【全起こし】吉高由里子&松山ケンイチ、撮影中の秘話を語る「すっぽんぽんでしたね。ずっと金太郎だった」と告白!?映画『ユリゴコロ』キックオフ会見 全文掲載

沼田まほかるのベストセラー・ミステリー『ユリゴコロ』が、主演に吉高由里子を迎えて映画化される。本作のキックオフ会見が7月9日に東京国際フォーラムで行われ、出演者の吉高由里子、松山ケンイチ、松坂桃李、佐津川愛美、清野菜名、木村多江、監督の熊澤尚人が舞台挨拶に登壇した。そのイベントの模様を全文掲載でお届けする。

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↑左から清野菜名、木村多江、松坂桃李、吉高由里子、松山ケンイチ、佐津川愛美、熊澤尚人監督

MC:本日は映画『ユリゴコロ』キックオフ会見にお越しくださいまして誠にありがとうございます。本日司会を務めさせていただく奥浜レイラと申します。とある一家で見つかる一冊のノート、“ユリゴコロ”と記されたそのノートに書かれていた悲しき殺人者の記憶。その内容が事実か創作か、そしてその家族とどんな関係があるのか、さまざまな疑念の先にある驚愕の結末とは。沼田まほかるベストセラーミステリー小説を熊澤尚人監督がメガホンを取り、実写化されます。非情な運命を背負った殺人者、美紗子役を吉高由里子さん。彼女と運命的な出会いをする洋介役を松山ケンイチさん。そしてノートを発見し、その秘密に迫っていく亮介役を松坂桃李さんがそれぞれ演じ、過去と現在を交錯させながら描きました。過去編、現代編をそれぞれ別時期に撮影するという特異な撮影スタイルも昨日すべて撮影が終了しまして、本日初めて監督キャストの皆さんが一堂に集い、ここから一本の物語へと向かっていきます。それではさっそく登場いただきましょう。映画『ユリゴコロ』監督、キャストの皆さんです。吉高由里子さん、松山ケンイチさん、松坂桃李さん、佐津川愛美さん、清野菜名さん、木村多江さん、そして熊澤尚人監督です。それではおひと方ずつ挨拶を頂戴したいと思います。本作の主演、美紗子を演じられました吉高由里子さんご挨拶お願いします。

吉高:皆さんこんにちは吉高由里子です。今日はお集まりいただきありがとうございます。短い時間ですが、映画『ユリゴコロ』応援してください。よろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。続きまして、洋介役を演じられた松山ケンイチさんお願いします。

松山:洋介役を演じさせていただきました松山ケンイチです。今日はありがとうございます。由里子ちゃんもそうなんですけど、僕も佐津川さんも去年の9月か10月くらいの撮影だったんですけど、ずいぶん時間が経っているので久しぶりに洋介と呼ばれてドキッとしているんですけど、久しぶりに由里子ちゃんと話をしていて色々な思い出がよみがえって、すごく有意義な撮影だったことを思い出して、これからでき上がる作品を楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします。

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MC:ありがとうございます。続きまして亮介役を演じられた松坂桃李さんお願いします。

松坂:亮介役を演じさせていただきました松坂桃李です。今日は貴重な時間ありがとうございます。昨日(撮影が)終わりました。本日はよろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。続きましてみつ子を演じられました佐津川愛美さんお願いします。

佐津川:みつ子を演じさせていただきました佐津川愛美です。今日はありがとうございます。とても完成が楽しみな作品なのでこれからできていくのが楽しいです。何言っていいかわかんないね(笑)。今日はよろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。続きまして千絵を演じられました清野菜名さんお願いします。

清野:千絵を演じました清野菜名です。本日はありがとうございます。昨日撮影が終わりました。完成するのがすごく楽しみです。今日はよろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。続きまして細谷を演じられました木村多江さんお願いします。

木村:皆さんお暑い中集まりいただきありがとうございます。わたしはダイジェストを観させていただいて、過去編が本当に素晴らしかったので、これは現代編もがんばらなくちゃと撮影に臨んだんですが、この素晴らしい過去編と現代編が融合して相乗効果が生まれたらとても素晴らしい映画になると信じています。ぜひ皆様これから宣伝の方よろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。最後に本作の監督、熊澤尚人監督お願いします。

熊澤:監督の熊澤です。今日は暑い中、わざわざ集まっていただき本当にありがとうございます。昨日夜8時くらいに撮影所でクランクアップ致しまして、やっと現代編と過去編の撮影が両方終了しましたので、これから完成に向けて頑張りたいと思いますので皆さんご期待ください。今日はよろしくお願いします。

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MC:ありがとうございます。ではここからは代表して私の方から質問をいくつかしていきたいと思います。先ほどからご案内している通り、この映画は過去編と現代編それぞれ撮影されまして、二つの物語が交わって一本の作品になっていきます。まず熊澤監督にお聞きしたいんですが、本作の監督オファーを受けた時の印象と、そして全パートの撮影を終えたばかりですけどこのような撮り方をされていかがでしたでしょうか?

熊澤:お話しいただいて原作を読んだんですけども、映像化を色々な方が狙ってアプローチしていた原作だったんですね。でも皆さん上手くいかずに本当に映像化が不可能な、困難な原作だとは言われていて、僕として難しさはあるんですけど、どうしても映画にしたくて今回撮影ができてすごくうれしいと思っているんですけど、すごく難しさが過去編にも現代編にもあって、その難しさを今日ここに並んでいる俳優の皆さんがすごくいい形でお芝居をしてくれたので不可能だったものが可能になったなというのは現場で撮影をしているときから感じていました。過去編、現代編両方撮り終えて、本当に難しい原作が何とかなったなという風に感じた次第です。過去編、現代編が二つの時期に分かれて撮られたわけですけど、過去編、現代編を連続して撮るという話も当初あったんですけど、恐らく一度に撮っていると撮影できなかっただろうなと昨日感じて、そのくらい内容の濃い、スタッフだけでなく俳優陣の体力とか知力とか奪うようなものすごい過酷な撮影が続いていたので、そういった意味では過去編、現代編に分かれて現代編を撮る際に過去編で頑張り切った俳優陣のパワーを現代編で出演してくださった皆さんも負けないぞっていう気持ちでやっていただいたので、本当にいい掛け算になったなと思います。

MC:完成を楽しみにしております。キャストの皆さんにお聞きしたいんですけど、脚本を読まれたときの印象と、そして過去編、現代編とお互いの現場がわからず進んでいく撮影スタイルはなかなかないものだと思いますが、そちらに関してはいかがだったでしょうか?吉高さんからうかがってよろしいですか。

吉高:普段時間がかかるんですね、脚本を読むのに。でもなんかあっという間に読み終えていたことを今思い出しました。あとは自分自身が殺人をする役なんですが、そういった役を今までやって来なかったので、そこにはすごい興味が湧いてぜひやってみたいなと思いました。

MC:過去編が昨年撮影されましたけど、現代編がわからない状態での撮影はどうでしたか?

吉高:現代パートの人たちは観たんですよね?ずるいなって。私も早く現代パート観たいなって。2つのストーリーがどうやって交わっていくんだろうって。今こうやって皆さんと並んでいますが、(現代パートの俳優陣に)まったく親近感が湧かない(笑)。別の現場の方たちかな?と思うくらい交わっていないので早く映像になったものを観たいです。

MC:ありがとうございます。ぜひ今日親交を深めていただければと思います。続いて松山さん伺ってもよろしいでしょうか。

松山:ミステリーじゃないですか。なかなか観たことないジャンルだなというか、何となく自分が避けてたのかわからないですけど、テイストとしてはあまり自分がやったことのないものでしたし、観たことのないものでしたし、脚本にあった“匂い”は、自分が観てきた90年代の映画に近い感じがあって、とても好感が持てたんですよね。まあ、由里子ちゃんだし、熊澤さんだし、すごく新しい感覚とか新しい発見が得られるんじゃないかな、いろいろなところに連れて行ってもらえるんじゃないかなと思ったのがすごく印象に残っていますね。

MC:現代編がわからない状態での撮影はどうでしたか?

松山:最初に撮っているので楽ですよね。多分現代の方のほうが答えを与えられているというか、難しいと思うんですよね。好き勝手こっち(過去編)はやっていたと思いますね。

MC:松坂さんいかがでしょうか。

松坂:僕は過去のほうは観ませんでした。一冊のノートが出てくるんですけど、過去編にすごく関わっているのでなるべく映像は観ずに撮影はしていきたいなと思っていたので。台本を読むとすごい過去編のところのト書きが書いてあるんですよね、だからこれはどういう撮り方をして、どういうシーンになっているんだろうなっていうのは結構ワクワクしながら読み進めていって、日々臨みました。

MC:撮影を終えたばかりで、作品の性質上言えないことも多いので難しいところも多いと思いますが、脚本の手触り、感覚はいかがでしたか?

松坂:さっきも言っていた通りミステリーなんですけど、すごく愛のある話だなと思いました。形はいろいろあると思うんですけど、いろいろな形の愛のある作品だなと最終的に読み終わって、撮影し終わって改めてそういうものを感じましたね。

MC:佐津川さん、脚本を読んだ時の印象をお聞かせいただけますか?

佐津川:最初読ませていただいたときに、吉高さんが演じられてる美紗子にも、自分が演じているみつ子にも共感してしまう部分があって、こういう作品だと人として否定したくなる部分とか、そういう気持ちの部分をどうしても魅力的に感じてしまう部分があって、多分やったら気持ち的にも病んじゃうんだろうなとか、色々思ったんですけど、それを越してぜひこの作品の中に入りたいと思ったすごく魅力的な作品でした。

MC:過去編、現代編と撮影の時期が異なりましたがそれはいかがでしたか?

佐津川:松山さんがおっしゃったように全然大変だったことはなくて、逆に楽しみだねっていうのがすごく多くて、いつも作品ができ上がるのを楽しみに待っているんですけど、ここまで先がわからなくてでき上がりが楽しみっていうのは珍しいなと思っています。

MC:ありがとうございます。そして清野さんいかがでしょうか?

清野:まず原作を読んでいたので、この作品に自分が出ることに驚きもありまして、読んでいたら亮介自身にもなっているというか、亮介と同じ心拍数でどんどん先が気になるような作品で、精神的ミステリーだと思いました。なので自分が亮介の恋人の役が来たときは、自分の性格とは読んでいて違うなと思っていたので、できるかすごい不安だったんですけど、亮介演じる桃李さんの演技の熱量をすごく浴びて、撮影中に向上心が出てきて、すごくリードしていただきました。

MC:過去編を先に撮られていましたけど、現代編の撮影はどうでしたか?

清野:みんなが引きずっている過去とは違う、自分が抱えている過去なので、撮影を見ていなくても自分と向き合って演技をするという感じだったので、自分との戦いでした。

MC:木村さん、脚本読んだ時の感想からお願いします。

木村:脚本を読んだ時に匂い立つ空気みたいなものがあって、それがあるものとないものがあるんですけど、今回の作品は行間から匂い立つものがあって、この匂い立つものの潜在意識の中で役者もスタッフさんも感じながら作られたものなので、もし皆さんが(それを)受け取って作ったら面白いものになるんじゃないかなと思って、過去編のダイジェストを観させていただいたんですけど、ものすごい匂い立つ空気があって、この空気を受け継いで私たちもやらなくてはいけないなと、過去編を観たからこそ作れたものがありましたね。

MC:敢えてご覧になったのはどのような気持ちがあったんですか?

木村:あまり言えないんですけど、空気を感じることができてよかったなと思いますけど。

MC:では囲みの方々の質問に移らさせていただきます。

記者:過去編に出演された吉高さん、松山さん、佐津川さんにお聞きしたいと思います。吉高さんと松山さんは変わった形でのラブストーリーだったと思うんですけど、共演シーンについて詳しくお聞かせいただけたらと思います。佐津川さんもハードな役柄だったと思うんですけど、吉高さんとの共演で印象に残っているエピソードなど伺えますでしょうか。

吉高:共演していく人を…。これ言っていい?

松山:まずいんじゃないかな。同じことを言おうとしたんだけど多分ダメだね。

吉高:ダメだね。

(会場爆笑)

吉高:要するに共演していく人がどんどんクランクアップしていくんですね。

(会場爆笑)

吉高:間違ってない?これはあり?大丈夫?長い間一緒にいた共演者の方が松山さんが初めてだったので、ようやく待ち場所に一人じゃなくなってほっとしたし、もっとお芝居が見たいなって思う役者さんでした。

松山:初めて由里子ちゃんに会ったのは10年以上前で全然現場とかじゃないところだったんですけど、その時からすごくクセの強そうな女の子だなと思っていて。

吉高:ポジティブに書いてくださいね。

(会場爆笑)

松山:もちろんポジティブな意味ですけどね。テレビとか見ていてもクセ強い演技だなと思っていて、そういう人が本当に大好きで、何度か共演はあるんですけど、僕がただ刺し殺すだけだったりとか、出番が違ったりとかばかりだったので、今回しっかりやれてうれしかったんですけど、これは由里子ちゃんっていうより、この作品自体がそうなんですけど、やっぱり変わったシーン多かったよね。オナモミとかね。

吉高:オナモミ大変だったね、あれね。

松山:ミステリーなんだけどギャグかこれっていうシーンもありましたよね。

吉高:あのグリーンバックのシーンですよね。

松山:多分美しいシーンになっているんだろうと思うんですけど、すごく面白い撮影でしたね。二人ともずっとすっぽんぽんでね。

吉高:すっぽんぽんでしたね。ずっと金太郎だった。

松山:みんなぽかんとしていましたけど。

吉高:見ていただいたらわかると思うんですけど。

松山:思ったより過酷なシーンがあったけども、由里子ちゃんだったから乗り越えられたところはあると思います。

吉高:ありがとうございます。

MC:吉高さんと佐津川さんの共演シーンについて質問もありましたが。

吉高:目の表情がスゴくて、自分のセリフを忘れてしまうほど食い入るように見てしまうことがあって、お芝居やってて、楽しいなと思ったことなかったんですけど、彼女とやっていて楽しかったです。すごいパワーをもらいました。

佐津川:嬉しい。えへっ。

MC:ハードな役柄でしたよね。

佐津川:そうですね。みつ子は拒食症の役なので撮影前に減量したのもそうなんですけど、撮影中も血の気のない感じにしたくて食べるものも気を付けていたので、お弁当のお肉とかは食べなかったんですね。そしたら撮影があまりにもハードで朝から夜中までやってて、地方だったし、食事を買いに行く時間がなくて、吉高ちゃんがサラダとゆで卵を買ってきてくれて。「さっつん一緒に食べよ~」って言ってくれて、「はあ、もう、好き!」ってなりました。本当に優しい。もともと好きだけど、もっと好きになった。現場でもスタッフの皆さんとかにも気遣いがすごいですし、それをサラッとやってくれるからほんとに好き(笑)。

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記者:松坂さんと清野さんと木村さんは、現代編の撮影が昨日まで行われていたそうですけど、現代編の現場はいかがだったでしょうか?

松坂:現代編の撮影はタイトでギュッと濃縮された時間だったんですけど、結構大変なシーンは現代編もありまして、撮影も夜が明けるぞっていうくらいまであったりとかしましたよね監督?

熊澤:はい。

松坂:そういう意味でいうと、嵐がやってくるような撮影現場というか、雨も降っているんですけど、お二人(清野、木村)と共演できて僕は楽しかったですね。どういうシーンかは言えないんですけど、“あれ”がああなって、“これ”がこうなるんですよ(笑)。伝わりますかねこれ?どうだろう?でも大変なシーンも多かったですけど、楽しかったですよね。

MC:清野さんは松坂さんの恋人役で共演シーンも多かったと思うんですけど、どうですか?

清野:オムレツ作りましたよね?

松坂:オムレツ作りました。卵がどれだけ犠牲になったかっていうくらいやりましたよね。あれは緊張しました。

清野:ケータリングのところに作ったもの置いたりしてあって。

松坂:自分の中でもうちょっとうまくなりたいなって思ったんですけど、悪あがきでご飯のタイミングで作ったんですけど、ほとんど誰も食べてくれなかったです。

(会場爆笑)

清野:私も添えてあるトマトだけ食べました(笑)。

MC:木村さんはいかがでしたか?

木村:監督が朝にはなりませんからって仰っていたんですけど、だんだん外が青白くなってきたなってことはよくありましたね。久しぶりに心の中で「いつか終わる、いつか終わる」と唱えていました。でもすごく面白かったですね、内容は言えないので“あれ”がああなって、“これ”がこうなるんです。この映画の中でいろいろな桃李君を見ることができると思うし、菜名ちゃんも本人とは違う感じで、菜名ちゃんは私の若いころを去年映画でやってもらってものすごい親近感があって、家族のような感じなので役とリンクしてやりやすかったし、どこか過去編に負けないぞっていう気持ちもあって、気持ちがどんどん一つになって言った感じがあります。

記者:最初に吉高さんお話ししていたと思うんですけど、作品の完成に向けて過去編を吉高さんと松山さん、あと現代編を松坂さんにどんなことを期待しているかお聞かせいただけますか。

吉高:こんなにも自分が関わっていない期間やシーンのある同じ一つの映画を作るのは、初めて。監督しか全部把握していないですもんね。前編、後編というわけではなくて、現代も過去も一つに入り込んでいくので、どう交わって一つの物語になっていくのかはすごい大きな期待もありますし、自分の出てないシーンとかを早く観たくて、さっき流れた三分の映像も難しい気持ちと、知らないシーンが出てきてわくわくする気持ちとあって、昨日撮り終わって本当に2カ月後に公開できるんですか?大丈夫?何か手伝う?っていう(笑)。まあそこは熊澤さんがピシャッと決めてくれると思うので、仕上がりがとても楽しみです。

MC:松山さんお願いします。

松山:撮影中にカメラマンの今村さんのカメラのモニターとか見たりしていたんですけど、映像がすごい美しいんですよね。僕らは過去なので今にはない服装、髪型、言動っていうのがあると思うんですけど、そういう美しさもありますし、現代の美しさもあると思います。ラブストーリーっていうところもあるので、あたたかさと冷たさが融合した作品になるんじゃないかなと、それを美しく描いた作品になればいいんじゃないかなと思います。

MC:松坂さんお願いします。

松坂:これだけ現代と過去ではっきり分かれている作品というのもそうそうないと思うので、だからこそできる、監督が現場で絶妙な仕掛けをちょいちょいやっているんですよね。それが現代と過去で編集してつながった時に、仕掛けみたいなものが作用して、一つの作品ができ上がることがまだ想像つかないですけど、すごく楽しみで、そういうところも含めて『ユリゴコロ』を楽しんでいただけたらと思います。

MC:そろそろお時間が迫ってきましたので、ここで質問を切らせていただきます。最後に吉高さんから皆さんにメッセージをお願いします。

吉高:過去パートは去年の10月にクランクアップしてまして、現代パートは昨日クランクアップして、熟成されたストーリーと、ほやほやのストーリーが二か月後にどうやって化学反応を起こして作品になるのかっていうのが、私はもちろんまだ映像を観ていないんですけど、皆さんもぜひ期待して、9月23日に劇場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

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『ユリゴコロ』
9月23日(土)より全国公開
監督・脚本:熊澤尚人 原作:沼田まほかる『ユリゴコロ』(双葉文庫)
出演:吉高由里子 松坂桃李 松山ケンイチ 佐津川愛美 清野菜名 清原果耶 木村多江
配給:東映 日活

STORY
物語は、[一冊の告白文]から始まるー。
ある家族。一人息子の亮介(松坂桃李)が実家で見つけた一冊のノート。「私のように平気で人を殺す人間は、脳の仕組みがどこか普通と違うのでしょうか。」異様な一文で始まるそのノートは、すべてが一人称で書かれた何者かの告白文であった。主人公は、美紗子と名乗る女(吉高由里子)。誰しもが生きていくために必要な“拠りどころ”、彼女のそれは“人間の死”であった。殺人という行為から逃れる術を持たず、絶望の日々を送る中、洋介(松山ケンイチ)という男が彼女の前に現れるのだが。過去と現在が交錯し、ノートに秘められた真相に迫っていく亮介。これは事実か、創作話か。誰が、何のために書いたのか。数々の疑念の先に、驚愕の真実が突きつけられる。

©沼田まほかる/双葉社 ©2017「ユリゴコロ」製作委員会