【全起こし】『沈黙-サイレンス-』記者会見にマーティン・スコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信が登壇!

Q:窪塚さんと浅野さんにお伺いしたいのですが、原作小説をお読みになったと思うんですけど、50年の間にこの小説が読み継がれている理由について思うことがあれば教えてください。

窪塚:恥ずかしながら、僕はこの作品の話をもらうまで遠藤周作さんのことも、この作品のことも存じてなかったです。改めてこの作品をやることになってから、原作を読んで撮影に臨んで今に至るんですけど、今、監督がおっしゃってくれたように、キチジローっていう役が、普通に皆の代表というか、笑って泣いて怒ってすねてみたり、裏切ってみたり、信じてみたり、すごく人間臭い役でいろんな感情を表現する役をやれて本当に楽しかったなと思うんですけど、なんかそういうこともひっくるめて監督のスタンスであったり、遠藤周作さんという人の書いた作品のスタンスもそうだと思うんですけど、信頼してくれていると思うんですよ。人を、僕らを、読み手を信じる。ということをすごくしている作家さんなのかなあと思って。答えを押し付けてくるわけでもなく、問いかけるような。美しく見える、汚く見える、強く見える、弱く見える、君にはどう見える?というような。俺にはこう見えるけど、君にはそう見えないかもしれないけど、っていうようなことまで懐の深い作品だなという風に思えたので、その中で、その作品を象徴するような役をやらせていただいて、本当に光栄です。以上。

浅野:僕は信じている宗教があるわけではないんですけど、亡くなったおじいちゃんやおばあちゃんだったりに守ってもらっているんじゃないかって思っていますから、そういう自分が信じているものをどっかから邪魔されるというか。お前が信じているものは全く違うもんなんだよって言われるのが本当に苦しいなって思うんですね。遠藤さんもキリスト教の方だったと思うんですけど、ここまで客観的にひとつの本にして書くっていうことがすごいなと思いましたし、僕には理解できない深い深い苦しみだったりとか、信じるがゆえに生まれた喜びだったりとか、いろんなものがあったんだろうなって読んでいて思いました。とても複雑な話だと思いました。

MC:ありがとうございました。『沈黙-サイレンス-』は2017年1月21日より全国でロードショーです。

2016年10月19日 TOHOシネマズ六本木ヒルズ