【全起こし】『沈黙』スコセッシ監督来日会見「モキチのはりつけシーンは全キャストが泣いた」

MC:ありがとうございます。ここでもう一人ゲストの方をお呼びしたいと思います。いまもなお伝統を守り続けている、隠れキリシタンの方を長崎からお招きしました。村上茂則さんです。どうぞよろしくお願いいたします。

(会場拍手)

村上:長崎から来ました、村上茂則です。本日は『沈黙』の監督さんにお会いできて非常に喜んでおります。今、長崎県には3箇所しか隠れキリシタンが残っていないんですけど、その当時40万人いたという信者が、今は300人しか残っていません。潜んではおりませんけど、信仰はそのまま昔の形態で続けております。今後も続けたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

MC:どうもありがとうございます。映画をご覧になった率直な感想をお聞かせください。

村上:映画の中で自分の先祖たちがひどい目にあって、これだけ弾圧を受けていたのを見て、涙を流しました。ぜひ皆さんにも見ていただきたいです。

スコセッシ:この映画は日本の文化、そして日本にいたキリシタンの勇気を描いたつもりですけど、そうなっていればいいなと思います。忠実に敬意を持って、そして共感と慈悲心をもって力の限りを尽くしました。撮影中、たとえばモキチ(塚本晋也)が十字架にはりつけにされるシーンがありますが、あのシーンを撮影しててもアメリカ人も日本人キャストも涙しました。そういう意味で本当に真剣に取り組んでいだ撮影でありましたし、ひとつの通過儀礼的な巡礼なんだという感覚を覚えました。

↓隠れキリシタンの村上茂則さん(右)と並んで写真撮影に応じたマーティン・スコセッシ監督
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