【全起こし】蒼井優「私みたいな顔は、芸能界にいそうでいない」映画『彼女がその名を知らない鳥たち』公開記念トークイベント全文掲載!

MC:監督は原作をお読みになって、まず蒼井さんを頭に思い浮かばれたとお話を聞いておりますし、その辺はやっぱり。

白石:もちろん十和子はどういう人なんだろうって思って、陣冶も黒崎も水島もどこか十和子には男性が惹きつけられないといけないし、陣冶が十和子を好きになる理由っていうのがこの映画でもはっきりは描いていないんですけど、原作でもないんですよね、実は。その感じは十和子と陣冶2人の関係性の中で作んなきゃいけないということで、ほどほど(の美人)でもダメだと思っていましたし、すごい魅力的な人じゃないとだめだということもあって、ぜひ蒼井さんにという思いはありました。

MC:一方阿部さんはいかがでしょうか? 阿部さんの今までのイメージを覆す役だったと思いますけど、阿部さんを選ばれた理由というのは?

白石:こんだけ汚くやらないといけない役で、やっぱり汚しがいのある人誰だろうっていうのと、原作でも十和子と年齢差が15歳くらい離れているので、すごく僕はそれが重要だと思ったので、40代半ばで、汚れることをいとわずやってくれて、とはいえやっぱり純粋なものを抱えていないといけないので阿部さんにやってもらったんですけど。阿部さんにやってもらって気づいたんですけど、目は汚せないんだなって、ちょっと思ったんですよね。その一番肝心な表情の純粋さって何だろうって阿部さんのその美しい瞳?…(会場爆笑)

光浦:“茶目(目の茶色い部分)”がすごくきれいなんですよね!

阿部:茶目っていうんですか、こういうの?(笑)

光浦:茶色い目、茶目。私、だから(『おんな城主直虎』で)家康に選ばれたんだと思いましたもん。(会場爆笑)家康、茶目じゃないですか。肖像画が。だから目が一緒だと思って。

阿部:自分がそんなに茶目だと思って演じてなかったから(会場爆笑)そっか。でも嬉しいです。

MC:宣伝文句では“嫌な女×下劣な男×ゲスな男×クズな男”本当に共感できない登場人物が出てくるんですけど。所謂イヤミス(イヤ~な気分になるミステリー)なんて言われていますけども、下劣な男そして嫌な女を演じられた2人は、全く共感できない役を演じられていかがだったのかなと。

阿部:楽しいですね。演じている時は。どこまでも汚くしていいって話だし、食べ方を汚くするって言っても普段なかなかできないじゃないですか?お店でも汚く食べちゃいけないって教わって生きているから、それができるっていう楽しさはすごいあって、監督やスタッフさんからすごいアイデアが出てくるんですよね。汚い食べ方とか、ここであんまり言わない方がいいか。差し歯を取りながら食べたりとか、そういう人ってなかなかいないですもんね。なんか昔ロケ弁に陰毛が入ってたことがあったんですよ。その時のことを思い出したりして。でも、女優さんに「陰毛入ってましたよ」って言ったら「それってもしかしたら、わき毛かもしれないわよ」って言われて、イメージが良くないんだなと思って。陰毛だと思ってしまった俺が良くないんだなと思って。(会場爆笑)ね。なんで俺こんな話してるんだろ(笑)。(会場爆笑)

光浦:舞い上がってる。

阿部:茶目が濁ってきちゃってる。(会場爆笑)

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