【全起こし】福山雅治「確実に年を取った…」 映画『三度目の殺人』公開記念舞台挨拶 全文掲載!

荘口:まあ、どちらに転ぶかは楽しみにしていただきたいですけど。二つ目の質問です。ヴェネチア国際映画祭、お疲れ様でした。レッドカーペット歩く姿がとてもかっこよかったです。現地からの反応はいかがでしたか? お二人からの感想お聞きしたいです。また現地での思い出深いエピソードがあれば教えてください。

是枝:受け止めてくれた感じはとても熱かったし、温かかったんですけど、一つだけびっくりしたのが、公式上映でどんな反応するんだろうなって緊張して見てた時にね、福山さんが、鳥のお墓の十字架を壊すじゃないですか、壊した瞬間に客席のイタリア人の方が声を出されたんですよね。多分敬虔なクリスチャンの方だと思うんですけど、そういう反応がビビットに感じられたので、そういうところは面白かったですけどね。

荘口:福山さんどうでしょう。

福山:映画の内容のせいなんでしょうけど、会場の空気もかなり硬質というか、空気がかなり硬い感じ、硬いっていうのはよくない硬さじゃなくって、観客の方がすごい集中して入り込んいるっていうような、その緊張感っていうのはすごい感じました。僕は終わった後にすぐ拍手が来る作品じゃないのかなと思っていたんですが、終わったか終わんないかくらいのタイミングですぐにバッとスタンディングオベーションの拍手が始まったのはいい驚きでしたね。

荘口:それ以外の上映以外のエピソードなんかあったりします?

福山:上映が終わった瞬間、監督は右側に座られていたのですが、温かい拍手が始まった瞬間に、監督が僕の膝に手を置いて(笑)。「あ、監督。安堵されたんだな」と思って、すごくうれしかった。

是枝:恥ずかしい。

福山:僕もその時、乗せられた手をつかもうと思ったんですけど、いやちょっと待てよって。すみません。その時ギュッと手を握ればよかったんですけど、ちょっと照れちゃいました。すみません。(会場爆笑)

是枝:握られたら僕もちょっと照れた(笑)。(会場爆笑)

福山:でも緊張感は僕らもありましたよね。

是枝:ありました。

福山:どういう風に届くんだろうっていうのはありましたからね。

荘口:ありがとうございます。続いて映画を観終わった後もやもやとした気持ちになりました。結果誰がやったのかわからないからなのかと思ったんですが、これは意図があってのことなんでしょうか? 監督の狙いなのか知りたいです。まあ、ご覧になっているのでネタバレも何もないんですけど。

是枝:狙いです。

荘口:狙いですか。まずモヤモヤしている方って多いですかね?

福山:聞いてみます?今日じゃあ初めて観たって方どれくらいいらっしゃいますか?

荘口:結構いらっしゃいますね。

福山:二回目ですって方?

是枝:ありがとうございます。

福山:三回目ですって方?

荘口:ああすごいな。

福山:いやいやもっと見てますよって方?おおお。では質問したいと思います。モヤモヤしているって方?

会場:はーーい!

福山:ははははははは(笑)。

是枝:これはでもどうしたかったかというと、主人公の重盛がこういう事件を担当してはっきり真実はつかめない、でも判決は出る。町を出た時にすごくモヤモヤしていると思うんだよね。自分が果たして何に加担してしまったのか、誰かをを救えたのか、もしかすると誰かをさばいてしまったのかしれない。そういう悶々とした、でも彼もシステムの一部だから次の裁判に向かわなければいけないっていう。そういう主人公が置かれた気持ちを観た方も一緒に共有してモヤモヤしながら劇場を出ていかれるというのが、狙いとしてはあったので、じゃあ成功しているかな。そういう楽しみ方も面白いですよね。どうですか?

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