2分間の黙祷で国家を敵に回した東独の高校生たちの実話『僕たちは希望という名の列車に乗った』予告編&本ポスタービジュアル

歴史の暗部に切り込んだ『アイヒマンを追え!ナチスがもっとも畏れた男』などを手掛けたドイツ映画界を代表するラース・クラウメ監督が、ベルリンの壁建設前夜に東ドイツの高校生たちの身に起こった驚愕の実話を映画化した最新作『僕たちは希望という名の列車に乗った』が、5月17日より公開される。このほど、本作の予告編と本ポスタービジュアルがお披露目となり、併せて、本年度、第160回直木賞候補となり、本屋大賞にもノミネート(発表は4月)されている話題作「ベルリンは晴れているか」(筑摩書房刊)の著者・深緑野分より、本作を絶賛するコメントが寄せられた。

本作は、無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった若者たちが、仲間との友情や恋を育みながら、人間としての正しさを模索していく姿を描く青春映画。1956年、東ドイツの高校に通うテオとクルトが、列車に乗って訪れた西ベルリンの映画館で、ハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。クラスの中心的な存在である二人は、自由を求めるハンガリー市民に共感し、級友たちに呼びかけ授業中に2分間の黙祷を実行するが、それはソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。やがて当局が調査に乗り出し、人民教育相から直々に一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。

予告編は、青春映画らしいみずみずしいきらめきに満ちあふれており、無意識のうちに政治的タブーを犯してしまった若者たちが、仲間との友情や恋を育みながら、あるときはまっすぐに主張をぶつけ合い、「人間として正しきこと」とは何かをひたむきに模索していく姿をドラマティックに描く。新進俳優たちのフレッシュな演技にも目を奪われる。

■深緑野分(「ベルリンは晴れているか」著者) 絶賛コメント
追従の楽を捨てて行動する恐怖。震えながらも抵抗し未来を賭ける若者の姿に、熱いものが込み上げてきた。

『僕たちは希望という名の列車に乗った』
5月17日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国公開
監督:ラース・クラウメ
原作:ディートリッヒ・ガーストカ「Das schweigende Klassenzimmer」(原題)(アルファベータブックスより4月発刊予定)
出演:レオナルド・シャイヒャー トム・グラメンツ ヨナス・ダスラ― ロナルト・ツェアフェルト ブルクハルト・クラウスナー
配給:アルバトロス・フィルム クロックワークス

【ストーリー】 1956年、東ドイツの高校に通うテオ(レオナルド・シャイヒャー)とクルト(トム・グラメンツ)が、列車に乗って訪れた西ベルリンの映画館で、ハンガリーの民衆蜂起を伝えるニュース映像を目の当たりにする。クラスの中心的な存在である二人は、級友たちに呼びかけて授業中に二分間の黙祷を実行した。それは自由を求めるハンガリー市民に共感した彼らの純粋な哀悼だったが、ソ連の影響下に置かれた東ドイツでは“社会主義国家への反逆”と見なされる行為だった。やがて当局が調査に乗り出し、人民教育相から直々に一週間以内に首謀者を告げるよう宣告された生徒たちは、人生そのものに関わる重大な選択を迫られる。大切な仲間を密告してエリートへの階段を上がるのか、それとも信念を貫いて大学進学を諦め、労働者として生きる道を選ぶのか…。

©Studiocanal GmbH Julia Terjung