奥浜:監督は葉山先生に感情移入しているっていう。そして皆様にお聞きしたいんですが、本作のキャッチコピーが「壊れるくらいあなたが好きでした」ということで、みなさまにとって大好きなもの、もしくは人、ちょっと難しいかもしれないので忘れられないもの、人っていう感じでも。
松本:忘れられないくらい強い印象がある者、人。
奥浜:いかがですか松本さん。
松本:そうですね。この映画のインタビューなんかでも何度か話したことあるんですけど、自分の恋愛の感覚じゃなくて、自分が今まで生きてきたことを振り返るような時間だったんですよ。最初観終わった時に。やっぱりその時に感じたのは、もう会えない人とかのことをすごく考えて、それは中村勘三郎さんや蜷川幸雄さんとか自分の家族も含めて、自分が人の人生にどれだけ記憶に残るだろうか、どれだけ人に何かを与えられるかを考えたんですよね。エンドロールで曲を聞いている最中に。なので強烈に僕の記憶に残っている人が浮かびますかね。
奥浜:忘れられないというのは異性で愛した人だけではなくて、尊敬していたり、影響を受けた人も含まれるわけですね。
松本:なんか感じますね。やっぱり。
奥浜:有村さんはいかがですか?忘れられない、壊れるくらい好きだったもの。
有村:母の手料理…(笑)。
松本:いいねえ。すばらしい(笑)。
有村:すごい良いお話しをしてるからどうしようかと思ったけど(笑)、私が熱を出して
風邪を引いてしんどかった時に、病院から帰ってきた時に急激にお腹がすいて、その時に作ってくれたのがちらし寿司だったんですよ。
松本:その時にちらし寿司?
有村:そうなんですよ。ちょうどその日の晩御飯がちらし寿司で、「でもしんどかったら食べなくていいよ」って言ってくれたんですけど、お腹がすいたから食べたらものすごくおいしくて、なんかそれが忘れられないですね。
奥浜:相当ですよね。今ここで出てくるってことは相当美味しかったんですよね。
有村:おいしかったです。
奥浜:松本さんニヤニヤしていますがどうしました?(会場爆笑)
松本:いや~素敵だなと思って、母の手料理。
有村:ふふ(笑)。すみません(笑)。