【全起こし】妻夫木聡、子供に「遺伝子は継いで欲しくない」、蒼井優「名前は決めさせて!」映画『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』初日舞台挨拶レポート全文掲載

MC:では最後に、西村さんと夏川さんにお話を伺います。『家族はつらいよ』シリーズといえば、家族会議のシーンが印象的ですが、今回、お二人にとって大変だったシーンはどこでしょうか?

西村:どこがと言われますと、なかなかその。どこっていうか。パッと出てこないくらい、精一杯やりました。ただ、今、この場を借りて言いたいことは、本当に史絵、ごめんなさい。(会場笑い)

夏川:いいんだよ。私は西村さんが旦那さん役で良かったなと、本当に思っています。

山田:謝るという姿は美しいですね。

MC:夏川さんは今回、フラメンコも披露されていましたけど、フラメンコはどうだったのですか?

夏川:監督がニヤニヤと私を見てますが(笑)。台本を開いた時に、びっくりしました。「踊っている女性の振り向いた顔が史絵になる」って書いてあったので、合成だと思ってたんです。でも(監督が)「彼女は練習をやっているのかい?」みたいなことを言っていたと聞いて、大急ぎで練習をはじめまして…。監督には書く前に一度ご相談いただきたいと…。

山田:そうでしたね。すいませんでした、どうも(笑)。

MC:それは本当に大変でしたね!(BGMが流れる)今、皆さんなにか音が聞こえますね?この曲、映画の中に登場したんですけども、覚えてますか?

(ここでダンサーが登場し、フラメンコを披露)

MC:ありがとうございます。本日はこの作品にご出演いただきました、佐藤浩希先生と、ダンサーの皆さまにもお越しいただきました。先生、どうぞよろしくお願いいたします。蒼井さんも仰天してましたけど。

蒼井:あの、反っくり返えられた時に、ちょうど目が合っちゃって(笑)。すいません、邪魔しました(笑)。素敵でした!

MC:先生から見られて、夏川さんのフラメンコはどうでした?

佐藤:最初のレッスンで「踊りの経験はありますか?」とお聞きしたら、「フラメンコもなにもない」とお話されて、これは困ったもんだなと思いまして(笑)、少しずつ始めていったんですけども、しばらくしてから監督にお会した時に、「どうだい、夏川くんは頑張ってるかい?」と聞かれて、その時はまだ全然踊れてなかったんですけど、とても言えなくて「すごくスジがいいですよ」と嘘をついてしまいました(笑)。ごめんなさい(笑)。そのころは全然踊れなくて、思わず、ね。

夏川:本当に心が折れてしまって…、間に合わないんじゃかと思って。

佐藤:全然先が見えないってね。それでも少しずつ上達していって、だいぶ練習をされましたよね。

夏川:はい…。

山田:可愛そうなことをした。

夏川:監督が書くから!

佐藤:最後にどうにか仕上がったという時には、歓喜の涙を流されてました。(会場拍手)

MC:先生には久しぶりの再会ですか?

夏川:久しぶりにお会いしました。思い出すだけで涙が…(泣)。

MC:先生がまさかの登場には?

夏川:え、私だけが知らなかったんですか? やだあ、本当にこの人たち!粗忽さかげんが出ちゃうからやめてください(笑)。

橋爪:もっと拍手をくれますと、また泣くと思いますよ。(会場拍手)

夏川:もーー(笑)。

(ここで佐藤によるダンスパフォーマンスが入り)

MC:それでは最後に山田洋次監督より本日、映画を御覧頂いた皆さんに、そしてこれからご覧になる日本全国のお客様に向けて一言ご挨拶をよろしくお願いいたします。

山田:お礼の言葉は最初に申し上げましたけど、映画を観終わって家に帰る時に、楽しかったなと思いながらも、さて俺の家族はどうなんだ、果たして幸せなのかなとか、今の日本人の暮らし全体が幸せの方向に向いているのかとか、考えるといろいろと不安なこともいっぱいありますが、そんなことをいろいろ感じたり考えたり、またそのことで家族と話し合ってみたり、そんな映画でありたいと心から願っております。映画が面白かったと思いましたら、皆さんのお声で少しでも大勢の方がこの映画を観に来てくださればいいなと心から思っております。今日はありがとうございました。

MC:ありがとうございました。

『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』
5月25日(金)全国公開
監督・脚本:山田洋次
脚本:平松恵美子
音楽:久石譲
出演:橋爪功 吉行和子 西村まさ彦 夏川結衣 中嶋朋子 林家正蔵 妻夫木聡 蒼井優
配給:松竹

【ストーリー】 史枝(夏川結衣)は、育ち盛りの息子ふたりと夫・幸之助(西村まさ彦)、その両親3世代で暮らす主婦。ある日、家事の合間にうとうとしていた昼下がり、泥棒に入られ、冷蔵庫に隠しておいたへそくりを盗まれてしまう。夫から「俺の稼いだ金でへそくりをしていたのか!」と嫌味を言われ、余りに気遣いの無い言葉にそれまでたまっていた不満が爆発した史枝は、家を飛び出す。一家の主婦が不在となった平田家は大混乱。身体の具合の悪い富子(幸之助の母/吉行和子)に代わり周造(幸之助の父/橋爪功)が掃除、洗濯、食事の準備と慣れない家事に挑戦するがそんなこと続くわけがない。家族揃って史枝の存在のありがたみをつくづく実感するのだが、史枝が戻ってくる気配は一向にない。家族会議が緊急召集されるが、平田家は崩壊してしまうのか!?

©2018「妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ」製作委員会