MC:本当に懐かしい、素晴らしい映画です。あの時期じゃないと切り取れないような、少女の何とも言えない、大人にもなってないし子どもでもないような、ちょうど中間のあの時期って素晴らしい時期だと思うんですけれども。どうですか、岩井さん。
岩井:もう立派なミューズに2人ともなりましたけど。
蒼井:立派な中年になってきましたね。
岩井:あの頃は天真爛漫な2人で、現場ではとにかくはじけまくっていましたね(笑)。撮影中はちゃんと撮っていましたけど、合間になると現場で2人でキャッキャキャッキャと楽しそうに笑っていて。あれこそ、箸が転がってもケラケラって感じの、あの年頃ならではのエネルギッシュな現場で(笑)。懐かしいですね。
MC:その感じがスクリーンにももろに出ていますよね。
岩井:そうですね。
蒼井:桜で雪合戦みたいな、あの桜合戦は、私と杏ちゃんが休憩中に遊んでいたら、岩井さんが「カメラ回せ」って言って採用になったりとか、本当に日常にある何かで。杏が遊びたくてしょうがなくて(笑)、本当にずっと遊んでいました。
鈴木:ずっと遊んでいました(笑)。
MC:2人は仲良しだったんですか?
蒼井:高校も一緒だったので…。
鈴木:優ちゃんが先輩だったんですけど、1年生と3年生で。
蒼井:杏が2こ下で、クラスはもちろん違うけど、昼ご飯とか一緒に食べてたね。
MC:その感じが、2人がふざけ合い、恋をしたり嘘をついたりと、ドキュメンタリーのような日常ですね。
岩井:そうですね。そんな感じでしたね。男の子の郭智博くんもあんな感じで、2人にいじられて(笑)。
蒼井:ずーっといじってた(笑)。
鈴木:うん。ずっといじってた(笑)。
MC:彼は大人しいんですか?
岩井:彼は老成しているというんですかね、あの頃から「僕はこんなですよ」っていう佇まいで(笑)。一風独特だったんですけど、「もう好きにして」って感じだったよね。子どもにいじられている年老いた犬のように(笑)。そういう風情でしたね、彼は(笑)。
蒼井:確かに(笑)。
MC:この映画は、今お二人でっていうそういう感覚は全くないでしょう?それともあります?
蒼井:できないから『花とアリス殺人事件』ってアニメにしたので。
鈴木:この年代になるとちょっと話が暗くなるので(笑)。
蒼井:どこの保険に入るとか(笑)。
鈴木:老後どうするとか、夢のない話になっちゃうから(笑)。
岩井:でも、ときどき想像しますけどね、「花とアリスは今何をしているだろう?」と。きっと変わったことになっているんだろうなとは思いますね。
MC:アリスはあのまま芸能界かCM界かわかりませんけど、そういうところで華々しくなっているのかかしら、それとも…。
蒼井:いや、絶対なってないと思う(笑)。適当な人と結婚して、離婚しているんじゃないですかね(笑)。