佐藤健「新しい歴史を提供するんだという思いで芝居をした」『サムライマラソン』公開記念舞台挨拶 レポート

佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太ら日本を代表する豪華キャストと、アカデミー賞受賞歴を持つ世界的スタッフが集結した幕末エンタテインメント『サムライマラソン』が2月22日に公開初日を迎え、このほど、2月23日にTOHOシネマズ 日比谷にて行われた公開記念舞台挨拶に、キャストの佐藤健、小松菜奈、森山未來、染谷将太、青木崇高、小関裕太、竹中直人、バーナード・ローズ監督が登壇した。

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上映終了後、客席近くを通りながら登場し、大歓声で迎えられたキャスト陣と監督。初めに、主演の佐藤は「僕が過去経験した現場のなかで最もスリリングだった」と撮影を振り返り、「監督のむちゃぶりを否定的にとらえるのではなくて、とことん楽しんでやろうという役者のなかで芝居ができたことを大変嬉しく思います」と挨拶した。

本作では、藩に迫る危機をただ一人知り、藩を守るために奔走する唐沢甚内を演じた佐藤。役を演じるにあたり、「江戸時代に生きる人たちがどういう生き方をしていたのかはわからない。ただ、僕たちのなかに『武士ってこうだよね』というイメージはある。あれは先入観でもあり、今回時代劇に向き合って、そういうイメージは映画が作り上げたものなんだという答えにたどり着いた」とのこと。「過去の作られた歴史をなぞるのではなくて、自分たちが新しい歴史を提供するんだという思いで芝居をさせてもらいました」と本作への想いを語った。

男装して遠足(とおあし)に参加する雪姫を演じた小松は、自身が演じたキャラクターについて、「凛としていて外に対して向上心がある女の子なので、自然にのびのびと、解放感というか自由に生きているパワフルさを出せたらいいな」と意識して演じたと述べた。

劇中では、映画『るろうに剣心』でも共演した佐藤と青木の殺陣のシーンも登場。青木によると、バーナード監督からは「時代劇らしさじゃない、リアルに近い戦いを見せてほしい」という要望があったようで、佐藤は「ちゃんばらに見えないように、やりあっているように見えるように、殺しあって見えるように、殺陣をどういうふうに作っていくのかを二人で話しました」と殺陣へのこだわりも明かした。

本作は新時代を迎える幕末が舞台ということで、新たな時代を迎えようとしている今、平成最後にやってみたいことは?という質問が。小松は「山登りをする!」と宣言し、「精神を鍛えようかなと(笑)。今年、平成が終わるまでに2回山登りをしたいなと思います!」と意気込んでいた。

現在は山奥でロケ中だという小関は、「旅のしおりに“街灯がない”、“猪が出るので外は出歩かないでください”と書いてあるんです。猪年だし、猪年生まれだし、猪に出会いたいです(笑)」とコメントし、会場を沸かせた。

佐藤は「信じられなぐらいやりきってるんですよねぇ(笑)」と明かしつつ、「オーロラを見てみたいです!ただ、平成中には見られなさそうなので難しいんですけど(笑)、人生のなかでは見てみたいですね。あと宇宙にも行きたい。スカイダイビングもしたいです。“平成”っていうのを取っ払えばたくさんある!」と空への憧れが垣間見える場面も。

さらに、海外の観客に本作をどう観てもらいたいか?という質問も。佐藤は「“和の心”です」と答え、「昔ながらの所作の美しさだったり、着物の着こなしだったり、日本語ならではの美しさだったり、(バーナード監督に)『自由にやれ』って言われても醸し出てくるものがある。この映画を観て日本人ならではの美しさを感じていただけるとしたら、それは僕たちの中から出てきたもの。ぜひ海外の方たちにはそれを感じていただけたら嬉しい」と作品をアピールしていた。

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『サムライマラソン』
2月22日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国ロードショー中
監督:バーナード・ローズ
原作:土橋章宏「幕末まらそん侍」(ハルキ文庫)
企画・プロデュース:ジェレミー・トーマス 中沢敏明
脚本:斉藤ひろし バーナード・ローズ 山岸きくみ
音楽:フィリップ・グラス
衣装デザイン:ワダエミ
出演:佐藤健 小松菜奈 森山未來 染谷将太 青木崇高 木幡竜 小関裕太 深水元基 カトウシンスケ 岩永ジョーイ 若林瑠海 竹中直人 筒井真理子 門脇麦 阿部純子 奈緒 中川大志 ダニー・ヒューストン 豊川悦司 長谷川博己
配給:ギャガ

【ストーリー】 時は幕末、迫る外国の脅威に備え、安中藩主・板倉勝明(いたくら・かつあきら/長谷川博己)は、藩士を鍛えるため、十五里(約58km)の山道を走る遠足(とおあし)を開催する。だがこの動きが、とある行き違いにより幕府への反逆とみなされ、藩士不在の城に安中藩とり潰しを狙う刺客が送り込まれる。ただ一人、迫る危機を知った男・唐沢甚内(からさわ・じんない/佐藤健)は、計画を食い止めるため、走り出す─。

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