【全起こし】のん、大人の声のすずさんを褒められ「 有り難い」映画『この世界の片隅に』夏の再上映 舞台挨拶 レポート 全文掲載

MC:本編のアフレコはこうちょっと先になると思いますが、のんさんどのような意気込みで臨んでいきたいと思っていますか?

のん:これから付け足していくすずさんのシーンが、こうの先生がおっしゃるように大人っぽいすずさんだったりするので、その部分の解釈をもっと掘り下げて監督と密にやっていけたらなと思います。お願いします。

MC:最後に監督とのんさんからひと言ずつご挨拶いただければと思います。まずはのんさんからお願いします。

のん:皆さん今日はお越しいただきありがとうございます。これから『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』も公開されるということで、またたくさんの方々に観ていただけるチャンスかなと思っています。ぜひまた新しい『この世界の片隅に』を観に来ていただけたらなと思います。お楽しみに。

MC:片渕須直監督お願いします。

片渕監督:今日は劇場の前まで来てロビーにマスコミの方がたくさんいてビックリしました。一般のお客さんもすごいビックリしたんじゃないかと思うんですけど、正直言って、公開初日よりもフォトセッションタイムが長かった(笑)。公開から600日以上たった上映会で、こんなにたくさん来ていただいたのはもちろんですし、こんなにたくさんのカメラでのんちゃんを撮っていただくのも素晴らしいなと思うんですね。本当に有り難いなと思いました。でも、機会が与えられるなら、この映画まだまだ上映を続けていきたいなと思います。何よりもこの映画の中ですずさんが生きているわけなんですけど、すずさんだけじゃなくその周りにあるもの、山々、町、人々、空、飛んでる鳥たち、そういう環境、あるいは飛んでくる飛行機ですとか、そういうものって空間があって、それは映画館の中で一番良く再現できるんじゃないかと思うんですね。大きな音もしますし、ひょっとしたら時々は震えてるような振動が伝わってきてしまうかもしれないんですけど、そういうものも含めて、すずさんがどういうところにいたのかを映画館で一番良く味わっていただけると思うんですね。まだまだこれからも劇場での上映が続いていくといいなと思っています。ですので、これからもまだまだよろしくお願いします。今日はどうもありがとうございました。

『この世界の片隅に』
【ストーリー】 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ、18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた—。

『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』
12月、テアトル新宿・ユーロスペースほかにて全国公開
監督・脚本:片渕須直
原作:こうの史代「この世界の片隅に」(双葉社刊)
キャラクターデザイン・作画監督:松原秀典
音楽:コトリンゴ 
アニメーション制作:MAPPA
声の出演:のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 澁谷天外(特別出演)
配給:東京テアトル

【ストーリー】 広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる―。

(C)2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会