【全起こし】田中俊介、実はドMだった!? 映画『ダブルミンツ』ナビゲートDVDの上映会イベント!

中村明日美子の原作を映画化した衝撃作『ダブルミンツ』の公開に先駆けて、映画のメイキングを収めたナビゲートDVDが5月17日(水)に発売。発売当日に、池袋のアニメイトで、ナビゲートDVDの上映会イベントが行われ、主演の田中俊介、内田英治監督が登壇。ファンの前で熱いトークを繰り広げた。以下、その模様を全文掲載でお届けする。

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MC:早速、ゲストの皆さんをお呼びしたいと思います。拍手でお迎えください。
(会場拍手)
MC:それではご挨拶をお願いします。
田中:主演のひとり、市川光央を演じました田中俊介です。公開が目前に迫ってきて、公開を迎えるまでに、今日が最後かな?こうやって人前に出て『ダブルミンツ』のお話をさせていただくのは。せっかくなんで、良いお話ができたらいいなと思ってます。今日はよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
内田:この映画の監督をやらせていただきました、内田です。今日は池袋の聖地?(笑)。
田中:聖地です(笑)。
内田:この後いろいろおしゃべりしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
(会場拍手)
MC:ということで本日は『ダブルミンツ』のナビゲートDVDが発売ということで、さらに6月3日の全国公開がいよいよ近づいて参りましたけども、田中さん、今のお気持ちはいかがですか?
田中:公開もそうですけど、この変な緊張感がヤバイですね(笑)。(会場を見渡して)なんすかね、この会議室みたいなところは(笑)。プレゼンしなくちゃいけないのかなみたいな(笑)って思いますけども。そんな緊張感は忘れてリラックスしてやりたいんですけど、公開は6月3日ということで、もう二週間ちょいですかね。迫ってきているので、正直ドキドキしてますよ。この間の完成披露試写会も、たぶん僕がいちばん緊張してずっと楽屋で、ソワソワ、ソワソワソワソワして(笑)。
内田:うっとおしかったもんね(笑)。ウロウロウロウロしてね(笑)。
田中:(笑)。ずーっと、ウロウロしてましたよね。僕も味わったことないんですけど、出産を控える旦那さんの、分娩室の周りをうろちょろしているような感覚?この感じなのかなって思いながら、それぐらいソワソワしてました。
内田:でも、映画はね、スタッフやキャストさんからすると、自分の子供のような存在ですからね。
田中:あながち間違ってないですよね。同じ感覚なのかもしれませんね。
MC:内田監督はわりとドッシリと。
内田:昔は本当にソワソワして…。
田中:ほらー(笑)、監督もそうじゃないですかあ(笑)。
内田:どう思っているんだろうって思ってたんですけど、今は考えないようにしてます。楽しみに公開初日を迎えるというか。楽しんだ気持ちの方が大きいです。なんかちょっと上から目線で、「思ったように思え」みたいな(笑)。
田中:(笑)。
内田:じゃないと本当にプレッシャーが大きすぎて、本当にシュンとしちゃうんで。最近は考えないようにしてます。

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MC:完成披露試写会で、ほかのキャストさんとは久々にお会いしたんですか?
田中:久しぶりに淵上(泰史)さんもそうですし、小木(茂光)さんもみえてたし、撮影ではかぶらなかったんですけど、高校時代を演じた川籠石駿平くんと須賀健太くんとも会えたのは嬉しかったんですけど、急遽ね、冨手麻妙ちゃんが体調不良で来られなくなるという(笑)、ことがありまして、監督にその話をしたら、「まあ、あれだね。こんな大事な日に来られないってことは、もうこれから僕の映画に彼女は出られないね」って(笑)。
内田:すげー、いやなやつじゃん(笑)。なんでそんな偉そうなの(笑)。
田中:(笑)。僕がふっかけたんですよね、監督に(笑)。「これはも冨手使っちゃダメですねえ~、こんな大事な日に来られないのはねえ」って(笑)。
MC:でも田中さんはイベントとかライブとかこなしてても、やっぱり緊張するもんなんですね。
田中:別もんでしたね。今年の初めですね、武道館とかでライブをさせてもらって、あの時もステージに立ちたいという思いが叶った時だったんで、すごい緊張はしたんですけど、それとはまた違った、それこそ本当に分娩室ですよ(笑)。分娩室の緊張ですね。
MC:田中さんはミュージシャンとしてではなく、俳優としても活動されている中で、『ダブルミンツ』っていう主演作品が公開されるっていうのは、初めての体験に近いような感覚があるのかもしれないですね。
田中:そうですね。
MC:内田監督も、ほかのキャストと久しぶりにお会いした感じですか?
内田:そうですね。えー、そうですね。基本、イベントがないと会うことがないので、久しぶりにお会いしましたね。しかもあんだけ、揃うのは久しぶりだったので。

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MC:今日はあちらに、衣装が飾られていますけど。
内田:なんか紳士服の発表会みたいですね(笑)。
田中:(笑)。なんか異様ですよね、この並べ方(笑)。
内田:オークションが始まる(笑)?
MC:これは実際に劇中で主演のおふたりが着用されていた衣装でございます。向かって左側が田中さんが着られていた衣装ですね。撮影はどうでしたか?
田中:撮影に入るまでに、一年間という期間、役作りの期間を与えてもらえたので、なんか、その準備段階の時の方が、自分の中でいろいろ、市川光央のことを理解するとか、自分の中に落とし込むという作業に苦労した記憶が残っているので、撮影に入った時は、もう委ねるしかないなと。自分がやってきたことを信じて、自分は市川光央に近づけて来たつもりだったので、現場ではなるがままというか。監督と相手の淵上さんの空気感を、現場でも味わって、っていうとこだけ意識していたので。いろんなシーンもありましたけどね。たしかに、なかなか暴力的な描写もありますし、同性愛ということもありまして淵上さんとのやりとりもありましたけど、でもそこを変になんか構えたりとかはなかったですね。だから監督にもビックリされましたよ。
MC:作品に出るって時にですか?
田中:その時もそうですし、現場でも淵上さんと僕のからみのシーンも。お互い120%でリハーサルからドーン!とやったので、それを見た監督がビックリしてましたよね(笑)。そんなに来るとは思わなかったて(笑)。もうちょっと照れるかなあって思ってたって(笑)。
内田:(笑)。

MC:田中さんは原作を読まれると思うんですけど、世界観とかを理解できないとか、この役をやれるのか?みたいな迷いはなかったのですか?
田中:インする一年前にお話をいただいて、原作を初めて読ませてもらったんですけど、本当に面白いお話だなと思って。深いなと。同性愛と共依存っていう世界に、完全にのめり込んだというか。中村明日美子先生の持つ世界観に一瞬で惚れましたね。僕自身は、読んだ瞬間に「やりたい」っていう思いになったんですけど、逆にオファーしてくださった監督が、「本当に、やる?」って(笑)。僕のマネージャーに、問いかけてたみたいですけど(笑)。
MC:監督は原作に惚れ込んで今回映画化されたということですけれども、田中さんを主演に起用したきっかけとか理由みたいなものは何かありますか?
内田:映画においていちばん大切なのってやる気だと思うんですね。特に日本の映画っていうのは、皆んな役者が忙しいので。彼(田中)もそうだと思うんですけど。朝9時に入って、15時に出して、夜また入ってみたいな。作品に集中できないことが多くて、演技がやっつけ仕事みたいになってしまうことが多いんで、その中で彼が「死ぬほど役者をやりたい、演技をしたい」というのが伝わってきて。正直僕も迷ったんですけど、『ダブルミンツ』っていう漫画でBOYS AND MENっていうグループに属している田中くん、なんか安易な映画に見られるんじゃないかという心配もあったんですけど、彼のやる気はそれを凌駕していたというか、今もそうですけど。「もう関係ない」と、「ひとりの役者としてやりたい」というところですごい気合いだったのでお願いしようと思いました。たしかに、何回も彼と事務所に「本当にいいのね?」っていう確認はしましたよね。「やるからには『ノーNG』で」という話を最初からしていたので、現場でこれダメとかあれダメとかね。だからたぶん、すべてやるつもりで臨んだんだと思います。

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MC:今日はナビゲートDVDの発売ということですけど、まさに田中さんが現場で体当たりの演技をしておりまして、その辺の様子もDVDではご覧いただけると思います。中村明日美子先生とも現場とかでお会いしたと思うんですが、先生の印象はいかがでしたか?
田中:初めてお会いしたタイミングが撮影の最終日、現場に見学にみえてまして、なかなか過激なシーンだったんですけど、撮影終わったあとにインタビューというか、『OPERA』の中にもレポート漫画っていう形で描かれているんですけど(4月28日発売『OPERA vol.62-Re:-』茜新社)、そこで初めてお会いして、僕がもともと描いていた印象とは違いましたね。顔が。
内田:僕もそうです(笑)。
田中:(笑)。あれ?なんか普通に可愛らしいお方だったので。なんか、どんな方を想像してたんだっていうことになりますけど(笑)。ビックリしました(笑)。
内田:普通に綺麗な可愛い人ですよね。
田中:そう(笑)。
MC:原作は結構ハードですからね。
内田:ビックリしましたね(笑)。なかなか顔をお見せしてないので、想像できないかもしれないんですけど。言われないと絶対分かんないよね?
田中:分からないですね。
MC:会場でも原作漫画を販売してますが、『ダブルミンツ』が掲載された雑誌なんですけど、これの映画公開記念40ページの描き下ろしの新作が出まして、今、完売続出ということです。

MC:ズバリ、漫画と映画の違い、あるいはここは漫画の世界観を表せたとか、漫画と映画の世界観についてなにか感じられたことはありますか?
田中:僕も完成披露の舞台挨拶のあとに、皆さんと一緒に僕も作品を観させてもらったりして、検索を観た時の衝撃というか、原作が放ってた空気感、独特な空気感、僕が思ったのは触れたら怪我をしてしまうかもしれないぐらいトゲトゲしたものなんだけど、気がついたら両手で抱きしめている、ギュッとしている。そんな空気感、世界観というのがスクリーンを通しても客観的に観ても出ているなと素直に思えたので、しかっり原作のものを映画として、実写として受け継ぐことができたんじゃないかなと、僕も完成披露で観て実感できたというか。手応えは感じましたね。
MC:監督はどうですかね?
内田:原作ものをそんなにやらないんで、原作ものをやる時は比較的ストーリーラインを忠実にやろうと日頃から思っているんですけど、中村先生が観た時に、特に言葉を交わさず帰られたんで、「気に食わなかったかな?」って一瞬思ったんですけど。ドキッとしたんですけど、Twitterとか会ってお話した時に、「私の漫画とは違うと感じた。でもすごく好き」と言われて、それはすごい嬉しいなと思いました。コピーでもなく、新しい何かを付加価値として、ストーリーラインに載せることはできたなと思って、すごい嬉しいですね。

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MC:SNSとか観ていてもいい反応が見られてたと思うんですけども。
田中:チェックされました?僕は怖くてできなかったんですよ(笑)。本当にソワソワしてたのもあったし。初めて一般の方に観てもらったのが豊洲での完成披露だったんですけど、あのあと皆さんで食事に行ったんですけど、僕はそんなの怖くて見られなくて。そしたら監督が、見だして。横にいたスタッフさんにTwitterのことしゃべってて。監督はTwitterをずっとやってたんですけど、エゴサーチの仕方とかを知らなかったみたいで、初めてそこで教えてもらったんです。「エゴサーチの仕方教えてもらったんだよ~」って(笑)。そしたら、本当に温かいお言葉が、本当にたくさん。原作のファンの方とか、僕のファンの方も、ほかの演者さんのファンの方たち、会場に来てくださった皆さんが、本当に面白い映画だった、原作の空気感もしっかり描かれていたっていう、お褒めの言葉がすごい書かれていて。それを監督が「こんなこと書いてあるよ」っていうのを横で聞きながら、「あー、良かった、良かった…」って(笑)。
内田:(スマホの画面を)無理やり見せるっていうね(笑)。
田中:そうそう(笑)。
MC:「田中さんが、よくここまでやった」っていう声が多かったですね。では、せっかくなので会場のお客さんから質問がございましたら、ぜひ聞かせてください。
(恐る恐る手を挙げる女性がひとり)
田中:そんなに怖がらなくてもいいよ(笑)。
女性:はい、(マイク無しで)このまま言っていいですか?
田中:だいぶ(声が)通ってるからいいよ(笑)。
女性:デカい声なんで(笑)。
田中:いい声だよ。
女性:ありがとうございます。『OPERA』のインタビューで見た話なんですけど、監督が俊くん(田中)のことを「あいつはドMだと」言っていたんですけど(笑)、筋トレが好きなのもあると思うんですが、実際どうなんでしょうか?
田中:ドMかどうか(笑)。いきなりなんかねえ、すげー質問来たな(笑)。今作では身体を絞ったので、筋トレとか今までやっていたことを封印してやってたんですけど、普段身体を鍛えることが好きというか、カッコつけるようなことになってしまいますけど、何かで外国人の方が「男は鍛えるのがマナーだ」みたいな、ことを言っていて(笑)。それに感銘を受けちゃって(笑)。「うんうん、たしかに、たしかに。マナーかもしれない」って(笑)。それで鍛えることにしていたんですけど、追い込むことでMっちゃMだし、でもそれを自分に課すということではSな部分もあると思うし。どっちなんだろうなあ。M…。これどうしようかなあ…。
女性:監督に聞きましょう。
田中:そうだね。俺が言うより、監督が…。(マスコミ席を見渡して)でも、これ間違いなく記事になりうるよね…。田中俊介はMだみたいな。(会場大爆笑)どうなんでしょうね(笑)?現場というか、『ダブルミンツ』に関してどうだったですか?
内田:役者さんに演出する時にいちばん彼らが嫌がるのが「自由にやって」なんですよね。「自由にやってください」。彼らがいちばん欲するものって、「縛り」だったり「枠」?こういう中で役作りしてくれとか、それが狭ければ狭いほど、皆んなやる気になるんですよね。今回だったら光央という縛りがある中で、さらにこういう性格とか、どんどん付け足していくと喜ぶみたいな。田中くんが。逆に放置しておくと、どんどん不安になるみたいな。だからプライベートは知りませんけど、役者というのは、そういう部分があるんだと思いますね。
MC:そういう意味ではちょっとM?
田中:(笑)。僕が演じた光央は、淵上さん演じた光夫に対して、「俺の犬になれと」。なんですけど、現場では内田監督の犬でしたね。(会場爆笑)
MC:上手くまとめましたね(笑)。
内田:お前は俺の犬だ(笑)。
田中:そうです(笑)。はい(笑)。犬はしゃべらないから(笑)。ワン(頷く)。そういう関係性です。
MC:主従関係がちゃんとできてたんですね。
田中:そうですね(笑)。
MC:はい、ありがとうございました。

※ここで公開日の6月3日、翌日の6月4日に舞台挨拶が決定したことが発表される。詳しくは公式ホームページにて。

MC:また田中さんはソワソワするんですかね(笑)。
田中:そうですね(笑)。エゴサーチする監督の横で、僕はソワソワして、ワンワン言いながら(笑)。
内田:ゲストで誰か呼ばなくていいの? ボイメンの人。
田中:ボイメンのメンバーがゲストで(笑)? いや、だから(笑)、辻本(達規)とか合わないって、この作品には(笑)。
内田:本気で嫌がるからね(笑)、この話すると(笑)。
田中:(笑)。だって…、勇翔とか来てもしゃべんないしさあ(笑)。でも注目どころは、誰が登壇するかとか、詳細はホームページとかでチェックしてもらいたいんですけど、冨手麻妙は来るのか?とか(笑)、注目してね(笑)。
内田:主演映画がね、いろいろあるんでね。忙しいんでしょう。
田中:お忙しいかもしれませんけど(笑)。
MC:ありがとうございます(笑)。では最後に一言ずつご挨拶をお願いします。
田中:今日は集まってくれてありがとうございます。だいぶ公開が迫ってきまして、極限の愛憎が描かれている作品だと思いますし、原作の空気感というのはしっかり実写としても描かれています。だから原作のファンの方にもぜひぜひ、観てもらいたい作品ですし、映画ファンの方たち、韓国ノワールとか香港、フランスとか同性愛を扱った作品はたくさんありますけど、そういった空気感がこの作品にも日本映画としてしっかり描かれているので、そういった映画ファンの方たちにも期待に応えられる作品になっているんじゃないかと思うので、ぜひ観てもらいたい。そして、音楽が本当にいいです。チェロがこの作品にすごくマッチしてて、何回観てもチェロがかかった瞬間、ゾワゾワゾワっと。
内田:チェロしか使ってないんだよね。
田中:そうなんすよ。チェロだけ、チェロが何重奏にもされて。そうゆうこだわった音楽でもあるので、そういったとろこを120%楽しめるところが劇場でしか味わえないと思うので、ぜひぜひ6月3日から全国で公開になりますので、皆さま劇場に足をお運びください。今日はありがとうございました。
(会場拍手)
内田:たしかにBLっていうジャンルに括られるんですけど、ジャンルに括られるのってなんかすごくもったいないなあと思って、あれを小説にすれば純文学になるし、純文学だBLだって括るのはもったいないなあと思っていて、僕も別にBLだと思ってこの映画を作ったわけじゃないんで、映画の本質的な部分をぜひ楽しんでいただきたいなと思いますし、BL=簡単にチョロっと作ってイケメン君出して、みたいなのじゃなくて、ちゃんと向き合って作った映画なんで、とにかく観ていただきたいなと思います。ハードな映画でもあるんで、人を選ぶとは思うんですけど、皆さんに応援していただいて、全国の映画館でもっともっとやりたいので、今後もよろしくお願いいたします。
(会場拍手)
MC:ありがとうございます。
田中:公開まで、マジで盛り上げてください!よろしくお願いいたします!

『ダブルミンツ』
2017年6月3日より シネリーブル池袋ほか全国ロードショー
監督・脚本:内田英治 原作:中村明日美子「ダブルミンツ」(茜新社刊)
出演:淵上泰史 田中俊介 須賀健太 川籠石駿平 冨手麻妙 高橋和也 小木茂光
配給:アーク・フィルムズ、スターキャット

©2017「ダブルミンツ」製作委員会 ©中村明日美子/茜新社