公開後記念舞台挨拶が行われ、キャストの高橋一生と川口春奈が登壇した。

ホワイトデー間近という事で、白いバラを観客に渡しながら登場した高橋と川口の二人に、会場からは大きな歓声が上がった。一人一人握手を交えながら丁寧に渡す姿に、中には泣き出す人もおり、イベントは大きな熱気に包まれた中でのスタートとなった。

高橋は「今日は本当のサプライズ登場にしようと思っていたんですけど、司会の方に言われてしまったので、サプライズにはならなかったんですが(笑)。皆さんのお顔を拝見して、映画を観終わったあとの反応を間近で伝えて頂けたので、とても嬉しかったです」と挨拶。川口も「お花を配りながら『映画良かったよ』と直接言って頂けて、とても嬉しかったです。白いバラの花言葉は、“一目ぼれ”という事で、作品にもピッタリですよね」と口にした。

映画を観た一般の方より、「二回目だからこそ二人の行動や言動も理解度が高まった」、「平野の先読みした瞬間や志織の確信した瞬間の心の動きが微かな表情で伝わり、涙をこらえるのに必死でした」などの声が寄せられていることについて、周囲からの反応を聞かれた高橋は、「実はさっき控室の出入り口を間違って、映画館のエスカレーターに繋がる扉を開けてしまいまして。そしたらちょうど高校生のカップルがいらっしゃって、すぐ扉を閉めたんですけど、扉越しに『観るー!!』って言う声が聞こえまして。観てくれるんだなって思いました(笑)。直の声が聞こえたのでとても嬉しかったですね」とほっこりするエピソードを披露。川口も「志織ちゃん可愛かったよとか、お部屋もすごい可愛かったとかたくさん嬉しい声が届いています」と周囲からの声に感謝の言葉を述べた。

また、一度ではなく、二度、3度と鑑賞する方が多いという事で、事前に公式SNSで投票を募った“もう一度観たい泣けるシーン”の発表が行われた。候補に挙がったのは①丘の上で誕生日プレゼントを渡すシーン、②公園で平野が切ないウソをつくシーン、③すれ違ってしまった二人が部屋で涙するシーン、④平野が想い出の写真を見て泣き崩れるシーンの4つ。実際に一位に選ばれた④平野が想い出の写真を見て泣き崩れるシーンの映像がスクリーンで流れると、会場からは自然と温かい拍手が起こった。映像を観た高橋は、「とにかく恥ずかしかったですね(笑)。この大画面でしかも皆さん観たばっかりなのに(笑)」とコメント。また、撮影時の思い出をきかれると、「平野とか志織の部屋のシーンをまとめて撮っていたので、割と撮影の前半でしたね。お互い話しながら、監督を交えて流れを確認しながら撮影していましたね」と明かした。川口も「私もここシーンの一生さんに泣かされましたね。自分が参加していないシーンでもあるので、完成した映像を観たときにゾクッとしましたね」と思い出を語った。

さらに、会場からの質問で、「涙は自然と流れるものなのか、意識して泣くものなのか」と聞かれた高橋は、「泣くぞ!とはやらないですね(笑)。あまり意識して泣かなきゃってやると、泣けなくなっちゃうんじゃないかと思うので。普段あまり泣かないので、お芝居の時だけ感情が豊かになっているのかもしれないですね」とコメントし、川口は、「この映画に関しては自然に涙がこぼれたなって思いますね。脚本を読んだだけでもグッときましたし、そこに平野さんが立つと余計にくるものがありました」と口にした。

最後に、川口は「こうして足を運んでくださったり、日々色んなところからメッセージを届いていることに感謝しております。もし映画を気に入って頂けたなら、大切な人と何度でも観て頂けたらと思いますので、これからも宜しくお願い致します」と挨拶。高橋は「今日皆さんとかなり近い距離で反応を見れたことは僕にとって収穫だったなと思っています。一つの作品をこうして皆さんが観て下さっているんだと改めて思い知りました。僕がお芝居させて頂いているものが、一人一人の心に少しでも残っているということは、これから前に進んでいくときに原動力になるなと思いました。こうして皆様の前に立てたことを感謝しています。ありがとうございます」と感謝の気持ちを述べ、本イベントは幕を閉じた。

『九月の恋と出会うまで』
3月1日(金より全国ロードショー中
監督:山本透
原作:松尾由美「九月の恋と出会うまで」(双葉社刊)
主題歌:androp「Koi」(image world / ZEN MUSIC)
出演:高橋一生 川口春奈 浜野謙太 中村優子 川栄李奈 古舘佑太郎 ミッキー・カーチス
配給:ワーナー・ブラザース映画

【ストーリー】 ちょっと不思議なマンションに引っ越してきた志織(川口春奈)は、小説家志望の隣人平野(高橋一生)と運命的に出会う。そして、新しい部屋で突然聞こえてきた不思議な声―。「こちらは1年後の未来です。あなたに危険が迫っています!」それは強盗殺人にあうところだった志織を助けようと時空を越えて届いた、未来からの誰かの声だった。相談を受けた平野は、助かった志織に<タイムパラドクス>が生じることに気付く。それは1年後、志織の存在が消えることを意味していた。必死に自分を助けようとする平野に惹かれていく志織だったが、平野との別れは近づいていた―。

(C)松尾由美/双葉社 (C)2019 映画「九月の恋と出会うまで」製作委員