2017年に没後50年を迎えるキューバ革命の英雄“エルネスト・チェ･ゲバラ”。革命家、反帝国主義のカリスマとして、また、革新を想起させるシンボルとして今もなお世界中でゲバラの存在は明確に息づいている。そんな彼の“意志”に共感し、ボリビアの軍事政権との戦いで、1967年8月に25歳の若さで散った実在の日系人、フレディ前村ウルタードの知られざる生涯を、日本・キューバ合作で描く映画『エルネスト』が10月6日（金）に公開する。本作の世界最速となるサポーター試写会が、9月13日、東京・新宿にて行われ、フレディ前村を演じたオダギリジョーと、監督の阪本順治が登壇した。今回は本イベントを全文掲載でお届けする。

SHEILA（MC）：本日はようこそ映画『エルネスト』スペシャルサポーター世界最速試写会にお越しいただきありがとうございます。この試写会の司会を務めさせていただきます、キューバPR親善大使を務めさせていただいておりますSHEILAです。よろしくお願いします。さて本日ここにいらっしゃるサポーターの皆様は、映画『エルネスト』に熱い思いをお持ちの皆さんで、先日のゲバラ写真展やホームページでご応募をされた方々なんですが、なんと30倍の中から選ばれた皆さんです。すごいよね。その皆さんには思い思いの映画への思いや愛を衣装やアイテムで表現していただき、本日ここに集合していただきました。そんな皆さんが映画公開の10月6日の前に世界最速で観られる試写会となるわけです。楽しみですね。私はもう7月くらいに観ました。一足早くお仕事で観させていただきましたけど、本当に皆さんの感想が楽しみです。今年は映画の主役であるチェ・ゲバラともう一人のゲバラであるフレディ前村さんがなくなって50年となるメモリアルイヤーとなります。その記念すべき年に公開される映画『エルネスト』は果たしてどのような映画なのでしょうか。お二人に聞いてみたいことがありましたら後程、質問タイムも設けますのでいろいろ聞いてみてください。それではお待たせいたしました。さっそくご登場していただきましょう。フレディ前村を演じましたオダギリジョーさん、阪本順治監督です。さっそくご挨拶をしていただきたいと思います。それでは阪本監督からお願いします。

阪本：こんばんは。今日は何の集会でしょうか？（笑）。本来なら映画が完成したら完成披露試写で大きな会場を借りて、俳優さんがずらっと並んでっていう形をとるんですけど、。今回は他の映画と同じことをやってもしょうがないと思いまして、サポーター試写会を実施いたしました。今のキューバをご存知でしょうけどハリケーンが直撃しまして、僕らがロケした場所も腰まで水が来ているのをネット上で見て心配しております。日本もそうなんですけど。もうちょっと大丈夫？ この“エルネスト”って言葉なんですけど「真剣」っていう意味があるんですね。真剣に～をするっていう。でも言語学に詳しい方にお聞きするともう一つ深い意味があって「目的を決めた上の真剣」ということらしいんです。この“エルネスト”って言葉は「真剣」っていうより「目的を決める」っていう方が大事だと思ってます。そういうことを含めてこの映画を観ていただきたいと思います。本日はありがとうございます。

SHEILA：続きまして主演のフレディ前村を演じましたオダギリジョーさんお願いします。

オダギリ：オダギリです。監督、『出たとこ勝負』って言いながら、すごいスピーチで…。何をしゃべっていいかわからなくなっちゃって。監督にお話をいただいた時からやりたいという気持ちがMAXでした。「すぐにやらせてください」と答えたんですけど、何が一番やりたかった理由なのかなって考えると、やっぱり想像もできないような困難な道だろうって思ったんですよ。20年も芝居をやっていると、甘えや慣れがつきまとってしまう。それを全て排除して真剣に取り込まないと、乗り越えられないぐらい高いハードルが見えていたので、初心に戻してもらう意味でも必ず乗り越えようと思って「やりたいです」と答えました。それが今日初めて一般の方に観ていただくということで監督も緊張していると思うんですけど、僕もかなり緊張していまして、ぜひ慣れや甘えはあってはいけないんですけど、皆さんの方は甘い感じで色々なところで感想を言っていただけたらなと思います（笑）。そんなところで今日は楽しんで帰ってください。よろしくお願いします。