【全起こし】高橋一生×斎藤工「最終的に奇跡的なメンバーが集まってくれた」第10回したまちコメディ映画祭in台東『blank13』ティーチインイベント全文掲載!

大場:高橋さんお願いします。

高橋:えーと。どっちがいいかですよね。どうしても比べてしまうんですけど、まず一番最初に自分の人生をまず自分が肯定しないと、始まらないと思うんです人生って。まず自分のことを好きになってあげるとか、自分の近しい人が亡くなった、このお葬式の時に一番だと思ってあげるとかそういうところから始めないと、日本人の人というか比べてしまう人がすごく多くて、隣の庭ばっかりできれいだなって思ってしまいがちですが、やっぱりそういうことじゃなくて、まず自分の庭をきれいにしていこうというメッセージもこの作品に含まれていると思うんです。とても幸せなお葬式だと思うし、規模が大きいとか人がいっぱいいるだけじゃなくて、そこにどれだけ思ってくれる人がいるかということで自分たちを励ましていくこととかって大事だと思うんで、僕は甲乙つけがたいです。

IMG_3944

大場:監督はいかがですか?

斎藤:泣き屋っていうおばちゃんが出てきたと思うんですけど、実際調べたらあって金子と榊さんも同じ組織なんですけど、葬儀を盛り上げるために知らない人のところで盛り上げてるっていう職業があったんですよね。調べていくと儒教の流れとかなんですけど、終わりは派手にっていうのがあって。それで、来ている人はどう考えているんだろうというのを描きたかったのがこの作品なんです。神野さんが、さっきお母さん来てほしいって言ってましたけど、このリリーさんの葬儀っていうのは、実はお母さんはお母さんなりに葬儀を挙げていて、最後にタバコを吸うシーンがあったんですけど、だから最後は葬儀のシーンだと思っていて、でね神野さんあのシーンはちょっと神がかっていたシーンなんですよ。

神野:私自身のお葬式だったら奥さんに来てほしいって思うんですけど、この映画の私が演じたお母さんは、あれが彼女の一番最高のご主人を送るお葬式だったと思うんですよ。彼らに残した煙草を。そしたら、そのシーンを撮る時にね、セットなので風も何も吹いてないのに煙草に火をつけた瞬間に、窓辺に上った煙が何回やってもふうーっと回って部屋の中に入ってくるんです。監督はカットをおかけにならなかったので、その煙を目で追いかけて「お帰り」ってつぶやいていました。それは何度やっても何度やっても煙が中に入ってくるっていう、ちょっと不思議な時間でしたね。

IMG_4260

斎藤:なので僕もリリーさんの演じた…リリーさん生きてますけど。(会場爆笑)

金子:偲ぶ空気がね流れてた(笑)。

斎藤:(リリーさん演じた父親)の葬儀の方が深く時間を生きた人の終焉かなと思いました。

大場:二階席行ってみましょうか。

質問者:ありがとうございます。よろしくお願いいたします。拝見させていただいて私は2月に父を見送ったので、すごくタイムリーだったんですが、皆さんが思い出を語るシーンがすごく、楽しいのとしみてくるっていうのが、うちが仏式でやらなかったので、あんなシーンが実際にあったんですね。だから集まってきた方が語ることで父を知るっていうことはものすごくリアルにわかるんですけど、このシーンであえてあれだけキャラクターがすごく揃った、キャスティングされたのもすごく面白いと思ったんですが、佐藤二郎さんの後ろ姿だけでちょっとウケてしまうという(笑)。あのシーンのキャラクターを皆さん揃えられた監督の思いと、あのシーンを撮った時の皆さんお思い出やエピソードを伺えないかなと思うんですがいかがですか?

斎藤:そうですね。そこが肝になるなと思っていました。もちろんキャスティングもそうなんですけど、まずは荒唐無稽に見える人たちの言葉をコウジである一生さんがキャッチャーなんですよね。キャッチしていくっていう空間なので、一生さんに向けて豪速球だったり、変化球だったりいろいろな球が投げられて、僕はお兄ちゃん役を急きょやることになって、実は隣で笑っちゃっていることが皆さんにばれているかもしれないんですけど(笑)、なんかマッチアップしてあとは傍観していたっていう雑な演出なんですけど。キャスティングは一枚の絵を彩っていくように、いろいろな原色を強めに集めていったというか、お声させていただいたという感じですね。最終的に奇跡的なメンバーが集まってくれたなと。

いとう:それぞれは割とアドリブ?

斎藤:設定というか関係性だけはお伝えしてあるんですね。このくだりはありますっていうのは書いてはあるんですけど、基本的には長回しで2カメで後半はドキュメントっていう感じで、何が起きても撮り続けるていうすごい乱暴な、演出としてはすごい乱暴なんですよ。

いとう:したかったんだね。

斎藤:したかったんですよ。何かトライをしたいという気持ちもあって。で、僕の出逢ってきた方たちと、こういう機会なんて最初で最後だろうと思って、本当に好きな方、僕がリスペクトしている方たちをキャスティングさせていただきました。

いとう:大水君もですか?

斎藤:ものすごくリスペクトしてます。

大水:ありがとうございます。

斎藤:大水さんなんてネタの宝庫でしたよ。

いとう:ああそう(笑)。やたらやったんだ(笑)。

斎藤:泣く泣くカットして。

大水:一時間以上ずっと回してましたね。

斎藤:どうでした渦中は?

大水:いやーもう。朝行って村上淳さんが「俺もうサっとやって終わるから」って言ってたんですよ(笑)。

斎藤:フリが始まっているんですね。

大水:そしたら「サンキューフューチャー?」が始まっちゃったら、まさかこっちも歌うととも思ってないし、いろいろ小道具も仕込んできてるし、人って何かやるってわかってたら笑うの我慢できるんですけど、急にやられるとなかなか笑いをこらえるのがね。

いとう:ムラジュン悪いやつだからね。

大水:そうなんですよ。

大場:ノリが「ガキ使」と同じですよね。笑っちゃいけない、みたいになってますよね。

大水:でも何やっても佐藤二郎さんがツッコんでくれるんで、その辺は安心してできましたね。

斎藤:セコムみたいなもんなんでね。真ん中に置いとけば何とかなる。

大場:それを受けて一生さんもそこにいたわけですけど、どうですか?

高橋:あんまり笑うっていうこと…。僕として見ちゃってたら絶対吹き出しちゃうと思うんですよね。一挙手一投足、面白い人たちが集まってるんで。ただおやじってこんな人たちと知り合ってたんだって方向に何とか意識を向けていると何とか乗り越えれた感じですね。

IMG_4323