東出昌大、唐田えりか、伊藤沙莉が登壇!『寝ても覚めても』第40回ヨコハマ映画祭で最多6冠を受賞&日本映画ベスト10で第1位を獲得!

東出昌大と濱口竜介監督がタッグを組み、芥川賞作家の柴崎友香による同名恋愛小説を映画化した『寝ても覚めても』。このほど、2月3日に開催された第40回ヨコハマ映画祭にて、本作が、作品賞、主演男優賞(東出昌大)、助演女優賞(伊藤沙莉)、最優秀新人賞(唐田えりか)、撮影賞(カメラマン・佐々木靖之)、監督賞(濱口竜介)の最多6冠を受賞、さらに日本映画ベスト10で第1位を獲得し、東出昌大、唐田えりか、伊藤沙莉らキャストとスタッフ、濱口竜介監督の代理でC&I山本晃久プロデューサーが登壇し、作品賞を全出演者、スタッフを代表しビターズ・エンド定井勇二プロデューサーが受け取った。

この日登壇した『寝ても覚めても』チームの中でトップバッターを切った唐田。受賞の喜びと共に、これからの女優としての決意を新たにした。「私は『寝ても覚めても』も大好きで、朝子も大好きなんですけど、受賞の知らせを聞いてどこか他人事の様にも思います。それはまだ私が女優としてまだまだ未熟で、自分自身に納得していないから。この作品の現場では、濱口監督から『何も考えなくていいから東出さんや周りの出演者の様子をしっかり観察してください』と言われたままにしていたら、自然と自分の中から出てくるものがあって、その感情のままに動きました」と劇中の朝子と同じように、飾らない唐田本人の心からの言葉を述べた。挨拶の最後には新人にも関わらずたくさんの花束が贈られた。

続いて、本作と『榎田貿易商』の2作品で助演女優賞を受賞した伊藤は、子役からの決して短くはないキャリアの中で、本賞を受賞出来たことに感無量だった。「私は小さい頃から何をやっても続かなくて、家族も大丈夫か?と心配していたと思う。でもその中で唯一続いたのがお芝居。好きなことをやって好きなお芝居でこうして受賞できたことが本当に嬉しいです」と丁寧に口にした。昨年はテレビにドラマに引っ張りだこ、さらに今年ブレイクの注目女優としても名前の上がる伊藤。さらに、共に切磋琢磨する同世代の俳優たちを見て「お芝居しか武器がないので、たくさんの武器を持っている人をみると不安や焦りを感じることもあります。でも荷物が少ない分身軽でいいなとも思ってます。これからも感謝の気持ちと初心を忘れないように頑張ります。この人が出てるから観に行こうと足を運ぶきっかけになりたいです」と決意表明をした。

MCから名前を呼ばれると客席から黄色い声援が聞こえ、「このような賞を頂き大変光栄です」とゆっくりと口にした東出。昨年は話題作5本に立て続けに出演した。「今の事務所に入って6年目。いまだにお芝居って何だろうと思います。同じ役はふたつとありません。でも、一緒にお仕事をする監督から『主演は受け芝居が多いな』と言われました。主演というのは人間的成長を描かれることが多いんです。外的な共演者からの影響を受けて最後までカメラの前に立ち続けます。ですので、本当にお世辞ではなく、みなさんが良い影響を与えてくださったから、今の僕がいるんです。これからも頑張ります」とあいさつをした。

さらに、共演した唐田、伊藤も参加して現場での東出の印象を聞かれると伊藤は「読めない、幻想的!?」、唐田は「常に消えそうで何を考えているのか…」と回答し、会場は大爆笑。フォローになってないとMCからのツッコミが入ると、伊藤がすかさず「ミステリアスな人ですね、やっと似合う言葉が出た」と返すように言葉を発すると、それにもまた会場に笑いが巻き起こった。現場の時から常に先陣切ってキャスト、スタッフを引っ張ってきた東出に、信頼関係があるからこその絶妙なボケツッコミ合戦となった。

東出があいさつを終えると、会場から一斉にファンが駆け寄り、会場の後ろまで届く長蛇の列ができた。一人一人から丁寧に花束を受け取る東出に、会場からは幸せのため息が漏れ聞こえた。また、表彰式最後の集合写真の後には、東出とともに、同じく登壇した山崎努、役所広司、松坂桃李4名の俳優が手を取り合い客席を沸かせる一幕もあった。

■濱口竜介(監督) コメント
ヨコハマ映画祭において『寝ても覚めても』6部門受賞という結果を聞き、大変驚くとともに、心から嬉しく思っています。ただまさにこの授賞式の日に先約があり、伺えず申し訳なく思っております。メッセージをプロデューサーの山本さんに代読していただきます。2017年の夏、2週間ほど毎日雨が降り続けるのをかわしつつの撮影でしたが、それすら味方についたような、運のいい撮影でした。ただこの映画にとって一番の幸運は東出さん、唐田さん、伊藤さんはじめ、素晴らしい俳優の皆さんがカメラの前に立ってくれたことです。一人一人の輝きがどんどん増していくのを実感しながら、佐々木さん共々カメラの後ろにいた夏は、今もとても幸せな記憶としてあります。ただ、単に自分がこの俳優さんを好きだから輝いて見えるだけなのかもしれない、という不安は、封切りのその日まで意外とずっとあるものなのです。それだけに映画ファンの皆さんの投票で決まるヨコハマ映画祭の賞を『寝ても覚めても』がこんなにもたくさん受賞したことを心より嬉しく、また誇らしく思っています。自分が現場で素晴らしいと思っていたものが、観客にとってもそう思ってもらえるものなのだと、とても勇気づけられました。ありがとうございます。改めて、東出さん、主演男優賞おめでとうございます。唐田さん、最優秀新人賞おめでとうございます。伊藤さん、助演女優賞おめでとうございます。佐々木さん、撮影賞おめでとうございます。プロデューサーの皆さん、作品賞おめでとうございます。そして自分には監督賞おめでとう、と言っておきます。この場を借りて、『寝ても覚めても』を作らせてくれた、原作の柴崎友香さん、プロデューサーやスタッフたち、キャストの皆さんに御礼を言わせてください。ありがとうございました。また一緒にお仕事をしましょう。ヨコハマ映画祭の皆さん、『寝ても覚めても』をご覧くださった全ての皆様にも御礼申し上げます。ありがとうございました。新作を見ていただけるように、今後とも精進します。

『寝ても覚めても』
9月1日(土)より全国大ヒット公開中
3月6日(水) ブルーレイ&DVD発売
監督:濱口竜介
原作:柴崎友香「寝ても覚めても」(河出書房新社刊)
音楽:tofubeats
主題歌:tofubeats「River」(unBORDE/ワーナーミュージック・ジャパン)
出演:東出昌大 唐田えりか 瀬戸康史 山下リオ 伊藤沙莉 渡辺大知 仲本工事 田中美佐子
配給:ビターズ・エンド、エレファントハウス

【ストーリー】 東京。カフェで働く朝子(唐田えりか)は、コーヒーを届けに行った先の会社で亮平(東出昌大)と出会う。真っ直ぐに想いを伝えてくれる亮平に戸惑いながらも朝子は惹かれていき、ふたりは仲を深めていく。しかし、朝子には亮平には告げていない秘密があった。亮平は、かつて朝子が運命的な恋に落ちた恋人・麦(バク)(東出昌大)に顔がそっくりだったのだ―。

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