【全起こし】『ブルーハーツが聴こえる』② 伊藤沙莉「尾野真千子さんがガチな目をしていてムカつかせちゃったのかなって笑」東京03角田晃広「長回しの最後の方で噛んでます」永瀬正敏「しわをもう1度見に来てください」

ザ・ブルーハーツ結成30周年を記念し6作のオムニバス映画『ブルーハーツが聴こえる』の公開初日に連続舞台挨拶を実施! 第1弾に続く第2弾をこちらも全文でお届けします!

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MC:お待たせいたしました。本日は映画『ブルーハーツが聴こえる』公開初日舞台挨拶にお越しいただきまして誠にありがとうございます。ではお時間も限られておりますので早速ゲストの皆様をお呼びいたしましょう。大きな拍手でお迎えください。『ハンマー(48億のブルース)』から尾野真千子さん、角田晃広さん、伊藤沙莉さん、飯塚健監督、『ジョウネツノバラ』から永瀬正敏さん、工藤伸一監督です。製作から2年、クラウドファンディングのご協力によりまして、やっと今日初日を迎えることになりました。皆様からひと言ずつご挨拶をちょうだいしたいと思います。まずは尾野さんからお願いいたします。

尾野:本日は足下の悪いなか、お越しいただきありがとうございます。上映後ということで、いかがでしたでしょうか。(拍手が起こる手を振り応える尾野)
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角田:なんで手振るの? 手を振る意味がわかんない。

尾野:短い時間ですがよろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。角田さんお願いします。

角田:皆さんのおかげでやっと公開を迎えることができました。ありとうございます。えーいかがでしたでしょうか。(拍手)
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飯塚:もうよくないですかそれ(笑)

角田:よろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。伊藤さんお願いいたします。

伊藤:皆様こんなにお集りいただき、本当にありがとうございます。もう、いいですよね? もうやらなくていいですか。いややっておいた方がいいか。上映後ということで、皆様いかがでしたでしょうか(笑)。(拍手)
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伊藤:よろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。飯塚監督お願いします。
(観客から健さん!と声援が)
角田:知り合いですか? サクラですか? 仕込みました?

飯塚:いやいやいや(笑)。今日はありがとうございます。2時間40分見ていただいた後なんで、きっと、とっとと終わってトイレに行きたいって思っている方もいらっしゃると思うんですけど、僕らもトイレ我慢してるんで、今日は楽しんでいってください。

MC:ありがとうございます。続いて永瀬さんお願いします。

永瀬:本日はありがとうございます。いかがでしたでしょうか。
(場内拍手&笑)
まずブルーハーツのメンバーの皆さんにお礼を言いたいと思います。ブルーハーツの楽曲、ブルーハーツを愛している皆さんにもお礼を言いたいと思います。本日はありがとうございます。

MC:ありがとうございます。工藤監督お願いいたします。

工藤:『ジョウネツノバラ』の監督をやらせていただきました工藤です。本日はありがとうございます。企画から携わらせてもらっているんですけど、4年、完成から2年間なかなか公開できずに下積みの長い作品になってしまったんですけども、今日こうやって、こんなにたくさんの皆さんの前で公開できて本当に嬉しいです。本当にありがとうございます。

MC:まずは『ハンマー〜』の方から伺っていきたいと思いますが、今日はキャストの皆さん3人いらっしゃってますけれども、それぞれ印象に残っているシーンについて伺いたいのですが、角田さんいかがでしょうか。

角田:(尾野に)あ、先に。

尾野:いいのよ(笑)

角田:見ていただいたんで分かると思うんですけど、家具屋さんの作業場っていうんですか、作るところ。あそこが結構長回しなんですよね。1カットで6分ぐらいありました?

飯塚:7分ちょっとくらいですかねー。

角田:8分くらいですか?
 
飯塚:10分にしておきましょうか。

角田:普段、僕は東京03で舞台でコントを中心にやらせてもらってるんで、それに近い感じがして、楽しかったですねあそこは。緊張感もあったし。

尾野:そうだった?

角田:いや、緊張感あったでしょ? ないんかい! 僕は緊張してたわ!

尾野:あ、あった。ここ(伊藤を指して)ですよね。一番ここが出来上がってましたよねあのとき。学生の2人が。うちら緊張しまくりましたよね。

角田:してましたよ、あのときは。あの1カットが、最後の方噛んでるんですよね。最後の最後の方なんですよね。

飯塚:10分のうちの最後の10秒ぐらいですよね。

角田:そういうとこなんだよな〜。そこだけちょっとね。あれはねでもライブ感というか、ライブではないですけど。そこもいいってことで。

飯塚:まぁ使われたからOKでしょ。

MC:全然気付かなかったですけどね。(客席に向かって)気付かなかったですよね?

角田:ああ、ホントですか。言わなきゃ良かった。

MC:(客席気付いているようす)あー気付いてますね。雰囲気を作っていったのは伊藤さんと萩原みのりさんの女子高生チームっていう感じでしたけど、伊藤さんもかなりテンポのいい会話劇で、どんな風に空気を作っていったんですか?

伊藤:いや空気を作ってる意識はなかったんですけど、その場で演出がついて動きが変わることとか、動きが増えることとかが多かったんで、真千子さんがドンってやってドンってなるところとか、元々書いてなかったところだし、ああいうところは結構私も吐きそうなくらい緊張してましたけど。結構、真千子さんガチな目してたんで(笑)、ムカつかせちゃったかなって。

尾野:ガチだったからね。

伊藤:ガチでしたね(笑)。
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飯塚:あの思い出深い話って言えば例のがあるよね?

伊藤:例の?

飯塚:今だから言えるみたいな、あるじゃない?

伊藤:はい、あのこういうとこあるんですよ。愛川奏っていう役を見ていただいて分かったと思うんですけど、まさに私自身もああいう感じで接せられているので、、、もう絶対私のせいじゃない!これは私のせいじゃない。

角田:誰のせいとか誰も思ってないから(笑)。

伊藤:矛先私だーってすぐ言ってるんですけど、本当に大体矛先私なんで(笑)。本当に今、なんか何この子みたいな顔してるけど、裏ですごい仕込んでるの聞こえちゃってたんで、もう(笑)。

角田:でもドラムとかこのために練習してやったもんね。

伊藤:本当にそれは、もうひとりのもう1人の萩原みのりちゃんとギターの練習とドラムの練習をずっとやっていて、完成に近づいてきたっていうところで飯塚さんに、もっと楽しそうに、っていうか顔が怖えーよって言われて、それから頭振るのとか追加するのがギリギリだったんで、すごくそれは緊張して。

角田:こっちはボーカルだったからね。でも監督の指示で頭、そんな低くっていうのがあって、まだいきますっていうのがありましたけどね。

飯塚:でもそのくらいしないとやっぱりね。ヒロトさんには絶対かなわないけど。

MC:尾野さんは印象に残っているいるシーンって何かありますか?

尾野:あ、あの気付かれてますかね、遠い昔で忘れたかもしれないですけど、「ハンマー〜」を皆で歌ってるときに私ががマイクじゃなくてハンマーで歌ってるの気付いた人、手上げて!
(結構な人数の手が上がる)
尾野:おおすごい、一瞬だったのに! すごい、じゃあ良かった、それだけ!

MC:わかりました。監督は撮っていて本当に気持ちのいい会話が続くじゃないですか。

飯塚:そう思っていただけるのは嬉しいですね。

MC:あれはでも演出はどんなふうにされてたんですか?

飯塚:演出は、、

角田:速いですよね、読み合わせの段階でもテンポがあって。

飯塚:でも、速くしてくださいなんて言ってないですね。
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角田:言っては、言っては、まぁそんなに言ってはいないですね、確かにね。

飯塚:自然にピッチが上がる会話と言いますか、沙莉とみのりが上げてたかなーって感じはありますね。

角田:そうですね。最初の読み合わせのときに、女子高生チームが先だったんですよたぶん。でそのあとに僕が行って、でやりとりが超速いから、え?このペースでいくんですか?みたいな状態で僕が参加して、それで最後に尾野さんが来たんですよ。そのペース見てちょっとびびってましたよね?

尾野:だいぶビビった。

飯塚:ビビったっていうかちょっと怒ってた。

角田:はえーよ!みたいなね(笑)。

尾野:で、わけ分かんないからとりあえず足組んでみるみたいな。

角田:ちょっとね、威圧をかけたんですよね。大女優来ちゃったなって思いましたよね。

尾野:私できますけどみたいな。そうするしかないあアレ。出来上がりすぎてて。本読みの段階でですからね。

MC:すごいですよね。萩原さんと伊藤さんは前から仲良くしてたんですか?実際女子高生って会話が速いんですよね。すいません、おばさんみたいな発言しちゃって。

角田:そういうことだったんですね。

伊藤:自分たちで言葉を作るとか、女子高生がしがちなんで、そういうのはなんかやっていて思いました。2人にもあるなって思いました。

MC:ありがとうございます。では続いて『ジョウネツノバラ』のお2人に伺っていきたいんですけど、先ほど監督は2013年から企画の段階から関わってらっしゃってことですが、長い年月を経て、今日初日を迎えられましたけど、永瀬さんは脚本から関わってらっしゃっるんですよね。どのように監督と、(なぜか永瀬が後ずさる)あれ、どうしました(笑)? 本当に万感の思いだと思うんですが、監督、永瀬さんとはどのように作られたんでしょうか。

工藤:永瀬さんとは、10年ぐらい前に僕が監督で、永瀬さんがカメラマンとしてリアルにスタッフとして参加していただいた作品があってその後3ねんぐらい6作品ぐらい一緒にやらせてもらったんですけど、その間に映画話で盛り上がってですね、こういう映画を撮りたいですとか永瀬さんの思いとかも伺っていて、そのなかで永瀬さんに見せていただいた原案があったんですけど、それから時を経て、このブルーハーツの映画の企画が立ち上がったときに、曲を選びで「ジョウネツノバラ」を最終的には選んだんですけど、自分で最初プロットを書きはじめたんですけど、そのときにふと何年か前に永瀬さんに見させていただいた原案を思い出してですね、すぐ永瀬さんに連絡させていただいて、こういう企画があるんですけど、あの話を映画化したいんですっていう話をしたらですね、ぜひ脚本をお願いできないでしょうかという話で。最初は出演されないということで脚本のみで参加されるということでスタートしてたんですけど、まぁ途中でここはぜひ永瀬さんに出ていただきたいとお話をして、脚本も書きつつ出演もしてもらうという難しいポジションになってしまったと思うんですけど、ありがとうございます。
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永瀬:いや、すみません。

MC:永瀬さん、これもともと長編で書かれていたと思うんですが、この物語を作り出されたきっかけってどんなところだったんですか?

永瀬:きっかけはもちろん今回のブルーハーツさんのとは全然違うんですけれど、ある日僕のおばあちゃんが亡くなって、気丈に振る舞っていたおふくろが、いよいよ最後に棺桶を焼き場にいれるぞってなったときに突然慟哭しはじめて、棺桶を止めたんですね。僕はおふくろを後ろから抱きしめて棺桶を放したんですけど、そのときに永遠の愛情とかね永遠の別れって何だろうと思って、ちょっと男女に置き換えて書いたっていう、真面目な話になっちまった!すいません!

角田:『ハンマー〜』と対極にあるような作品だから。

永瀬:すみません、なんか。

MC:真面目な話が伺いたかったので。

角田:じゃこっちがダメみたいじゃないですか!
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MC:そんなことないですよ! 作品のカラーがありますんでね。監督と一緒に短編にするまでという作業はどういったかたちで行なわれたんですか。

永瀬:僕も読んでいただいてた本をってことで最初戸惑ったんですけどね、ま、ブルーハーツさんの曲を何度も何度も聞き直して、特に「ジョウネツノバラ」を聞き直して、言葉は交わさなかったんだけど甲本さんと一緒の空間にいたときがあって、忌野清志郎さんの告別式だったんですけど、そのときのヒロトさんの清志郎さんに対する言葉がものすごく良くて、そういうのをミックスして何とかやれるかなとやっていって。最初はね、ものすごくセリフがあったんですよ。
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工藤:すごいセリフありました。

永瀬:一生懸命書いたんですよ。ものすごい量。

工藤:ものすごい量でしたよ(笑)。辞書ぐらいありました。

MC:はい、いやいやそんなにはないですけど(笑)、まぁ長編ぐらいになってしまっていたんですけどね、それをどんどんやり取りして、短くしていって、言葉はもうヒロトさんの歌詞で十分じゃないかと思ったんですよね。真面目な話になっちゃいました。。

角田:真面目な話を待ってたらしいですから、どうやら。

MC:でも見事に「ジョウネツノバラ」の歌詞とリンクする、曲の冒頭からまさにぴったりだなって、作品を拝見して思いましたけどね。

永瀬&工藤:嬉しいですね。

MC:ありがとうございます。水原さんとの共演も、今回奥様役としてありましたが、印象に残っているシーンなど永瀬さんありますか?

永瀬:全部ですよね。っていうか、ね? ものすごい寒かったんです。

工藤:もう極寒でした。マイナス10℃とかでした。

永瀬:外にいるより中にいる方が寒いぐらいで。それはご覧になったからあれですけど、水原さんはほぼ何も身にまとってらっしゃらない。でも普通ふざんけんなー!って寒いって怒ってもいいようなもんだけど、ニコニコしてプロフェッショナルイズムというか、ちょっと感動というか、美しい死に顔、死体みたいなやつが見所のひとつじゃないですかね。

工藤:合成とか実はいっさい使ってないんですよ。

MC:CGなしなんですよね?

工藤:はい、リアルに1月末の銚子の冷凍倉庫でリアルにあの状態で撮影させていただいて。

永瀬:申し訳なかったですね。最初は服を着たままの設定だったんですよ。でも服の見え方が。あの、あんまり言えないんですよね?

工藤:はい。

永瀬:ま、見た方は分かると思いますけどああいうふうに奇麗にならない。

MC:分かります。

永瀬:でも水原さんきっとやってくれないだろうなって思ってたんですけど、あのやっていただけるってことで、はい、すごかったですね。

工藤:永瀬さんの特殊メイクもものすごい細部にわたってやっていて、1シーンに一気に年取っていくシーンがあるんですけど、実はその前からちょっとずつちょっとずつメイクが変わって年を取っていっているんですけど、気付いたかたいらっしゃいますかね?

永瀬:しわを少し入れたり、シミをちょっと足したりしていってるんですけど。気付かれないですよね? ってことは明日もう1回見に来ていただいて。

工藤:はい、もう1回。

永瀬:明日分からなかったらまた、もう1回ね。

工藤:分かるまで見ていただけると。

MC:はい、あと尾野さんのハンマーのシーンも、気付かなかった方ももう1度ご覧いただいて。

永瀬:そうですね、ハンマーとしわを見に来ていただいて。

MC:あと今日、屋上で永瀬さんと向き合う女の子役の、あの屋上もものすごく寒かった夜明け前からスタンバっていてすごい寒かったんですけど、あのときの藤崎ゆうちゃんが、実は見に来てくれていてですね。

永瀬:おいでよこっちに。

工藤:めちゃめちゃ寒かったでしょ?あのとき。

永瀬:全然寒そうな顔してないんですよ。

工藤:もう女優魂ですね。

永瀬:いやー女優魂ですね。

MC:拍手を!

永瀬:ステージに来ればいいのに。

MC:ちょっと恥ずかしかったですかね、あー泣き出しちゃった。

角田:永瀬さん泣かせましたね!

永瀬:いや、そんなつもりはなかったんです。僕のなかではもしかしたら彼女は僕と水原さんの娘かもしれないとか、水原さんの過去の幻影かもしれない、っていうつもりで書いたので彼女に出てもらってすごい良かったなって思ってますね。

MC:ありがとうございます。ではここでフォトセッションになります。
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MC:ここで1つこの場所で初めて発表することがございまして、なんと本作台湾での公開が5月26日に決定いたしました! ブルーハーツの熱い魂が世界へと広がっていきます。アジアにもブルーハーツのファンの方がたくさんいらっしゃいますからね、どんな反応が返ってくるかとても楽しみです。では最後に主演の尾野さん、永瀬さんからひと言ずつご挨拶をと思います。まずは尾野さんからお願いいたします。

尾野:改めまして皆さん今日はありがとうございました。皆で台湾行きましょうか? 行きたいね。もう一度しわを見に来てください。よろしくお願いします。ありがとうございました。

MC:ありがとうございます。永瀬さんお願いします。

永瀬:いやー台湾行きたいですね。僕も大好きなところなのでぜひ行きたいと思いますが、いや本当今回ありがとうございます。僕たちは映画を作るだけでは映画は完成しないといつも言っているんですけど、皆さんに届けて、皆さんに命を吹き込んでもらって、そのプロセスが全部映画だっていうふうに思うんですけど、今回は僕たちが届けなきゃいけない皆さんに救っていただいた企画、本当に皆さんに感謝しています。皆さんありがとうございます。あと、工藤監督は企画からずっと関わっていらっしゃって、すごく大変な思いをどん底もいっぱい味わわれたと思ですけど、一生懸命やられて今日初日を迎えて、しかも監督デビュー作です!おめでとうございます!(拍手)次は全員このキャストで作ってください。
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尾野:お願いします。

角田:お願いします!

MC:ありがとうございます。これを持ちまして舞台挨拶を終了させていただきます。今一度皆様大きな拍手でお送りください。

2017年4月8日 新宿バルト9


『ブルーハーツが聴こえる』
2017年4月8日公開
監督:飯塚健 下山天 井口昇 清水崇 工藤伸一 李相日 出演:尾野真千子 角田晃広 市原隼人 高橋メアリージュン 斎藤工 要潤 山本舞香 優香 内川蓮生 新井浩文 永瀬正敏 水原希子 豊川悦司 小池栄子 三浦貴大
配給:日活/ティ・ジョイ
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