立川志の輔、猫を抱く岩合光昭監督に「私のことは一度も抱きしめてくれなかった」映画『ねことじいちゃん』初日舞台挨拶レポート

日本人の作品としては初めて「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙を2度飾った世界的に有名な動物写真家で、NHK-BSプレミアムで放送中の「岩合光昭の世界ネコ歩き」でも人気の岩合光昭が初の映画監督に挑み、落語家の立川志の輔が初主演を務める映画『ねことじいちゃん』が、2月22日に公開初日を迎えた。同日、新宿バルト9にて行なわれた舞台挨拶に、キャストの立川志の輔、柴咲コウ、小林薫、柄本佑、銀粉蝶、山中崇、葉山奨之、岩合光昭監督が登壇。猫キャストも多数駆けつけた。

舞台に上がった志の輔は、「私がじいちゃんです」とにっこり。岩合監督から突然オファーを受けたという志の輔は、「なんの自信もなく、なにも映画のことも分からずお引き受けして、一ヶ月の間、撮影が続けられましたのも、ここにいらっしゃるプロの俳優の皆様方のおかげ。楽しい一ヶ月を送らせていただいた」と挨拶した。

撮影現場には40匹の猫が待機していたという山中。「40匹も猫がいると、まあまあな臭いがする。ある日、柴咲さんが(猫のトイレの)お掃除をされていて、柴咲さんって本当に猫が好きなんだな」と現場でのエピソードを述べると、柴咲は「(猫は)家にもいますし、父の家にもいますし、身近な存在」と猫好きをアピール。「家の猫は賢くて、目を合わせると飛び乗ってくるという芸ができる」そうだが、皿や鍋を持っている時でも飛び乗ってくるので「危険なので、なるべく目を合わせないようにしている。セーターを着ていると、ビロビロになってしまう(笑)」と笑っていた。

柄本は、岩合監督について「猫ばっかり見てるんですよ(笑)。ほぼ全カット猫が映ってるんですけど、監督の中では猫がOKならOKなんですよ。『カット!もう一回お願いします。あそこの猫が動いちゃったから』って(笑)」ほとんど役者の演技は見てもらえなかったことを明かした。志の輔も「監督が『OK!』と言った後、タマの所によってきて『タマ〜、お前はなんて素晴らしいんだ。本当に良かったよ』って、ワンカットワンカットで抱きしめるんですよ。私のことは一度も抱きしめてくれませんでした」と撮影を振り返り、会場を爆笑に包んでいた。

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『ねことじいちゃん』
2月22日(金) ロードショー
監督:岩合光昭
原作:ねこまき(ミューズワーク)「ねことじいちゃん」(KADOKAWA刊)
出演:立川志の輔 柴咲コウ 柄本佑 銀粉蝶 山中崇 葉山奨之 田根楽子 小林トシ江 片山友希 立石ケン 中村鴈治郎 田中裕子 小林薫
配給:クロックワークス

【ストーリー】 2年前に妻(田中裕子)に先立たれ、飼い猫のタマと二人暮らしの大吉(立川志の輔)、70歳。毎朝の日課はタマとの散歩、趣味は亡き妻の残した料理レシピノートを完成させること。島にカフェを開いた若い女性・美智子(柴咲コウ)に料理を教わったり、幼なじみの巌(小林薫)や気心知れた友人たちとのんびり過ごしている。しかし友人の死や大吉自身もこれまでにない体の不調を覚えたりと、穏やかな毎日に変化が訪れはじめた矢先、タマが姿を消して―。1人と一匹、生まれ育ったこの島で、共に豊かに生きるためにした人生の選択とは―。

(C)2018「ねことじいちゃん」製作委員会