【全起こし】松本潤、涙の有村架純にハンカチ渡せず「この流れは読んでなかった…!」 映画『ナラタージュ』大ヒット舞台挨拶レポート全文掲載!

奥浜:さあ、ここからお話を伺っていきます。10月7日に公開しまして、すでに多くの方がご覧になっていまして“ぴあ映画初日満足度ランキング”で一位を獲得しております。

松本:ありがとうございます。

奥浜:ご覧いただいた方から高い評価をいただき、一度だけでなく二度三度と足を運んでくださっている方も多いと聞いているんですが、映画をご覧になった皆さんの周りの反響がきっと届いていると思うんですけど、このヒットを受けて改めて松本さん、『ナラタージュ』はどんな作品になりましたか?

松本:僕自身も普段あまり連絡をいただかない友人からたくさん連絡をもらっています。年上の男性の方とか久しぶりにメールをいただいて、「映画を観に行きました。どうしても伝えたくなったので連絡しました」とすごい長々と感想をいただいたりとか、平日の昼間に僕の友人がここ六本木ヒルズに来たらしいんですけど、平日の昼間にたくさんの人が劇場に入っているということを友達が僕に教えてくれて。それもすごい嬉しかったですね。はい。

奥浜:女性だけでなく男性にも届いている作品ですよね。

松本:嬉しいですね。

奥浜:そして有村さん。先ほど行定さんも仰ってましたが、釜山国際映画祭に監督と一緒に行かれたと思うんですが、公式上映に立ち会われたようですが、どのような感想がその映画祭に来たお客さんから届いていますか?

有村:作品や監督をリスペクトされている方がとても多くて、上映後にお客様とコミュニケーションを取る時間があったんですけけど、Q&Aでものすごい人たちが手を挙げてくださって、女性から男性から監督や私に質問してくださって、観てる視点が2歩、3歩踏み入った質問をたくさんしてくださったので、私も「それ聞かれたことないな」って思うようなことばかりで、とっても楽しかったです。

奥浜:靴や足元の描写の話とかね、釜山国際映画祭で届いていたと思うんですが、印象的な質問って何かありました?

有村:そうですね、本当に一つ一つを見逃さないように観てくださってるなっていうのは伝わったんですけど、監督に対する質問で、すごい若い女性が「『ナラタージュ』って回想を用いた方法で撮影されていると思うんですけど、どうしてその技法を用いて映画を作ろうと思ったんですか?」とか、まさかその若い女性がそんな風に面白く観てくださってるんだなとか、なんかいろいろな発見があったりして、多分行定さんの方がその辺は詳しいかもしれないです。

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奥浜:監督、撮影からプロモーション、そして先日の釜山国際映画祭を経て、改めて今この作品で伝えたいこと、込めたメッセージというのはたくさん届いていると思うんですけど、どのようなものなんでしょうか?

行定:釜山でもすごく言われたのが「韓国でもこういうラブストーリーが作られなくなった」っていう。彼らの言葉を借りると「本格的なラブストーリーっていうのはこういうものなんじゃないかと。人を傷つけあったり、でもそれを乗り越えて成長する」っていう、「そういうものがかつてあったラブストーリーだったのに、今はどっちかというと日本も同じなのか?」っていう質問もあるんですけど、「そういうものが多くなって、だけどそういうものじゃないものが観たかった。これは私たちの話である」っていうのを言うんですよね。韓国の方ってはっきり言うんで、これが自分たちの話だと思えるかどうかによってこの映画を支持できるかできないかはあると思うから、そういう議論をみんなでしていくんだと。日本も多分同じだと思いますね。やっぱり映画館でこれを観て、この同じような空間でね、男女一緒に観るとかね、男は男でいっしょに観るとかね、それで絶対に違うんですよ。これが面白いなと、恋愛の経験あり無し別でね、考え方。これを肯定できるか、これを否定するとかね、でも否定するものをあえて作っている気がするんですよ。普段は否定されるけど、ラブストーリーの主人公たちがそこに直面することで完全否定だけではできなくなっていくってことはやっぱり恋愛劇のおもしろさで。そこは伝わってるなと思います。

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