【全起こし】齊藤工監督「最初は全然上映できる状況になく1年待った。なのに全国展開できて映画の夢を見ている感じ」『blank13』全国拡大公開 初日舞台挨拶 全文掲載

MC:今の結末ということですよね(笑)。ありがとうございます。さっきからすごく考えていらっしゃる永野さんは…。

村上:今からすごいこと言うから!

永野:考えた結果…パスでいいですか?(笑)。ごめんなさい、本当に何をやってもウケる気がしなくて!いろんなイメトレをしたんですけど、逆にこのへんを走り回っても滑る気がして(笑)。でも、こんなに素敵な作品になるっていうのは、思わなかったわけじゃないですけど、『blank』がこんなにみんなに愛されて、というのは驚きでしたね。

MC:衝撃の真実ということで。

永野:すみません、嫌われたくなくて(笑)。褒めるという方法しか(笑)。でも、本当にこんなことになるなんて思っていませんでしたよね?撮影現場では。こんなにいっぱいのお客さんで。

齊藤:思ってなかったですね。

永野:だって、短編映画を齊藤監督が撮られていて、その現場に一度出させていただいたことがあるんですけど、もうちょっとハンドメイドな感じだったじゃないですか。だから、こんなになるってその時は知らなかったんです。驚きでございます。

MC:ありがとうございます。先ほどから二朗さんのお話が出ていますが、二朗さんご自身は?

佐藤:永野さんがおっしゃったように、さっきの舞台挨拶ではリリーさんもおっしゃっていたんですけど、僕らは予算的にはそんなに潤沢じゃなく、ちょっと自主映画っぽい感じの系統の映画だと思って、それで撮った時もそうだと思ってやっていて。たぶんリリーさんもみんなそんなつもりでやっていたら、出来上がりはすごくおもしろいし…非常に理想だと思うんですけど、いきなり大きいところにバーン!といくんじゃなくて、小さいところから徐々に口コミでみんなに広がっていってという非常に理想な形なので、これは質問とは違うかもしれないけれども、念を押して言いたかったです。本当に皆さんのおかげです。

MC:そうですよね。そして完成した作品の力でもあると思います。ありがとうございます。齊藤監督、衝撃の真実はよろしいですか?

齊藤:衝撃の真実…二朗さんが同じことを二度言ったということですね(笑)。

佐藤:(笑)。

齊藤:でも、内容がすごく僕にとっても身に染みるありがたいことだし、僕も本当そう思っています。劇場は、最初は全然上映できる状況になくて、ほぼ1年待ったんですよ。シネマートさんの劇場が開かなくて。なのに、今日から全国展開、4月、5月、6月のタイミングもあるんですけど、これだけ広がっていくということが本当に映画の夢を見ている感じがしますね。

MC:ありがとうございます。すみません、すごく名残惜しいのですが時間が来てしまいましたので、最後に齊藤監督から皆さんに一言お願いいたします。

齊藤:(永野に対して)何で近づいたんですか?(笑)。逆ならわかるんですけど。

永野:なかったことにされる予感がして!

齊藤:危機感から?(笑)。

永野:一応、マスコミの人との闘いだと思っていますからね。どうこれ(永野)を消して撮るかという。

齊藤:やめてください(笑)。作品に対しては皆さんからマイクを通してお言葉をいただいて、僕も本当に愛情を持った作品と尊いキャストの方と作れてよかったなと思っております。あと、この作品は来月から台湾でも上映が決定していまして、去年は高雄の映画祭にも呼んでいただいたりというご縁もありまして、台湾で2月7日に起きた地震に対して何か『blank13』としてできないかということで、台湾バージョンのステッカーを作りました。その売り上げを全額、あとはグッズになっているTシャツの一部を現金として支援金にできたらと思って、来月僕がしっかりとお届けしに行こうと思っておりますので、皆さんにお伝えします。それでは、楽しんでいただけたらと思います。

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MC:ありがとうございます。

齊藤:何かあります?

永野:これほんと、まじで『ランボー』ぐらいおもしろいですよ!

齊藤:ごめんなさい。僕が間違ってました(笑)。

永野:今のおもしろいのに!先入観があるから!今のおもしろいですよね?

MC:すみません、マイクをお預かりします(笑)。ということで、もっと皆さんに話していただきたかったんですけれども、これを持ちまして舞台挨拶を終了させていただきます。どうぞ、今一度大きな拍手でお見送りください。『blank13』キャストの皆さん、そして齊藤監督にお越しいただきました。ありがとうございました!

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『blank13』
2月24日全国拡大公開
監督:齊藤工
出演:高橋一生 リリー・フランキー 松岡茉優 斎藤工 神野三鈴 佐藤二朗
配給:クロックワークス

【ストーリー】 ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく…。

(C)2017「blank13」製作委員会