【全起こし】ブラッド・ピットが主演&製作を務めたNetflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』を引っ提げて来日! 男性諸君へ「短パンブームを巻き起こそう!」

5月26日(金)にNetflixで全世界同時配信が開始となる戦争ドラマ『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』。2年6カ月ぶり11度目の来日となった主演&製作のブラッド・ピットや、監督のデヴィッド・ミショッドら4人が、5月22日(月)に来日し、ザ・リッツ・カールトン東京 グランドボールルームにて作品の見どころやNetflixと手を組んだ経緯を語った。その模様を全文掲載でお届けする。

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MC:ただ今よりNetflixオリジナル映画『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』来日記者会見を始めさせていただきます。さて、世界最大級のオンラインストリーミングサービスを提供するNetflixとブラッド・ピットが代表を務める制作会社プランBの共同制作によって完成した『ウォー・マシーン~』が5月26日(金)に全世界同時オンラインストリーミングを開始いたします。本作は実在の人物を描いたベストセラーから発想を得たオリジナル映画で、ブラッド・ピットさん演じるひとりの将軍グレン・マクマーンの栄光と衰退を描きながら、現代の戦争の裏側に迫る衝撃作となっています。主演のブラッド・ピットをはじめ、ティルダ・スウィントンやベン・キングスレーなどのオスカー俳優陣も参加する、全世界注目の超大作です。本日はストリーミングサービス開始に先駆け、監督&脚本のデヴィッド・ミショッドさん、プロデューサーのデデ・ガードナーさん、ジェレミー・クライナーさん、そして本作の主演&プロデューサーであるブラッド・ピットさんにお越しいただいております。それでは早速ご登場いただきましょう。皆さま盛大な拍手でお迎えください。

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↑左からジェレミー・クライナー、デヴィッド・ミショッド、ブラッド・ピット、デデ・ガードナー

MC:ようこそ日本にお越しくださいました。まずは皆さまから一言ずつご挨拶をいただきたいと思います。まずはデデ・ガードナー プロデューサーからお願いいたします。

ガードナー:今日はお越しくださいまして本当にありがとうございます。日本にまた来られて本当にうれしく思います。この映画は私たちにとってすごく重要な作品です。日本には何度か来ていますが、この国や皆さんのことが大好きです。ありがとうございます。

MC:ありがとうございます。続きましてプロデューサーのジェレミー・クライナーさん、お願いいたします。

クライナー:本日は皆さまお集まりいただきましてありがとうございます。大好きな日本に、本作を紹介しに来られて大変うれしく思います。他のアジアの国から来てくださった記者の皆さんにも心から歓迎申し上げます。どうもありがとうございます。

MC:ありがとうございます。続きましてデヴィッド・ミショッド監督、お願いいたします。

ミショッド:皆さんこんにちは。お集まりいただきましてありがとうございます。日本に来たのは初めてですが、こんなに長く日本に来るまで時間がかかってしまったなんて信じられないです。前から東京に来たいと思いながら、なかなかその機会に恵まれなかったので、今日本に来て5時間くらい経ちましたが、子供のように興奮しています。

MC:ありがとうございます。さあそしてブラッド・ピットさん、お願いいたします。

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ブラピ:皆さんこんにちは。本当に日本に戻って来られてうれしく思います。いつも日本では本当に暖かく、そして優しく歓迎してくれるのでとても感謝しています。皆さんにこの映画のことを話すチャンスをいただけて本当にうれしいです。この作品は本当に誇りに思っている映画なので。今日は楽しんでいってください。

MC:ありがとうございます。それではまず代表で私の方からいくつか皆さんに質問させていただきたいと思います。まずはブラッド・ピットさんに質問です。本作でピットさんが演じる主人公の将軍は、日本でいうところの顔芸ともいえる特徴のある表情や個性的なランニング・スタイルなどがとてもユニークだと思ったのですが、今回どのように考えて彼を演じたのでしょうか?

ブラピ:僕が演じたマクマーン将軍のキャラクターは、デヴィッド(監督)と話し合いながら創り上げていったのですが、とにかく話し合いの中で大いに笑いました。まず彼を通して、戦争の滑稽さや愚かさを見せたかったのです。走り方に関しては監督がああいう走り方を見せてくれて、それを真似しました。彼の方がうまいんです(笑)。マクマーンは自分のことを偉大な存在だと思い上がっているのですが、実は端から見たら本当に滑稽で馬鹿馬鹿しく見えるというところがポイントです。短いズボンは僕のアイデアです。男性の皆さん、ぜひあんなズボンを穿いて流行らせましょう(笑)。

ミショッド:とても簡単ですよ。まずブカブカの短パンを用意して、(監督自らズボンを上に上げるジェスチャーをして)極力上に上げて穿いてください(笑)。

短パン

MC:夏のように暑い日が続いていますので、男性の皆さんぜひトライしてみてはいかがでしょうか(笑)。さて、監督とピットさんに質問です。今回の作品はひとりの男の栄光と衰退を描いた作品ですが、なぜこの作品を製作しようと思ったのでしょうか? 

ミショッド:それでは真面目な話をしようと思います(笑)。米国と(監督の出身である)オーストラリアは、大変恐ろしいことにアフガニスタンで16年間も戦争に参加しています。僕はなぜこんなにも戦争が長引いているのか、そしてとても優秀な人々が関わっているはずなのになぜ彼らは戦争の先に”勝利があるフリ”をしているのかに関心があったんです。そしてブラッドたちから、(実在の米国陸軍将軍スタンリー・マクリスタルに密着したルポタージュ)「The Operaters」というマイケル・ヘイスティングの本を教えてもらって、戦争についての虚構を学びました。本に登場する将軍は、膨らみ過ぎた野心のために実際の部隊や現地に暮らす民間人といった現実世界からかけ離れた存在。その根底にはひとりの人間の妄想があると考えました。

ブラピ:この作品は将軍個人の物語から始まります。それが段々広がっていき、戦争全体や米国という国にフォーカスしていく。ペンタゴンやホワイトハウスの戦争への考え方や報道の在り方についても描かれ、いろんなことを問いかける作品になっています。ストーリーの最初はコミカルな描写が多いですが、次第にシリアスになり、戦闘に参加している兵士やアフガニスタンの民間人の命が奪われていく。戦争における勝利とは何なのか、それは本当に手に入るのか、手に入れるために今まで通りの戦略でいいのか、というようなことを僕たちは映画を通して投げかけたかったのです。

MC:ありがとうございます。続いてはデデ・ガードナーさんとジェレミー・クライナーさんに質問です。ピットさんと共にプランBで多くの作品を手掛けていらっしゃいますが、関わる作品を選ぶ際のポリシーはあるのでしょうか? デデ・ガードナーさんからお応え頂けますか。

ガードナー

ガードナー:まず私とジェレミーはブラッドと手を組めていることに、とても光栄に思っています。作品選びで最も大事なポイントはストーリーですね。この作品を心から映画にしたいと思えるか、この世界を反映しているか、オリジナルであるということが重要です。賞のためや多くの人に観てもらいたいということよりも、その映画を作らないと後悔で死んでしまうと思えるような作品を選んでいます。

クライナー:場合によっては製作が困難となった作品をプッシュしたり、著書の視点や意見がしっかり伝わるように物語の土台作りをすることもあります。『ウォー・マシーン~』の基となった本を書いたヘイスティング氏は事故で2013年に亡くなってしまったのですが、彼は「戦争は美化してはいけない」と言っていました。私たちは映画を通して、その思いを届けたいと思っています。

ブラピ:付け加えると、プランBは僕が代表になっていますが、芯の部分を支えているのはデデとジェレミーです。この会社を始めた時からずっと一緒にやってきているので、3人のうちひとりでも欠けてしまったらうまくいかないんです。この場を借りて、2人にお礼を言いたいです。

MC:ありがとうございます。それではここからは記者の皆さまからの質問のお時間とさせていただきます。

記者:監督とブラッド・ピットさんに質問です。おふたりとも映画製作の経験は豊富だと思いますが、これまでとNetflixとの映画製作を比べて、どんな違いや利点があったでしょうか?

監督

ミショッド:僕自身、長編映画を3本撮っているけどそんなに大きな違いはないです。本作は私の作品の中で最も大きな規模のものになりましたが、映画を作るという部分においてはいつも同じ気持ちで臨んでいます。『ウォー・マシーン~』はとても大胆で珍しい作品で、今回Netflixと共に映画を作ったことは僕たちにとってとてもいいことでした。ワクワクするような体験だったし、リスクを一緒に背負い、一丸となって映画作りに取り組めました。

ブラピ:(ちょっと間があって)ごめんなさい、今日のディナーのことを考えていて一瞬質問を忘れてしまいました(笑)。正直に言って、今回Netflixと組まなかったら、この作品は作られなかったと思います。1/6くらいの予算で小さな制作会社で製作されていた可能性はあるかもしれませんが、本作のようなチャレンジングな作品を作るということは、現在のハリウッド・スタジオの状況を考えると、非常に難しいことです。一方、我々はリスクを負って良質なコンテンツを発表し、フィルムメーカーにチャンスを与えているNetflixを素晴らしいと思ったのです。デヴィッドが言ったように『ウォー・マシーン~』は大胆な作品になりましたが、この結果に僕たちはとても満足しています。

MC:多くの方々が興味を持っているポイントだと思いますので、従来とNetflixでの映画製作の違いについて、ぜひプロデューサーのおふたりにも意見をいただければと思うのですが。

ガードナー:他の映画スタジオと製作するのとはかなり異なります。私は今回Netflixの勇気を讃えたいです。『ウォー・マシーン~』でもポン・ジュノ監督の『オクジャ/okja』(Netflixで6月28日配信開始)でも、これほどまで良いパートナーはいないのではというほど完全なサポートをもらい、監督のビジョンを実現させてくれました。Netflixではこれらの映画の配信が続く限り、野心的な作品が作れます。彼らと出会えたことが素晴らしいことだったし、予算も出してくれて、私たちにとっては“ロックスター”=最もかっこいい存在です。

クライナー:良質な物語があっても既存の製作システムでは映画が作れないということもあります。今回はNetflixが素晴らしいストーリーを世に出す機会を与えてくれました。より多くの人にこの作品が伝わればうれしいです。

記者:ブラッド・ピットさんに質問です。今回デヴィッド・ミショッド監督とは初タッグとなりましたが、ご一緒されての感想や撮影時の印象的なエピソードがあれば教えてください。

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ブラピ:彼は素晴らしいダンサーで、よくヒゲを剃ってくるのを忘れてきます(笑)。寛大でとっても良いリーダーでした。まずマイケル・ヘイスティングの著書の映画化権を取得した時にすごく魅力的な作品だと思いましたが、どういう方向性で映画化するかは僕自身全く分かりませんでした。その後、この本をデヴィッドに渡したら、とても素晴らしい脚本を書いてきたんです。これだけ複雑な問題を扱っている作品なのに、彼なりの視点をしっかり持っていました。元々僕たちはデヴィッドのファンだったので話し合いを始め、撮影現場でもきっちりやってくれた。彼はユニークで自分のビジョンをちゃんと持っているので、とても尊敬しています。

記者:ガードナーさんとクライナーさんに質問です。先ほどNetflixを“ロックスター”とおっしゃっていましたが、今年プランBが制作した『ムーンライト』はオスカーを獲得しました。今後は劇場映画と配信オリジナルの映画両方を手掛けていくと考えてよろしいのでしょうか?

クライナー:良い質問ですね。私たちの会社はいろんな形で映画を提供していくことになっていくと思います。従来の映画館で公開する作品もあれば、Netflixで配信する作品もあります。本作の他にもカンヌ国際映画祭でも上映された『オクジャ/okja』が配信予定で、他にも準備している作品があります。他のスタジオとも協力しつつ、作品ごとにふさわしい形で皆さまにお届けするという形を取っていきます。

ガードナー:彼が全部答えてくれたわ(笑)。

MC:最後にブラッド・ピットさんから配信の開始を楽しみにしていますファンの方へひとことメッセージをお願いします。

ブラピ:(マイクを手にノリノリで)歌を歌いますけど、何かリクエストはありますか(笑)? Netflixでこの作品を楽しんでください。今日はありがとうございました!

『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』
5月26日(金)Netflixにて全世界同時オンラインストリーミング開始
監督:デヴィッド・ミショッド 主演:ブラッド・ピット トファー・グレイス エモリー・コーエン