「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」 第1弾 中田秀夫監督作『殺人鬼を飼う女』4月公開!第2弾 安里麻里監督作『アンダー・ユア・ベッド』今夏公開!

KADOKAWAとハピネットの共同制作プロジェクト「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」が始動し、その第1弾として、中田秀夫監督作『殺人鬼を飼う女』が4月12日より公開、第2弾として、安里麻里監督作『アンダー・ユア・ベッド』が今夏公開されることが決定した。併せて、『殺人鬼を飼う女』のポスタービジュアルがお披露目となった。

「リミッターを外せ!」を合言葉に、タブーとされる題材で、クリエイターたちの感性と才能を思うままに爆発させた、“ジャンル映画”の中でも特にエッジの立った作品を制作、発信していく本プロジェクト。「甘い鞭」や「輪廻」の原作、「呪怨」ノベライズなど、恐怖と狂気そしてエロティズムに富んだ作風に定評がある大石圭による小説を映画化し、ホラーの鬼才や女性でのジャンル映画第一人者である監督たちが、まさに自身の“リミッター”をぶち破り挑戦した新しい世界が広がる。

2作連続公開となる本プロジェクトの第1弾は、2010年11月に角川ホラー文庫にて刊行され、上質なサスペンス要素とエロティックで大胆な描写の中に繊細な純愛を描いた同名小説を原作に、1人の女性を4人が演じる異色作『殺人鬼を飼う女』。監督は、映画『リング』(1998)が大ヒットし、『スマホを落としただけなのに』(2018)は興行収入18億円を突破、『貞子』(5月24日公開)の新作公開を控え、現在では黒沢清や清水崇らと並ぶJホラー代表の一人と目されている中田秀夫が務める。

主演は、日活ロマンポルノ45周年を記念した「ロマンポルノ・リブート・プロジェクト」の人気作の1つである中田秀夫監督作『ホワイトリリー』でも主演を務め、本作で中田監督と再タッグを組む飛鳥凛。映画『天使がくれたもの』(2007)でデビュー以来、映画、ドラマ、舞台と幅広く活躍し、『のみとり侍』(2018)では、可愛らしさと妖艶さを併せ持つ「お仙」役を演じ、豊川悦司・寺島しのぶとの名シーンが話題となった。本作では、幼少期に義理の父から受けたおぞましい毎日が原因で解離性同一性障害を患っているキョウコを演じる。別人格を作る事で自身を守ってきたキョウコと共存する、レズビアンの直美役に大島正華、自由奔放なゆかり役に松山愛里、虐待された小学生のままのハル役に中谷仁美。1人の女性が持つ4つ人格を、4人の女優陣でミステリアスかつ官能的に演じ分ける。さらに、隣人でキョウコの憧れの小説家・田島冬樹役に水橋研二、キョウコの人格形成に大きな影響を与えた母親役に根岸季衣と名バイプレーヤーたちが脇を固める。

第2弾は、同じく大石圭の同名小説を原作に、人生で家族を含む他人全てから存在を無視されてきた男が、“愛する女性を覗き見しつづける”歪んだ形ではありながらも、悲惨な環境にある女性を救おうとする狂気の愛を描く『アンダー・ユア・ベッド』。監督を務めたのは、『独立少女紅蓮隊』(2004)で劇場長編映画デビューし、切れのいい演出が高く評価を得る安里麻里。『地獄小僧』(2005)はフランクフルト映画祭に出品され、その後、「怪談・新耳袋」などテレビドラマにも進出、『呪怨 黒い少女』(2009)でメガホンをとり、『バイロケーション』ではホラー要素と謎解きミステリー、人間ドラマを融合させ、各方面で絶賛を浴びた。そのほか、大ヒットシリーズ3連作『リアル鬼ごっこ3・4・5』、『劇場版 零~ゼロ~』、『鬼談百景』(「影男」、「尾けてくる」)などを手掛け、確かなファンを獲得している。

スタッフ&キャスト コメント

■中田秀夫監督
「殺人鬼を飼う女」は、エロス(恋愛)+サスペンスという、私が追求し続けたいジャンルの組み合わせで、原作の世界観を守りつつ、どのように鋭角的な映画にできるかが私にとってのチャレンジでした。ラブシーンもクライマックスには男一人対女三人という場面があり、これもキャスト・スタッフと共に数日に渡る熱のこもったリハーサルを重ね、撮影に臨みました。「ホワイトリリー」に引き続き飛鳥凛さんには、たいへん難しい役どころを演じていただき、危うさ、儚さと共に鬼気迫るヒロイン像を創り上げてくださったと思います。また、相手役の水橋研二さんにも繊細な作家役でありながら、アクションもの的な壮絶なラブシーンをお願いしました。松山愛里さん、中谷仁美さん、大島正華さんたちも肉体と精神をギリギリまで追い込まれた女性像たちを、そして根岸季衣さんには、映画「グロリア」を合言葉にこれぞ「鬼母」の極みを、堂々と演じていただきました。自信作です。ご堪能いただければと願っております。

■飛鳥凛(キョウコ役)
主人公のキョウコは、他にもいくつかの人格を内に秘めていて、その人格がいつ入れ替わるか予測できないという、非常に難解な役どころでした。キョウコ以外の3つの人格を、映画の中では別の女優さんたちが演じているのですが、1人の人間を4人で分けて演じるというところが複雑で、それぞれのキャラクターを掘り下げるディスカッションを4人で何度もしてから撮影に臨みました。監督には「感情が内から湧き出るように!」「そこは獣のように!」など、かなり独特の表現で演出していただきました。中田監督の映画の主演を務めさせていただくのは二度目ですが「飛鳥さんは以前より芝居が好きになったよね!」と言われたのが嬉しかったです。もちろん元々芝居は好きですが、以前よりも、綺麗なうわべの部分だけでなく人間の本質をさらに追求することを念頭に置いて臨んだことで、自分の中の芝居の意識がより深いものになったのかなと。見せたくないような汚いところも沢山見せていると思います(笑)。今作は、自分の全てを注ぎ込んだ作品です。ぜひ沢山の方に見ていただけたら嬉しいです。

■小林剛プロデューサー(KADOKAWA)、永田芳弘プロデューサー(ハピネット)
この度、KADOKAWAとハピネットはホラーやサスペンスといったジャンルで、特にエッジの立った作品を共同で開発、発信していくプロジェクトを立ち上げました。それがハイテンション・ムービー・プロジェクトです。第一弾として中田秀夫監督『殺人鬼を飼う女』、第二弾として安里麻里監督『アンダー・ユア・ベッド』を公開・リリース致します。コンセプトは“リミッターをはずせ”。クリエイターの皆さんにハイコンセプトな題材、内容を、思うままに作っていただく。映倫審査R-18指定も辞さず。そんな作品作りを目指していきます。閉塞したこの時代に鋭利な刃物の一刺しをする本シリーズ、ぜひご期待ください。

『殺人鬼を飼う女』
4月12日(金)よりテアトル新宿、池袋シネマ・ロサほか全国ロードショー
監督:中田秀夫
原作:大石圭「殺人鬼を飼う女」(角川ホラー文庫)
脚本:吉田香織
音楽:坂本秀一
出演:飛鳥凛 大島正華 松山愛里 中谷仁美 水橋研二 浜田信也 吉岡睦雄 根岸季衣
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 キョウコ(飛鳥凛)はビストロで働く美しいギャルソン。だが幼い頃義父から性的虐待を受け続けたことで、キョウコを愛するレズビアンの直美(大島正華)、ビッチなゆかり(松山愛里)、そしてあの小学生のままのハル(中谷仁美)という様々な人格と辻褄を合わせ共存し支え合っていた。だが、ある日マンションの隣人が憧れの小説家と知り恋心を抱いたのをきっかけに、得体の知れない歪みを感じ始める。それと時を同じくして彼女の周りで謎の死が相次ぎ、保たれた均衡が崩れ始める―。

『アンダー・ユア・ベッド』
2019年夏 公開
監督:安里麻里

©2019「殺人鬼を飼う女」製作委員会