「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」『レゴ®ムービー2』など豪華招待作品を発表!白石和彌監督が審査委員長に!

1990年にスタートし、多くの映画人や映画ファンから愛され続け、今年の開催で29回目を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」が、3月7日から3月10日の4日間にわたり開催される。このほど、2月6日に札幌市内ホテルにて本映画祭のラインナップが発表された。

オープニング招待作品は、韓流アイドル、チャン・グンソク主演作ながら、昨年のベルリン映画祭でワールドプレミアされて以来、♯MeToo問題の影響を受けてお蔵入りしていた、キム・ギドク監督の幻の問題作『人間、空間、時間、そして人間(仮題)』に決定した。本作は、空中を浮遊することになった廃軍艦というファンタスティックな設定を舞台に、取り残された人々のサバイバルを描くメランコリックかつ過激なファンタジー作品。本映画祭プログラミング・ディレクターの塩田時敏は、「こういう作品を上映してこそ映画祭の意味がある」とアピールした。

▲『人間、空間、時間、そして人間(仮題)』

クロージング招待作品は、『レゴ®ムービー2』となった。本作はクリエイティビティーに富んだ映像と驚き溢れる物語で数々の賞レースを賑わし、大ヒットと共に全世界の話題をさらった『レゴ®ムービー』待望の最新作。ヤバいクイーンが支配する“すべてがミュージカル”な惑星で、またもや“選ばれし者”になった主人公エメットが明るくおばかに戦う。そのほかに、“負け組”の高校生集団が歌って踊って暴れまくる青春ゾンビミュージカル『アナと世界の終わり』が招待作品として上映される。世界各国のファンタスティック映画祭で上映され、『ショーン・オブ・ザ・デッド』×『ラ・ラ・ランド』と評される話題作である。

▲『レゴ®ムービー2』

▲『アナと世界の終わり』

特別上映作品としては、ムンバイに住むずる賢いマジシャンの⻘年が、顔も知らない父親を探す奇想天外な旅を通じて幸せを見つける物語『The Extraordinary Journey Of The Fakir(原題)』と、熱海を舞台にK-POPスターと芸者として生きる女性との運命的な恋を描く物語『熱海のやまぼうし』が上映される。

併せて、毎年業界内外から注目を集めるコンペティション部門の審査員が決定した。本映画祭の大賞となるファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門の審査委員長には、北海道出身でもある白石和彌監督が就任。『彼女がその名を知らない鳥たち』『狐狼の血』などを手がけ、バイオレンスを通して人間の深遠を描く視点から、どのような審査を行うのか。ほかには、韓国・プチョン国際ファンタスティック映画祭プログラマーを務めるモ・ウニョンや、日本映画の批評も手がけるプログラミング・アドバイザー、マーク・シリング、 映画『素敵なダイヤモンドスキャンダル』「ディアポリス異邦警察」を手掛ける冨永昌敬監督が審査員を務める。また、「俺たちの朝」「太陽にほえろ!」「俺たちは天使だ!」など数々のドラマで幅広い視聴者の心を掴んできた女優・長谷直美も審査員として参加する。

さらに、毎年多彩な作品が集まるインターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門では、本映画祭の常連であり自作品でオフシアター・コンペの受賞経験もある久保直樹監督が審査委員長に初就任。『モリのいる場所』「面白南極料理人」で知られる沖田修一監督と、妹・安藤サクラをヒロインに自作小説を映画化した「0.5ミリ」が高く評価された安藤桃子監督も審査員に決定した。本映画祭ではかつて奥田瑛二が審査員を務めたことがあり、親子二代の就任が実現。これも29年の歴史を持つ本映画祭ならではである。

本年度は、全81作品の上映、企画、イベントの実施を予定している。

■招待作品部門(全3作品)
本映画祭の主軸となる招待作品部門。劇場公開前の話題作等をいち早く届ける。
『人間、空間、時間、そして人間(仮題)』
『レゴ®ムービー2』
『アナと世界の終わり』

■ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門(ノミネート6作品)
多くの若手クリエーターを世に輩出している、国内屈指のコンペ部門。

■インターナショナル・ショートフィルム・コンペティション部門(ノミネート15作品)
これからが注目されている若いクリエイターの作品を集めた短編作品のコンペ。

■ゆうばりチョイス部門(全6作品)
本映画祭おすすめのエンターテインメント作品を独自の視点でチョイス。

■コア・ファンタ部門(24作品)
今年新設。これぞファンタスティック映画!と思える作品をクリエイター目線で選定。

■フォービデンゾーン部門(6作品)
コンペ部門ディレクター塩田時敏が禁断の映画たちをセレクトするノン・コンペ部門。

■協賛企画、特罰企画、特別企画協力、その他恒例プログラム
映画人にスポットを当てた上映やトーク、ゆうばりならではの企画が満載。

■京楽ピクチャーズ.Presents「ニューウェーブアワード」授賞式
これからの世の新しい波となり、業界での活躍を期待する男優・女優・クリエイターを映画祭独自の視点から選出するアワード。毎年オープニングセレモニーで表彰式を行う。

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」スタッフ コメント
■小網敏男(映画祭実行委員長)
2008年に市民主導で復活した映画祭です。今年も、市⺠の手で人情溢れるおもてなしをし、いらっしゃる皆さんが感動に出会える祭典にしたいと願っています。引き続き皆さんのご支援をお願いいたします。

■塩田時敏(コンペ部門プログラミング・ディレクター)
今年は「ファンタスティック」らしいバランスのいい作品ラインナップになったと思う。オフシアター部門は若手の登竜門的に思われているが、今後は年齢に関係なく新たな才能を輩出する登竜門になっていけるようにしたい。今年は審査員に、高い評価を受けた作品を生み出している監督たちが名を連ねているのも注目すべき。

■深津修一(エグゼクティブ・プロデューサー)
29回目を迎える今年のテーマは「ファンタを止めるな!」。その言葉には、「日本一楽しい映画祭」であるこの映画祭を永く続けていくための想いが込められています。いま本映画祭はひとつの区切り。今春JRが廃線、鈴木直道市長の辞職・知事選参戦、そして来年は30周年。映画祭をより発展的にしていくためのきっかけだと考え、このタイミングで私たちは今一度「原点に帰って考えてみる」ことにしました。30周年に向けて「ゆうばり映画祭 プロジェクト30」を立ち上げて考えた結果、来年の映画祭は、会期を、雪を気にせず各地からアクセスしやすく、名産品のメロンが収穫を迎える「夏」に移し、会場も、インフラが厳しく会場の確保が難しい本町の現状を受けて市内に拡大する計画です。

■西村喜廣(コア・ファンタ部門プログラミング・ディレクター)
ファンタスティックと名のつく映画祭は、いまや日本で「ゆうばり」だけ。「ファンタスティック」にはバイオレンス、ホラー、ファンタジーなどいろいろ意味があるが、実はみんな「エンターテインメント」。その中にメッセージが込められた作品を選び抜いたつもり。今年は内容が秘密のシークレット・スクリーニングも行う予定。イベント感覚で楽しんでほしい。

「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2019」
3月7日(木)~3月10日(日)開催

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