MC:ありがとうございます。まず監督、本作はワールドプレミアとなった釜山国際映画祭でキム・ジソク賞ということでおめでとうございます。
吉田:ありがとうございます。
MC:このセンセーショナルなテーマを持つ原作を映画化しようと思った理由をお聞かせできますか?
吉田:やっぱりこの設定の強さというかおもしろさですよね。普通の田舎町にまとまった数の罪を犯した人間たちが移住してくる、それで何が起こるかという。まだ僕が関わり始めた頃は原作が完結していなかったんですけれども、この設定だけでぜひ自分でやりたいなと思って、それで始めたんですよね。
MC:結構お時間をかけて準備をされたと伺いました。
吉田:そうですね。原作がもう半端がないパワーで、それが映画になったらパワーが落ちたと言われたくなかったから、原作に負けないパワーを映画なりに持つためにはどうしたらいいかを試行錯誤しているうちに2年間くらいかかりました。でもその甲斐があったと思います。
MC:ありがとうございます。そして錦戸さん、月末という平凡な市役所の職員を演じられていますけども、思いがけずその元受刑者を受け入れる担当者になってしまって、様々な過去を抱えている彼らの中で翻弄される役どころだったと思います。何か意識した点、苦労した点はありましたか?
錦戸:平凡の中にもきっとアップダウンはもちろんあると思うんですけれども…皆さん綺麗な格好をして立っていますけど、撮影中はすごい格好をしている人もいましたし、僕は僕自身で、月末として思い切り翻弄されてやろうと思って臨んでいました。撮影は富山県でやっていたんですけれども、富山に行く電車の中はちょっとしんどかったですね。東京に帰れるってなったときは「よっしゃ!!」って思っていました(笑)。
MC:個性的なキャラクターがいつも周りにいるわけですものね。
錦戸:そうですね。もう…ね?(笑)いろんなこと言いたいんですけれども、観てないでしょ?皆さん(笑)。だから観たうえでもう一回しゃべりたいですね。まぁ、(壇上には)出てこないですけど(笑)。
MC:皆さんは月末と一緒に翻弄されてほしいなと思います。
錦戸:そうですね。たぶん普通の人は月末目線で物語を突き進んでいくと思うので、ナビゲーターとして観ていただいてもいいですし。よろしくお願いし…(笑)。
MC:噛んでないです(笑)。私もちょっと噛んでいますから、(錦戸さんに)移っちゃったかもしれないですね(笑)。木村さん、演じられた文という女性は、都会から地元に帰ってきて閉塞した空気の中に違和感を抱きつつ、元受刑者の一人にそうとは知らず惹かれてしまうという役でした。演じられて何か意識されたことはありましたか?
木村:監督と初めにお会いしたときから、とにかくギターのことをずっと言われていて、撮影はそこに向けてほしいという感じだったので、とにかくギターをちゃんと弾かなきゃって。プロの方とご一緒するのはすごく緊張だったんですけど、都会に憧れていたもののなじめずに帰ってきて、かといって田舎の空気も馴染めなくてというのは、どこかわかる気がするなぁと思ったので、あまり気負わず、監督の思う通りに一番ちゃんと動けたらいいなぁと思っていました。
MC:ありがとうございます。ここからは、極秘プロジェクトとして町に移住してくる元受刑者役の皆さんという呼び方になってしまうんですけれども、まず優香さん、演じられた理江子、とても色っぽかったです。
優香:本当ですか?
MC:ちょっと隙がある介護職員という役柄でした。
優香:色気も剥き出しにする色気ではなくて、隙のある色気、出てしまう色気っていうのを監督に言われて、そして生々しさを大切にしながら演じました。大丈夫でした?(笑)。
MC:こんな女性がいたら男性はもうコロッといってしまうという感じがしました。
優香:すごく難しかったんですけれども、大八さんのおかげで終えました(笑)。