【全起こし】安藤サクラ「(このメンバーは)納豆ご飯みたい…」に、松岡茉優「(意味)わからないですよ!(笑)」、リリー「まぁ、いつも通り(笑)」『万引き家族』公開記念舞台挨拶 レポート 全文掲載

MC:そんなことを言われておりますけれども、池松さんはいかがでしょうか?

池松:今日来るのがずうずうしいなぁと思いながら、今ここに立っているんですけど(笑)。えーっと、なんでしたっけ?

MC:今のお気持ちといいますか、公開が昨日だったんですけれども、いかがですか?

池松:僕は2日間ぐらいしか撮影がなくて、見ての通りシーンが少ないのであれですけど。皆さん、おっしゃらないので、外から立って言わせてもらうと、観終わった時にものすごく興奮しまして、是枝さんについ握手を求めまして、「カンヌ、とってきてくださいよ!」とかって言っちゃったんですよ。帰り道にずうずうしいことをしたなぁとか思っていて。本当に是枝さんがカンヌからお土産を持ってきてくださって、まさか平成の終わりにこんなことが起きるなんて思っていなかったので、平成生まれとして、平成を生きてきた人間としてものすごい嬉しかったし、日本映画がどれだけパルムドールというものにここ何十年遠かったか、賞が云々ではないんですけど…ちょっと台詞がなかったのでしゃべりすぎていますね(笑)。

樹木:平成の終わりといえば、今度の天皇になられる方の結婚式が今日なんですよね。覚えていないでしょう。6月9日。

リリー:そうですよ。

樹木:なんで覚えているかというと“ロック”(6月9日)だからね。

(会場爆笑)

MC:なるほど!

樹木:カンヌというところはね、皆さんは映像でちょこちょこっとご覧になるでしょうけど、全世界の映画の関係者がいろんな思いを持って、お金をかけて、時間を割いて、もう本当にすごい。街中はホテルが取れないくらい、そして海は個人の船、そういうのがずらーっと漂っているような、その中でみんなが目指しているのがこのパルムドールなんですね。それを、あーんな寒くて、あんた、冬のね、もう正月もないのよ!暮れから正月は。正月なんか、今年の正月は何やった?っていうくらい(撮影に)すぐ呼ばれて!

是枝:すみません…。

(会場爆笑)

樹木:寒い中で、きったない中で、そして暖かい日が来て(冬に)夏のシーン撮るんですよ!

是枝:すみません…申し訳ないです…。

樹木:あんな貧しいのがひょいと(パルムドールを)取れるということは偶然じゃないんですよ。これだけは申し上げたい。この間、河瀨直美さんが私に電話をかけてきて、「是枝さんが長いことご自分の溜めていらしたそういうものが、一挙にいいキャスティングをいただいて花開いた」という、「本当に素晴らしい」という。あんなに「私が」なんて人がそんな人を褒めるなんてと思ったけども。そういうふうなものが、とりもなおさず是枝監督の今日までの、9歳から28歳の間団地にしか住めなかった監督の貧しさにかけては、もう右に出る人はいない!でもそれが世界に認められたというのはもう快挙だと、いい意味で。これがやっぱり映画の作家性じゃないかと。大変みんなも感謝しております。

MC:是枝監督、いかがですか?

是枝:すみません、なんか…でも褒められたね(笑)。冬の撮影なのに夏(のシーンを)撮るって言って、カメラ回して希林さんのシーンをカットかけたら、ちょっと靴下を履いていたり…。

樹木:股引をね!(股引を)上げろっていうから上げて、(股引が)スカートからちょっと出るとね、「もう1回いこう」って。もう1回って言ったって(誰も見ないから)わからないよ!わからない!

是枝:「誰も見ないよ!」って言われたんだけど(笑)。

樹木:そんなとこ見ないよ!って。

是枝:一応脱いでくださいって言って、脱いでいただいたりしてね。

樹木:厳しいの。それでもう一つ、私が大好きなシーンがあるの。土砂降りの中で子供二人が歩道橋のところをバーッ!て駆けてくるの。そして、この2人(リリーと安藤)の見事なセックスシーンっていうのがあるんですよね。あれが私、大好きなんだけれども、でも監督に「あの真冬にあんな恰好で雨降らして、もう児童虐待だ!」って。そしたら(監督が)「あれは夏撮った。あれだけは夏に撮ったんですよ」って。「え?夏撮ったの?」って。「偶然雨が降ってきたんですよ」「え?あれはホースの雨じゃないの!?」って言って、あなたはツイてるわねぇ!あの雨があったから、セックスシーンも含めて「何やってたの?」って彼(城)が言う、あそこまで本当に見事な、私はあのシーンは今まで観たそういうものの中でとても(監督の)腕を感じました。

MC:あれは自然に降った雨だったんですね!

樹木:偶然に雨が降ったって。

是枝:前後に関係なく突然降ったので、「とりあえず走ろうか」って言って、走ったのを撮ったうえでそのシーンを考えて。あそこからまた脚本を書いたんですよ。

MC:なるほど。決まっていたものではなくて、その展開に合わせて脚本を変えたと。

是枝:そうですね。

樹木:だからお金なんか掛かっていないんですよ!

(会場爆笑)

樹木:成り行きなんだから!

MC:城くん、その雨の撮影は大変ではなかったですか?

城:大雨で、普通は傘を差して歩いているけど、雨にわざと濡れて気持ちよかった。

樹木:夏撮ったって、あそこは。

MC:そうですよね。みゆちゃんは、映画の撮影は楽しかった?雨は大変だった?

佐々木:うーん…それ寒かった!

MC:寒かった!是枝監督、寒かったそうです。

是枝:寒かった?あのシーン。

リリー:でも夏だったんでしょ?

佐々木:そうだよ。

是枝:雷が来そうで怖かったんだよね。ちょっとね。

リリー:AmazonのCMはギャラいくらなの?

松岡:リリーさん!!

(会場爆笑)

佐々木:今でも寒いです!