【全起こし】『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』監督×永井豪の対談イベントに水木一郎がサプライズ登壇!

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『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』の最速上映会が、3月6日(月)にヒューマントラストシネマ有楽町で行なわれ、ガブリエーレ・マイネッティ監督と、アニメ「鋼鉄ジーグ」の原作者である永井豪先生のスペシャル対談を実施。途中、「鋼鉄ジーグのうた」でおなじみアニソン界の帝王・水木一郎がサプライズ登壇し、映画のエンディング曲の感想などを語った。本日はそのイベントの模様を全文でお届けする。

『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』3.6イベント概要

MC:それでは早速お呼びしましょう。ガブリエーレ・マイネッティ監督と、永井豪先生です。みなさん、拍手をお願いします。

(場内拍手の中、お二人が登場)

MC:それではまず今日来ていただいた皆さまに一言ご挨拶をお願いできますか。

マイネッティ:(日本語で)ミナサーン、コンバンハ。マタ、ミナサンニ、オアイデキテ、コウエイデス。(ここからイタリア語で)本当に光栄です。私にとってこの鋼鉄ジーグにインスパイアされた映画が日本で配給されるとういうことは本当に夢のように思います。本日はどうもありがとうございました。

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永井:えーみなさん、こんにちは。イタリアでこういう映画ができると思っていなかったんですけども、大昔に作った「鋼鉄ジーグ」という作品を、監督は7、8歳の時にに観ていたらしいんですけど、そういう彼が思い入れを込めて作ってくれた映画は、本当に面白かったです。皆さんも楽しんでいただけたらなと思います。どうもありがとうございました。

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MC:ではここからお話をうかがっていこうと思うんですが、お二人は、昨年イタリア映画祭でこの映画が上映されて、その時にお会いされているんですよね。そして、ついに今回映画の日本公開が決まり、再会されたんですけれども、お気持ちはいがかでしょうか?

マイネッティ:もう私たちは仲良くさせていただいております(笑)。去年、イタリア文化会館というところで私の映画が上映されたました。日本に着いてからまだ二日目で、まだ時差ぼけで頭がボーッとしているところでした。でも永井先生が映画を觀て、もし「気に入らない」って言ったらどうしようどうしようと、そればかりを心配していたんです。ところがですね、とってもポジティブな評価をしていただいて、本当にビクビクしていたのに、とっても嬉しかったです。そしてその後、私と主演のクラウディオ・サンタマリアも来日していたんですけども、奥様と一緒に夕食にご招待いただいて、そこでまたゆっくりとお話ができて、本当に嬉しかったです。

MC:永井先生は映画をご覧になっていかがでしたか?

永井:アメリカのヒーローものと違って、莫大な制作費を使ってないんですけども、それにも増して人間味が溢れるような作品で、觀終わって最後に嬉しくなるような、そういう映画が出来上がってますんで楽しんでいただければと思います。

MC:ありがとうございます。監督に質問ですが、「鋼鉄ジーグ」という永井豪先生の作品をモチーフにした映画がついに日本で上映されるんですけど、そのことについてなにかお気持ちがあれば。

マイネッティ:先程、永井先生から「ヒーローものだけどアメリカ映画とは違う」と言っていただいたんですけども、私としてはスーパーヒーローものをイタリア式に語ってみたかったんですね。そこで、なんで日本の漫画、アニメなんだと思われるかもしれませんが、実は日本のアニメはほとんど自分たちのものという風に感じているんです。というのは、自分が小さい時からテレビの前に座っていると日本のアニメを観るというのがすごく普通のことだったので、自分と日本のアニメとはすごい長い関係があるんです。その中でも特に「マジンガーZ」や「グレンダイザー」が大好きで、私は今40歳なんですけど、私の年代が「スーパーヒーロー」と言って一番最初に頭に浮かぶのはいわゆる「スーパーマン」とか「バットマン」ではなくて、「マジンガーZ」だったり「グレンダイザー」だったり、あるいは「鋼鉄ジーグ」だったりするんです。今回この映画が日本で公開されるというのは、とても光栄なことだし、またそれが日本の方たちにどう受け取られるのか興味津々です。

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MC:ありがとうございます。次に永井豪先生に質問ですが、イタリアで永井先生の作品が実写映画化されるというのも驚きですが、さらにこの映画がすごいのが、「鋼鉄ジーグ」を愛する人が出て来る映画というんですか。「鋼鉄ジーグ」をモチーフにした映画が、イタリアで映画化されたことに対してどう思いましたか?

永井:まずは嬉しいのと、「鋼鉄ジーグ」を作ったのは30〜40年近く前だと思うんですけど、それからイタリアの人たちに浸透していったんだと思うと、すごく感無量です。僕は海外によく呼ばれるんですけども、そのたびに日本よりもイタリアやフランス、スペインとかの方がウケてるんじゃないかと思って(笑)。もともと、ヨーロッパ的な?しかもラテン系のアツい国にウケる要素が多かったのかなと逆に思ったりして。日本だと変わった漫画家に見られがちなんですけどね……(笑)。

MC:昔、酒場でイタリアから旅行に来た女性に会ったんですけど、日本の文化の話になった時に、すごく好きな作品があると言って、突然その方がシャツをめくってお腹を出したんです。そうしたらお腹に「グレンダイザー」の入れ墨が入ってたんですよね(笑)。だから、永井豪先生の作品は愛されているんだなあとその時に実感したんですけど。

マイネッティ:それはイタリアでは普通です(笑)。

MC:えー(笑)。普通なんですね!タトゥー入れるぐらい常識なんですね。

マイネッティ:本当に私たちにとってはとっても大切なものなんです。

MC:すごいですねえ。これは野暮な質問になってしまうかもしれませんが、そもそも今回の映画化にあたって、「鋼鉄ジーグ」という作品をモチーフにしたのはなぜなんですか?

マイネッティ:それは理由があるんです。それはこの映画を觀て、「鋼鉄ジーグ」を良く知っている方なら分かると思うんですけども、まず司馬宙(しばひろし)という「鋼鉄ジーグ」の登場人物は、ロボットの頭部に変身するんです。ほかの「マジンガーZ」などはロボットの中で運転するんですけども、これは彼自身が超人的な力を持っているというところで、超人的な力を得るこの映画の主人公と似ているところなんですね。それからもうひとつ、自分が「鋼鉄ジーグ」で惹かれるのが、彼は頭に変身するだけで、ロボットのほかのパーツっていうのは(卯月)美和という女性が射出するわけですね。この映画を観ていただくとわかると思うんですけども、この主人公が本当の意味でヒーローになるためには、この映画の女性主人公の力が必要になるんですね。そういったところが共通点で、実際にこの映画の中で、女性主人公が「私もジーグにパーツを投げてみたい」というセリフがありますので、そこをちょっと気をつけて観てください。あと、ジーグのカラーがいちばん好きなんです(笑)。

MC:ありがとうございます。「鋼鉄ジーグ」のもうひとつの魅力といえば主題歌もあると思うんですよね。この歌はイタリア国民みんなが口ずさめる曲なんじゃないかというくらい親しまれているんですよ。というわけで!今日、なんとアニソン界の帝王である水木一郎アニキが映画公開のお祝いに駆けつけてくれました!みなさん、後方の扉にご注目ください!それではお呼びしましょう!水木一郎さんです!

(「鋼鉄ジーグのうた」が流れる中、花束を持って水木一郎が登場、会場大歓声。壇上の永井豪先生とマイネッティ監督に花束を贈呈する)

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MC:お気づきになった方もいると思うんですけど、水木さんが持ってきてくれた花束は黄色と緑のジーグカラーなんです、これ(笑)。愛にあふれる花束ですねえ。本当に「鋼鉄ジーグ」の歌はイタリアで愛されいる歌で、イタリア語版だけでなく日本語版もカラオケで歌われるほどなんです。監督、その話は本当なんですよね?

マイネッティ:本当にそれが日本語かどうかは分かんないですけどね(笑)。日本語らしく自分で歌っている人はいますね(笑)。

MC:じゃあイタリアの方々は、必死にアニキになろうとして歌ってるんですね。

マイネッティ:そうです(笑)。

MC:水木さん、今の話を聞いてどうですか?

水木:イタリアは子供の頃から好きな国で、歌手になり始めた頃、カンツォーネを何曲も覚えて、イタリアに行きたいという気持ちがすごくあって。世界地図を一番最初に覚えたのがイタリアでした(笑)。

MC:その思いが、歌声がイタリアに渡ったわけですね(笑)。

水木:僕はあだ名で「イタリアーノ」ってよく呼ばれるんです(笑)。「水木くんはイタリアーノみたいだねえ!女性は褒めるし、情熱的だし、ファッションも」(笑)。

MC:はいはいはい(笑)。

水木:そういった意味で、向こうの人に似ているんじゃないかという(笑)。

MC:歌だけじゃなく、水木さんの持ってるものもイタリアとすごく相性がいいかもしれませんね(笑)。

水木:ちょっと長くなるんですけど、フランスで私のライブがあった時に、スペインとか周りの国からいろんなファンの人が見に来てくれるんですけども、最後まで一番熱く楽屋まで着いてきちゃったのがイタリアの人で(笑)。

MC:そういう思いがこの映画につながっていくんですね(笑)。

マイネッティ:それは女性ですか?

水木:男性です(笑)。だから僕も「チャーオ。チャーオ」って(笑)。これから始まる映画は、皆さまに本当に楽しみにして欲しいんですけど、ぜひね、映画の最後の最後まで席を立たないでほしいんですよ。というのも、エンディングに「鋼鉄ジーグ」の歌のバラードバージョンが流れるんですよ。その歌はなんと、この映画の主演のクラウディオ・サンタマリアさんが歌ってるんです。それがなんとも泣ける感じなんでね、皆さんホントに最後まで聴いていってください。

MC:実際、このバラードバージョンを聴かれていかがでしたか?

水木:バラードバージョンですから、もちろんイタリア語で歌っているわけですけども。これがなんともマッチしていて。この映画はヒーロー映画だとおも……、あ、言っちゃいけませんね(笑)。とにかく観ていただいて(笑)、「なるほど、こういう音楽になるんだ」というのを実感してしただければ、嬉しいなと思います。僕は、今度ライブでバラードのジーグを歌ってみたいと思います。

MC:それはぜひ聴きたいですねえ!(場内拍手)お願いしますよ、本当に。聴きたいです!永井先生はいかがでしたか?

永井:ほぼ同感で、映画にマッチしていて、映画のラストに相応しい曲だと思って、感動しました。

マイネッティ:(日本語で)アリガトウゴザイマス。

MC:最後の曲のサビの部分で「ジーグ!」って言うじゃないですか。その「ジーグ!」って言葉が心にジャスティスを秘めた男の叫びのように聞こえて泣けてくるんですよねえ、あの歌。すみません、なんかアツくなっちゃって(笑)。本当にそれくらい素敵な映画なんで。

水木:(笑)。僕も語りたいんですよ。スタート地点から語りたいんですけど、皆さんに観ていただいて。ハラハラしますよね。

MC:サプライズの連続ですからね。

永井:さっき聞いたんですけど、最後の曲は監督がギター演奏しているって。

マイネッティ:はい、そうですね。

MC:すごいですねえ。ではここでマスコミのフォトセッションに移らせていただきます。

↓水木「すごい顔がでかく写っちゃうなあ」、永井先生「いや、それは事実だから(笑)」(会場大爆笑)
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(フォトセッション終了)

MC:ではこれから上映が始まりますけど、これから映画を観る方に監督からメッセージをお願いします。

マイネッティ:私の日本語の先生が客席にいらっしゃいます、やはり永井先生の大ファンです(笑)。(日本語で)エイガヲ、キニイッテクレルト、ウレシイデス。アリガトウゴザイマス。(会場拍手)

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『皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ』
2017年5月20日(土)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー
監督:ガブリエーレ・マイネッティ
出演:クラウディオ・サンタマリア
配給:ザジフィルムズ
公式HP:http://www.zaziefilms.com/jeegmovie/

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